パキスタン・インド・アフガニスタン地震:OCHA現状レポートNo.5

パキスタン                                                
現状:
1.パキスタン政府は大地震による死者が23,000人に達すると推定した。400万人が被災し、そのうち100万人は深刻な被害を被った。また、42,397人がけがを負ったと確認されている。
2.140以上の余震が記録され、そのうち21はマグニチュード5.0以上であった。被災地が山岳地帯でるため、また寒さや倒壊したインフラのせいで支援物資の配布は滞っている。遺体の回収や埋葬が進められている。
3.国連災害評価調整(UNDAC)チームは、捜索・レスキュー隊によって25の建物が捜索されたMuzaffarabadにおいて、8人が救出されたと報告した。
緊急ニーズ:
4.パキスタン政府は国際社会に向けて優先的なニーズを発表した。
·住居(避難場所を必要としている推定400万人に対して冬用テント・ビニールシート・厚い毛布や布団・マットレス・暖房器具)
·食糧(缶詰・イスラームの戒律に従ったハラール食品・高カロリービスケット・配給食料)
·医薬関連(病院・抗生物質・チフス治療薬・骨折関連のキット・救急救命器具・外科手術用具・浄水キット・錠剤)
·道路のがれきを取り除くための貨物ヘリコプターや重機
·金銭的援助
国家対応:
5.あらゆる国家資源が動員され、パキスタン国民は不屈の精神でこの国家的悲劇に勇敢に立ち向かっており、いかなる段階においても救出と救済に貢献している。
6.緊急事態に対する活動を調整するため、災害対策本部(Disaster Management Cell)が首相官邸に、危機対策本部(Crisis Management Cell)が内務省に設置された。また外務省には、国際支援を適した省庁につなぐ緊急事態調整センター(Emergency Coordination Center)が設置された。
国際的対応:
7.速報のアピール( Flash Appeal)が10月11日に始まる。OCHAは10月13日にジェノヴァで(the Permanent Missions)とともに第二回情報会議を開くことになっている。
8.各国の捜索隊・救助隊は以下の地域に配置されている。
·日本:Batagram
·オランダチーム:Bagh
·フランス:BalakotとMuzaffarabad
·トルコ:Muzaffarabad
·アラブ首長国連邦:Muzaffarabad
·英国:Muzaffarabad
·Aga Khan基金:MuzaffarabadとBalakot
9.現在4つの国連機関査定チーム(UN inter agency assessment teams)がMuzaffarabad、北西辺境州(NWF)、Mansehraにある。
10.国連開発計画(UNDP)は地域減災アドバイザー(Regional Disaster Reduction Adviser)をパキスタンに配置した。
11.国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)には利用可能な1,400組のテントや10,000枚のビニールシート、また大量の石けんなどの非食糧物資がある。
12.国連児童基金(UNICEF)は水コンテナと浄水用の錠剤の備蓄が倉庫から被災地へ運ばれているところであると伝えた。
13.世界食糧計画(WFP)には保管能力があり、支援団体らはそこに救援物資を貯蔵することができるだろう。WFPでは10,000トンの小麦粉と4,000トンの植物油、配給用の120トンの高カロリービスケットが利用可能である。WFPは現地経験のある物流専門家を配置しており、輸送をリードするだろう。
14.1,000軒の病院が完全に倒壊し、医療物資が不足し厳しい状況にある。世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)は厚生省(Ministry of Health)を支援し、外科チームが最も被害の大きい地域に派遣された。WHOはすでに14人の国際専門家とともに評価チームを派遣しており、緊急の健康及びトラウマキットを配ることになっている。外国からの対応を調整するためにWHOは保健団(health cluster)のミーティングを召集する。国連人口基金(UNFPA)は妊婦をケアするための医療器具の調達を行っている。
15.国際移民機関(IOM)は輸送の支援を貨物だけでなく住むところを失った人々にも提供している。
インド――ジャンム・カシミール(Jammu and Kashmir)                                     
現状:
16.10月10日現在、地震による死者は少なくとも880人に上り、そのうち794人は市民で86人はインド側カシミールの兵士である。
国家対応:
17.Srinagar、Baramullah、Uriに市民の管理と警察による合同管理室(The Joint Control Rooms)が設置された。
18.軍はジャンムー・カシミールの被災者のために「Operation Imdad」と呼ばれる大規模救援・救急作戦を開始した。軍はUri, Rampur, Baramullah, Naogaon, Tanghdhar, Poonch とその他の地域で救援を行っている。市民はUriやPoonch、その他の地域のキャンプで医療支援を受けている。
19.支援の送り手と受け手の機関は、ニーズへの対応の全体像を把握するため、すべての人道的支援金と物資の支援を人道的な Financial Tracking Service (fts@reliefweb.int, www.reliefweb.int/fts) に報告するよう求められている。報告は翌日の更新に反映されることになる。現在の貢献は以下のウェブサイトで見ることができる。http://ocha.unog.ch/fts/reports/daily/ocha_R10_E14961___05100921.pdf.
20.国連人道問題調整事務所(OCHA)は入手しだい情報を追加する。このシチュエーション・レポートは、進行中の緊急事態のさらなる情報とともに、OCHAのウェブサイト http://www.reliefweb.intで利用可能である。
MAP: South Asia (Pakistan, India): Earthquake – Situation map (PDF format, 602 KB)
Tel.: +41-22-917 12 34
Fax: +41-22-917 00 23
E-mail: ochagva@un.org
緊急の場合のみ: Tel. +41-22-917 20 10
Desk Officers:
Ms. Merete Johansson, 直通. +41-22-917 1694
Ms. Masayo Kondo, 直通. +41-22-917 1997
Mr. Masaaki Nakagawa, 直通. +41-22-917 4034
Press contact:
(GVA) Ms. Elizabeth Byrs, 直通. +41-22-917 2653
(N.Y.) Ms. Stephanie Bunker, 直通. + 1-917 367 5126
原文URL: http://www.reliefweb.int
情報源: 国連人道問題調整事務所(UNOCHA)
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