月別アーカイブ: 2005年9月

津波で家を失った人々の二重苦

Action Aidはスリランカ政策研究所と世界銀行による、今日の報告書(Listening to those Who Lost)を読んで呆然とした。その報告書は、1月の津波によるホームレスの問題とスリランカの海岸沿い地域を追われた人々の移転の問題に焦点を当てている。
この報告書は、住宅、ホームレス、再建などの問題に関する、非常に広範囲にわたる調査報告書の1つである。その中で、スリランカ政府によって住む場所を追われた人々が直面している、三つの主要な問題が強調されている。
- 10人のうち8人が、スリランカ政府が提供した場所への家の再建を拒否した。70%近くの人は、彼らの先祖代々の土地である海の近くに住み続けたいと訴えている。
- スリランカ政府は彼らの意見を聴いたり調査を行ったりせず、一方的に移住先を指定している。
- この調査に回答した人の多くは、しっかりした地域の絆の維持や生計の保証といった要求が満たされなければ、移住することを望まないと思っている。
スリランカのアクションエイドの政策代表者であるSaroj Dashは次のように述べている。
“わたしたちはスリランカの東海岸と南海岸沿いの地域で起こっている事態を意識している。いまだに将来の計画をたてられないでいる人々がいるという現実。この報告書によって、政府が地域社会のニーズを聞かなければ、このような人々が二度も津波の被害者になることがはっきりしました。一度目は津波によって家を失い、二度目は政府による実行不可能な政策の押し付けによってです。”
アクションエイドは77,000人以上の人々と一緒に被害を受けた海岸沿いの地域で活動をしており、来年中に1,600戸以上の恒久住宅を再建することを地域の人々と協議している。
更に詳しい情報は:Niall Sookoo, Tsunami Press Media Relations on 07711 156 881
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源: アクションエイド(Action Aid)
*著作権は情報源に帰属します。

ハーバード大によるハリケーンカトリーナの調査(仮約)

アメリカ: ヒューストンで行われたカトリーナによる被災者の調査から、彼らの半数が自宅で三日以上救助を待ち続けるという窮状にあったことがわかった。多くの人は健康に慢性的な問題を抱えているうえに、健康保険に加入していなかった。避難できなかった人々の38%は身体的に逃げることが不可能で、かつ一級身体障害者として介護を受けていた。
マサチューセッツ州・ボストン 
ハリケーン・カトリーナとその後発生した洪水によって生活を破壊された人々が意見を訴える機会を作るために、ワシントンポスト紙とカイザー・ファミリー財団(Kaiser Family Foundation)、ハーバード大学公衆衛生学部は独自にヒューストン地区の避難所にいる被災者たちの調査を行った。3分の1(34%)の被災者は自宅に取り残されて救助が必要だった。取り残された人々の半数(50%)は救助されるまで3日以上待ち続けた。
ハリケーン・カトリーナの被災者の10分の1(14%)は、台風やその後の洪水によって家族や隣人・友人を失った。半数以上の人(55%)が家を破壊され、さらに、5分の2(40%)の人々が一日のほとんどを路上や陸橋などの屋外で過ごした。13%の人々は近くにいる家族がいまだに行方不明である。この調査から、ヒューストンの避難所にいる被災者が、復旧作業や救援を困難にする深刻な健康問題に直面していることが明らかになった。
健康に関する主要な調査結果は以下のとおりである。
– 52%の人々は、ハリケーンによる被害をカバーする健康保険に入っていなかった。保険の34%はメディケイド(低所得者医療扶助)であり、16%はメディケア(高齢者・障害者医療保険)であった。ヒューストンの避難所にいる人々の66%は、ハリケーンが来る前は総合病院と診療所を主な治療先として利用していた。それらの人々の大多数(54%)はニューオリンズの慈善病院を利用しており、実質二番目に多いニューオリンズの大学病院はたった8%であった。
– 33%の人はハリケーンによって負傷しているか健康に問題を抱えており、そのうちの78%は現在、栄養病気に対して治療を受けている。
– 41%は心臓病や高血圧、糖尿病、ぜんそくといった慢性的な健康問題を抱えている。
– 43%の人は処方薬を摂取する必要があるが、そのうちの29%の人は必要な薬を手に入れることが難しい。
– 61%の人が、ハリケーンが来る前に避難を行わなかった。そのうちの38%の人は身体的に避難ができないか、避難できない人を介護しなければならなかった。
– 39%の人々は、洪水や避難生活の間、政府系機関やボランティア団体から何の援助も受けていない。
この調査計画はハーバード大学公衆衛生学部の、保健政策と政策分析が専門のRobert J. Blendon教授が共同監督を行った。彼は以下のように述べている。“人々が政府機関やボランティア機団体などから何の助けもなく、何日間薬や食料・水なしで過ごしていたのかという事実は衝撃的だ。避難していない人々の多くは劣悪な健康状態にあり、ひどい状況だ。そもそも、多くの人は身体的に避難ができなかったと言っている。”
この調査によると、98%の人がニューオリンズ地域から避難してきていた。ヒューストンの避難所にいる、この悲劇を生き抜いた被災者の圧倒的多数(92%)が、宗教がこの2週間を切り抜けるための重要な助けになっていたと答えた。
ハリケーン・カトリーナによる被災者に対する調査は、680人のデータに基づいている。彼らはヒューストン総合公園(Houston Reliant Park Complex)、George R. Brown コンベンションセンター、ヒューストンとその近郊にある5つの小さな赤十字の避難所にいる18歳以上の人々の中から、無作為に抽出された。インタビューは2005年の9月10日から12日にかけて、直接対面式で行われた。全体の誤差の範囲は±4%であった。調査はワシントンポストとカイザー・ファミリー財団、ハーバード大学公衆衛生学部によって行われ、共同で分析された。インタビュアーはヒューストン在住でカイザー財団とICR/International Communications Researchのスタッフの監督下にある28名の専門家によって行われた。その際、ヒューストンのワシントンポストのスタッフからの情報も使われた。赤十字はインタビューチームに多くの施設でのインタビュー許可を与えたが、共同調査を行ったわけではなく、ここで発表されている調査結果に対する責任も負わない。
調査全体とその方法とワシントンポストの記事へのリンクがオンライン上で利用可能である。
より詳しい情報は以下まで。
Harvard School of Public Health
Robin Herman
rherman@hsph.harvard.edu
(617) 432-4752
Kaiser Family Foundation
Contact: Craig Palosky
CPalosky@kff.org
(202) 347-5270
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源: ハーバード大学
*著作権は情報源に帰属します。