情報源:IFRC
日付:2003.10.27
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ほぼ60人の死者を出した今回の洪水によって、レンガ作りの家が壊された72歳のMai Van Tienは希望を失いかけた。
「私たちはただ、助けが来るのを祈っていた。私たちはもう2度と人々と連絡は取ることはできないのだろうと思いました。」とベトナム赤十字社によって寝たきりの妻と共に助け出された後、涙目で記者に語った。彼と妻は救助される前数日間、食べ物も水もなく過ごしていた。
Maiの家族は無事を得た唯一の家族ではない。赤十字社は他の400人もBinh Dinh県から救出した。
山間部での激しい雨の後、10月6日頃、川が増水を始めた。10月中頃迄には、6県にまたがる広域な洪水が起きた。沿岸部中部に位置するBinh Dinh県では、その災害によって15,000人が食糧も安全な飲料水も失った。7村の100家族が家を失った。地滑りが道路をふさぎ、救助を妨げた。
ベトナム赤十字社のBinh Dinh支部代表Dao Duy Chapによると地元の行政はベトナム赤十字と共に活動を行い、現金、インスタントヌードル、米、料理用鍋、医療品、蚊帳、そしてテントを被災者へ配給した。
多くの地域で、状況は危険に達した。Binh Dinh県の山間の地区では雨量がこの10年間で最も高い640ミリに達した。洪水と激しい波は数キロメーターに渡って堤防を決壊し、道路や橋が流された。
数県に渡る63万人の人々が洪水の影響を受けた。60人近くの死者を出した上に、3人が行方不明、47人が怪我をおったと赤十字社は語った。
4万世帯以上、39の学校教室、7つの診療所に浸水し、25トンの稲の種がだいなしとなり、米などの穀物畑やエビ養殖場が何千ヘクタールも被害を受けた。被害は1千500万アメリカドルと見積もられる。
しかし、1999年の洪水が、800人の死者を出したことを思えば、それと今回の同規模の洪水では死者数はもっと高くなっていたかもしれないとベトナム赤十字社の災害管理所長Dr.Vo Dinh は言った。
「今回の少ない死者数と同様に、破壊された家もまた1999年と比べると少なくなっている」と彼は付け加えた。
ベトナム赤十字による洪水対策が何らかの関係があると見られる。今年、ベトナム赤十字社は“衝撃編成隊”を準備して、彼らが人々の避難を手助けをしたり、飲み水を提供したり、人々に伝染病予防の仕方をアドバイスしたりしていた。Quang Ngai 県では、ベトナム赤十字社がオーストラリア赤十字社から資金を得て、救助作業を4地域で行うための8艘のモーターボートを貸しだした。
死亡者の4分の3が子どもであった1999年と比べると子どもも安全であった。
ベトナム赤十字社は2000年以降、洪水の被害にあう可能性のある子どもたち向けのプログラムを行ってきたとDr.Vinhは語った。赤十字社はこれまでに最少年の生徒たち(4歳から5歳)から始まって27県で70万人の子どもたちに対して、洪水安全メッセージを広げるために1万人の教師を訓練してきた。
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原文 http://www.reliefweb.int/より