津波救済:長期計画

我々セーブ・ザ・チルドレンの見積もりによると、2004年12月26日に南アジアで起こった地震と津波で難を逃れた子供たちのための、5年にわたる長期計画には総額2億3000万ドルを費やすことになる。
私たちの「再結合・再生・再建」計画は、最も被害の大きいインドネシア、スリランカ、インドの3国の子供たちへの大規模な取り組みと、タイやモルディブの子供たちへの、それよりは小規模な取り組みに焦点を当てている。私たちは長年、これらの国々で活動してきており、短期・長期的人道援助を行うに十分な力がある。
私たちが特に重要視しているのは、このすさまじい災害に襲われた子供たちに、至急、しかし継続して建設的変化をもたらすことである。
この地域の至る所で、私たちは食料、水、医療器具、収容施設、その他の必需品を供給し、生存者たちの緊急の需要に応えている。また、はぐれてしまったり親を亡くした子供たちを登録し、家族やコミュニティーと再び一つになれるようにする、そしてできるだけ早く子供を学校に戻すという主な取り組みに着手することも含め、搾取からの子供たちの保護においても先頭に立っている。
これに続くのが、技術訓練や低額の貸付を通じた生計の立て直し、学校や住宅、保健所を含めたインフラ設備の修復と再建、そして心的外傷を受けた被害者たちの精神的サポートの提供に向けた長期的集中である。
インドネシア
インドネシアでは、私たちは既に津波以前の20年以上、子供たちへの3段階戦略を実行している。彼らは、内戦、家族の離散、限られた公益設備やインフラ、といった深刻な問題に直面していた。
・救急救命(最初の半年)
私たちは、1)特に幼い子供のための緊急の食糧配給 2)保健医療サービス 3)清潔な水と衛生 4)収容施設と食料以外の物資(テント、石鹸、鍋、フライパン、ビニルシート、毛布、殺虫剤)5)子供の保護 に焦点を当てている。また、孤児やはぐれた子供たちを家族や親戚の元に戻し、子供たちが再び安心して遊べる場所を作り、精神面の治療を長期的にサポートする。
・中期支援と再建(2年)
 この災害後の子供たちの生活再建を支援するため、1)子供たちの家族が生計を立て直したり 2)彼らのコミュニティーが、破壊されたり損傷を受けたインフラ設備や社会制度を再建する のを手伝う。
・長期的回復(5年)
 子供たちがあのすさまじい自然災害の影響から回復し、生き延びて成長するのを支援するため、家族やコミュニティーに 1)子供の安全と保護 2)水と衛生 3)教育と教員養成 4)健康についての知識と助産士・看護士の養成 5)家族の生計支援 に取り組むためのツールやトレーニングを供給する。
スリランカ
スリランカでは特に、最もひどい影響を受けた沿岸のBatticaloa,Trincomalee,Matara,Galle,Jaffna,Ampara,Mullativu,Kilinochchi の子供たちの特別なニーズに応える2段階の戦略を実行している。ここでは私たちは、4万弱の世帯に手を差し伸べている。
・救急救命(1ケ月)
 子供たちが生き抜くのを助けるため、私たちは 1)食糧配給 2)石鹸、健康衛生用品 3)一時的収容施設と蚊帳 4)身寄りの無い、もしくははぐれた子供たちの確認と定住 5)国内避難民キャンプでの一時的なテント式の学校と遊戯活動 に集中する。
・長期的回復(5年)
 現在私たちは、より長期的な再建・回復段階に入っており、子供たちとその家族を
1)家族の生計や“働くための現金”の支援計画 2)半恒久性の家族向けテントや子供の衣服 3)学用品、遊び場、学校備品と精神的・社会的サポート を通して援助する。
インド
インドでは、スリランカと同様、2段階の長期戦略を実行しており、特にTami Nadu やAndhra Pradesh海岸沿いの荒れ果てた地域、Andaman 島、Nicobar島で、インド政府やUNICEFといった機関と協力している。
・救急救命(1ケ月)
子供たちが生き抜くのを助けるため、1)特に幼い子供への食料配給 2)石鹸や衛生用品 3)鍋やフライパン 4)ビニルシート 5)毛布 6)殺虫剤 を提供している。
・長期的回復(5年)
子供たちの回復を助けるために、1)子供の保護 2)精神的治癒 3)家族の生計支援 4)教育 5)健康 6)コミュニティーの再建と修復 に集中する。
タイ 
最新の見積もりによると、5000人以上が死亡、8500人が負傷、3400人が行方不明、そして3万世帯が家を失ったままというタイで、私たちは子供たちのリハビリに必要なものを確認し、チャイルドセンターへの支援を行うため、Phang Nga州と Ranong州で、州政府と Duang Prathip基金に面会した。子供たちの保護の手始めに、私たちは今、はぐれた子供や孤児、出稼ぎ労働者の子供の問題、の程度を調べており、調査が済んだら彼らに手を差し伸べる戦略に着手する。
 
モルディブ
大人子供合わせて約10万人が被害に遭ったモルディブでは、14の島から避難した住民の定住、失われた生計(特に観光、農業分野)の再建、清潔な水、そして土地を離れた海外からの専門家たちの交代要員が優先される。私たちは今、家を追われた子供たちの状況を調査中で、それが済んだら彼らの保護にあたる。
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源: セーブ・ザ・チルドレン
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