ハイチ:IOM、避難キャンプの生活向上に向け、ハイチ全土で新たな取り組み

日付:5月18日
情報源:IOM
IOMは、1月12日の地震以後、避難キャンプに住む200万人以上のハイチ人のニーズを確認し、対応するための新たな取り組みを開始した。
ハイチ緊急対応における「キャンプ調整及びキャンプ管理(CCCM)」クラスターの指揮機関として、IOMはEUの人道部門であるECHOの資金により、新たなキャンプ管理作業チームを立ち上げた。被災者と人道的機関との間での情報の流れを改善するため、このチームは地元の有力者やコミュニティリーダーとの接触を行うことになっている。
最初のステップは、ハイチ政府がキャンプ調整の責任部署としているハイチ市民保護局(DPC)に加え、ポルトープランス広域にある7つの自治体の長とも密接な関係を築くことである。
このチームは、自治体レベルでの協調を改善するため、地元のコミュニティリーダーとも結びつき、NGOを含め、市町村(自治体)規模でのミーティングを行う予定である。
キャンプ管理作業の代表であるDaniel Desmarais氏は次のように述べる、「我々の目的は、特定の受益者のニーズをより良く満たすため、それぞれの自治体のはっきりした像を描き、優先順位を付け、そしてその情報を人道システムの中に入れ込むことです」
Desmarais氏はこう付け加えた、「ハイチの人々自身の優先順位を最適に理解し、それに応えるために、情報が双方向に流れることが不可欠です。それぞれの地域には独自の課題があり、それゆえ独自の性格を持ち、それぞれの背景に特有の対応が必要とされているので、自治体ひとつひとつへのアプローチが不可欠なのです。」
この活動は7つのキャンプ特定チーム――それぞれの自治体に1つの――を持ち、各チームにはキャンプマネージャー1名、フィールドアシスタント1名、コミュニティ動員担当1名、ドライバー1名がいる。特定に状況が起これば、それに対応するため、さらに5つのモバイルチームが活動可能である。
これらのチームは公的にアクセス可能なブログに情報をレポートする。システムを通して流れる情報の透明性を増すために企画された、創意的な新アプローチである。
「これは素晴らしい仕組みです。誰でも、どこからでも利用可能です。Gonaive(ハイチ北部の都市)からジュネーヴまで、Petionville(ハイチ・ポルトープランス郊外の自治体)からパリまで」とDesmarais氏は言う。
それぞれの自治体のブログは特定の、フィールドに基づく情報を現地のNGOコミュニティに提供し、また別のブログでは、CCCM傘下で活動する団体に戦略的な概観を伝える。
キャンプ管理チームは自治体中のキャンプひとつひとつを順に訪れ、情報の正確性をチェックし、確認されたニーズを満たすためのロジスティクスの調整を行う。
Desmarais氏は言う、「重大な、そして継続的なこの危機への課題に対応するため、我々はキャンプ管理能力をよりうまく使いたいと考えています。最後の手段として、我々IOMがキャンプマネージャーとして入り込むことはできますが、我々のみが対応するにはニーズが大きすぎます。パートナーとの活動が絶対に不可欠です」
関連したニュースだが、雨が強まる前に、保健クラスターとその他のNGOパートナーにより、緊急に5万の蚊帳がハイチに届けられた。この積み荷は、ハイチ緊急対応の「保健クラスター」との連携で配られることになっているが、マラリア流行地のハイチで必要とされる推定140万枚のうち、最初に届いたものである。IOMは 保健クラスター内の、生物が媒介する病気に関するワーキンググループと連携し、蚊帳を受け取る地域と個人の優先順位を決める。
ハイチでIOMのヘルス・ユニットの代表を務めるPatrick Duigan博士は言う、「間もなくやってくる雨季は、マラリアの危険性が自然に増す時期です。病気の発生を防ぐため、緊急に蚊帳をキャンプの住人とホストコミュニティに配らなくてはなりません。」
しかし、Duigan博士は、マラリアの割合がこの国の通常レベルを超えたという指標は、今のところまだないと言う。最近の数値では、ハイチ地震の避難民にマラリアが疑われるケースが報告された割合は、ここ数週間で3%であり、2010年2月から現在までの平均は4.7%とのことである。
Duigan博士はこう述べる「蚊帳の配布は、ハイチの避難者コミュニティのニーズに包括的に取り組むため、CCCMや保健クラスター、NGOパートナーたちを通じて行われている連携の明確な事例です」
原文URL: reliefweb.int