ハイチ:ポルトープランスの廃墟から、仮設住宅を建設

日付:2010年4月27日 
情報源:IOM
IOMは、初めてとなる仮設シェルター建設の大規模パイロットプロジェクトを、ポルトープランス近隣で開始する。
ベニヤ板、トタン、コンクリートの基礎で、80のシェルターが建てられる。完成すれば、地震で破壊された首都のPacot地区にある貧しい地域、Mangeoire(地名)のコミュニティが住むことになる。
地元当局と市民のリーダーとの慎重な交渉の末、合意がなされたこのオペレーションは、地元のコミュニティがいかにして結集し、ガレキの散らばった近所をきれいにし、再建するかという強力な例である。
家の構造は、3~5年もつように、そしてハイチの雨季の暴風雨に耐えるように、IOMの建築家とエンジニアが設計した。
このパイロットプロジェクトは、家を失った200万人のハイチ人に、維持可能なシェルターを提供する新たな段階の幕開けとなる。仮設住宅は、緊急時に配布されたテントや防水シートよりも頑丈な住まいである。
また、自分や近所の家が壊れた家族にとって、移住よりも望ましい選択肢を示している。
ポルトープランス内外の新たな移転地に移住する代わりに、Mangeoireの人々は、仕事と教育の場に近いところに結束して留まることができる。
NGOのACTEDが管理するキャッシュ・フォー・ワークのプログラムが、ガレキの除去や、新たなシェルターの建設用地の掃除などコミュニティメンバーに雇用を提供している。
「ほんの1ヶ月前は、ガレキだらけで家を建てる場所などありませんでした」と、IOMのシェルター・コーディネーターAlex Coissac氏は言う。「ここからとても重要なことがわかるでしょう。シェルター建設の可能性が地域のコミュニティを元気にして、ガレキ除去のペースを上げたのです」
受益者と地域コミュニティの間での文書合意により、起こりうる土地保有の問題は先送りされた。ハイチ市民保護局(Haiti’s Department of Civil Protection)のYolene Surena博士は今週、最初のシェルターを訪れたが、技術的なモニタリング調査のために同局のエンジニアを来週派遣することになっている。
Mangoireの10のシェルターで作業が始まり、うち5つはほぼ完成している。より長期的には、80のシェルターが建設されるとコミュニティのリーダーは推測している。
しかし、もともとスラムだった地域の環境が困難なものだったため、作業は複雑だ。
Croix-des-BouquetsのPetit Bois(地名)でも、コミュニティと市役所の間での活発な連携で活動が始まっている。ここでは地取りの問題が少ないため、作業が早く進むだろうと期待されている。40のシェルターが既に建設されており、ペースも加速するだろう。
Mangoireの地区の連携コーディネーターのElizaire Emmanuel氏によると、住民はもとの区画に戻れることを喜んでいるとのことだ。「シェルターは少し小さいと言う人もいますが、以前に住んでいたところに比べれば、自分の場所に戻れるのは嬉しいのです」
IOMのAlex Coissac氏は、新しいシェルターの建設がコミュニティ主導のプロジェクトとして行われることはたいへん重要だと言う。Mangoireの、丘が並んだ複雑な地形を見ながら彼は言う。「どの場所もそれぞれ、特別なのです」
「もし正しくやりたいと思えば、何ヶ月もかかるでしょう。特に、この場所をよりよくまとめるために、都市計画の概念をコミュニティに紹介する必要もあるからです」
20年以上もここに住んでいるDuverger Anallia氏は、家が壊れたが、地元の地主が近くのキャンプにしばらく留まることを許してくれたと言う。しかし、もう出て行かなければならない。「シェルターは小さいけれども、戻らなくてはならないのです。テントで暮らすより良いでしょう」と彼女は言う。
彼女は来週以降、家の改良を計画していると言う。また、シェルターからビジネスを続けるそうだ。「少しずつ、やることをやるのです」
IOMは7300のシェルター建設にあたる寄付金を、多国間のハイチ緊急援助基金(ERRF)、日本政府、スウェーデン政府から受け取った。この数は1万2000まで上る見込みだ。
原文URL: reliefweb.int