モルジブ:国連人道問題調整研究所(OCHA)による海岸の洪水状況レポート No.3

モルジブ : 国連人道問題調整研究所(OCHA)による海岸の洪水状況レポート No.3
この状況レポートはバンコクのOCHAのアジア、太平洋地域事務所だけでなく、モルジブの国立災害
管理センター(国連常駐調整官事務所)からの情報によるものである。
I)状況
1、2007年5月15-17日の間に、10-15フィート(約3-4.5メーター)の高潮がモルディブの16の
環状さんご地帯の推定68の島に押し寄せ、海岸から600メーターの地域が浸水した。最も影響を受
けたのははGaafu Dhaalu, Dhaalu, ThaaとLaamu環状地帯であり、それらは24以上の島を含んで
いる。これらの高潮は例年発生するのであるが、今回のような規模ではない。高潮により影響を受け
たモルディブの島の大半は通常の状態に戻ったが、最も影響を受けた4つの島では軽微な復興作業
が進行している。
2、今回の沿岸の洪水による死者は無かったが、結果として、1,649人が避難した。最近のNDMCの
リポートによると886人が各自の家に戻ったが、763人は、自宅の修復を待ちながら、ホストファミリー
宅での生活を続けている。
3、住居 : 総計579の住居が高潮による洪水で損害を受けた。
4、生活 : 33の島において、多くの人々が生活や食糧調達の為に依存している農作物、農園、
住居の庭園、植物に塩水が浸透することにより多大な損害を受けた。被害を受けた人々の生活を
改善する為に迅速な復旧が必要である。
5、インフラ :17島の港や突堤が高潮による軽微な損害を受けた。
6、環境 : 洪水の被害を受けた68島の内、計58島では非常に多くの地域が海岸侵食されてい
ると報告した。海岸線と浜辺の侵食の範囲は注目されるべきもう一つの地域である。これらは長期
的に海岸環境に脅威をもたらすことになる。これらの島々の自然環境への影響を総合的に評価する
ことにより、被害の程度の解明と、将来の災害の回避に対応する緩和対策を計画することが求めら
れている。
II)各国の反応
7、モルジブ国政府、環状さんご島事務所、近隣の島の地域社会はGaaf Dhaaluの5つの島に緊
急援助を提供したが、人々は災害からの効率的な復興支援の為に迅速かつ長期的な援助を求め
ている。
即時必要な援助とは :
a, ジェリー缶を増やす為に貯水槽を追加する。現在、人々は移動式淡水化装置から水をジェリー缶
に汲んできている。被災した島の多くの人々が井戸水を料理や洗濯に使用していたが、地下水源が
汚染されている為、給水量が不十分で、今後の解決すべき課題である。
b、清掃活動援助
c、台所と必要な調理器具
d、7つの島と3つの環状地帯への移動式逆浸透装置の取り付け
e, 基礎生活の復旧
長期的に必要性があるものとして、
f、港、突堤の修復
g、崩壊した境界壁の修復
h、将来の高潮防備の為の防波堤の建設
i, 海岸環境への影響の広範な調査
III) 国際援助
8、米国政府はモルジブ政府による早期復旧作援助要請を受け10万ドルの援助金をUNICEFと通
じて提供した。
情報源:UNOCHA
原文URL:reliefweb.int
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