イラン:地震による壊滅的被害から3年 瓦礫の町バムで新しい学校を建設

3年前の12月26日、地震により壊滅的な被害を受けたバムの町では、古代の砦が崩壊し、
2万6千人が死亡、3万人が負傷、そして7万5千人が住む家を失った。
少なくとも85%の建物が倒壊したが、これには、119の保健センター・診療所・病院、そし
て131の学校も含まれており、約2万人の子供たちが学校を失った。
バムは、イランにある断層の上に位置しており、イランは世界で4番目に災害に脆弱な国と
されている。
しかし、ついに、9つの学校、2つの診療所、1つの整形センター、そして道路救助センターが
国際赤十字赤新月社連盟(国際連盟)の資金援助により、瓦礫の中から現れた。地震3周
年目となる日の前日にバムにて公式に落成式が行われた。
「私は、素敵な椅子があるピンク色の壁の学校をずっと夢見ていました。いま私の夢が本当
になりました。」とMarefat小学校の8歳の生徒は述べた。「ずっと遠くにあるものだと思って
いたものが、突然目の前に現われて。こんなに早く学校ができるなんて思ってもみません
でした。」
建設作業が行われている間、新しい学校は、コンテナの臨時教室で勉強していた生徒全員の
夢であった。今や、モダンな施設を備えた新しい学校の落成により、この夢はついに現実のも
のとなり、教師や親にとっても大きな喜びとなったのである。
緊急援助後の復興期においては、国際連盟は、学校の建設を最優先とした。そしてバムにお
いて、5つの一般校と障害を持つ生徒のための3つの特別校と1つの複合モデル校を含む
計9つの学校の建設に貢献した。
5つの一般校は、2006年9月に完成し、教育省に引き渡された。また、障害を持つ生徒のた
めの3つの特別校は、2006年11月末に完成、Arg-e-Bam複合モデル校は、完成まであと
わずかである。
国際連盟により建設された学校の落成式は、2006年12月6日にArg-e-Bam複合モデル校
で開催された。落成式で生徒・教師・親たちは、「私たちのことを覚えていてくれてありがとう!」
「私たちのことを忘れないでいてくれてうれしい」「国際赤十字赤新月社連盟の支援に感謝しま
す」と書かれた垂れ幕を掲げた。
生徒・教師・親、イラン赤新月社及び国際連盟の代表を含む約200名がこの式典に参加。
また、イラン・イスラム共和国教育副大臣、アイルランド駐イラン大使、ケルマーン州知事、
バム知事も出席した。
そのほかにも、アイルランド・日本・スウェーデン・オランダ・台湾の赤十字からの代表が国連
機関や国際機関の代表とともに出席した。
イラン赤新月社理事長であるKhatami博士は、スピーチの中で国際連盟と各国赤十字社・
赤新月社の貢献に謝意を表した。
「2003年12月26日にバムの地震で多くの人が亡くなりましたが、人道の精神は、生き残って
いることを知りました。」と同博士は述べた。
「バム地震の被害者の方々、特に生徒たちに人道支援を提供できたことは、私どもにとって光栄
であります。」と国際赤十字赤新月社連盟のIbrahim Osman副事務総長は述べた。「私は、これ
らの学校が、地震の後にすべての人によって示された高貴な人道精神の証として、永遠に残る
ことを心から希望いたします。」
ドナー団体を代表して、Anthony Lawlorアイルランド赤十字社副理事長は「若者はイラン国民
の多くを占めております。バム地震により若者は教育施設を奪われました。ですから、この生
徒たちの教育を支援する良い機会であると考えました。私は、私どもが行った支援に誇りを持
っています。イランにはこの支援に値する才能のある若者がたくさんいます。」と述べた。
Bourbourイラン教育省副大臣は、この復興プログラムに関し国際連盟に深い謝辞を表した。
同氏は「教育部門への投資は、その国の未来への投資であります。私どもは、国際連盟によ
るバムの教育部門への支援は、イラン国民の未来への多大なる貢献であると考えております。
人生において最も困難な時期にあった地震被害者に対する国際連盟の貴重な援助を私ども
は、決して忘れる事がないでしょう。」と述べた。
式典で最も感動的な場面となったのは、3つの特別校で学ぶ予定である視覚および聴覚障害
のある生徒の演技だった。これらの生徒は、歌を歌い、新しい学校を与えてくれたドナーに感謝
を表す手話を発表した。式典後、参加者は校内を見学し、生徒や教師から心からの歓迎を受
けた。
9つの学校のうち、Jihad, Farhanghian, Montazeri, Kafi, Shamsaddiniの一般校はオーストラリア・
ドイツ・オランダ・アイルランド・カナダの各国赤十字社とオーストラリア政府の資金提供により
建設された。
Marefat, Maharathaye Herfeye Peyvand, Eng. Taheri Hanjaniの3つの特別校は、日本・ノルウェ
ー・スウェーデン赤十字社の資金提供により建設された。
Arg-e-Bam複合モデル校の建設には、オーストラリア・アンドラ・カナダ・クロアチア・ドイツ・アイ
ルランド・日本・オランダ・ニュージーランド・ノルウェー・モナコ・ポーランド・スウェーデン・台湾
赤十字社とオーストラリア・アイルランド・スウェーデン政府が資金提供を行った。
国際連盟は、学校のほかにも都市保健センター・道路救助センターを中国赤十字社香港支部、
ベルギー・ノルウェー赤十字社、マレーシア・カタール赤新月社の資金提供により建設した。
情報源:国際赤十字赤新月社連盟
原文URL: reliefweb.int
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