インタビュー:融通利かぬ官僚主義、津波の警告遅れる-インドネシア

【Achmad Sukarsono、ロイター】KUTA、インドネシア
17日にジャワ島の南岸で600人以上の死者を出した津波で、インドネシアの融通の利かない
官僚制が警告の遅れをもたらしたと月曜日、大臣がロイターに語った。研究・技術大臣
Kusmayanto Kadiman氏はこう言う。インド洋で強い地震が起きた17分後、幹部らは津波の
可能性を告げる警告を受けていたにもかかわらず、沿岸の危険地域に対して行動を起こさな
かった。
「パンガンダラン(Pangandaran)(今回の津波の)件で得た最大の教訓は、我々が官僚機構に
依存しすぎているということである」とKadiman氏は、リゾート地バリ島で行われた地域津波会議
でのインタビューで語った。
「州知事や市長に情報を送るけれども、この手の役人は24時間警戒体制というわけではない
のだ。」
岸から180キロ(112マイル)沖でマグニチュード7.7の地震が発生した後、ジャワ島南岸のコミュ
ニティに危険を告げるサイレンは鳴らなかった。波が岸に到達する寸前も、子どもたちはまだパ
ンガンダランの浜で戯れていた。そこはもっとも大きな被害の出た地域だ。
津波対策のメッセージを押し勧めるため、ユドヨノ大統領が来週、役人らを召集すると
Kadiman氏は言う。現在、インド洋沿岸諸国は日本の気象庁とハワイの太平洋津波警報セン
ター(the Pacific Tsunami Warning Center)の津波警告を当てにしがちである。
7月17日、ジャカルタの役人たちは両者から警告を受けた。それが地方の役所に伝達されたの
は、津波が岸を襲うたった数分前のことだった。浜にいる人たちに危険を知らせるには、遅すぎ
た。インドネシアは、地震や津波の情報を警察を通して伝える計画をしているとKadiman氏は言う。
20分以内に津波がインドネシアの岸に到達する恐れがあるとき、役人はおおまかなデータに
基づいて行動を起こさなければならないと彼は言う。
「これからは、もし海で、震源の浅いマグニチュード6.3以上の地震が起きたら、我々は直ちに
警報を出します」と彼は言い、今後3ヶ月以内に数百の携帯電話の電波塔にサイレンが取り
付けられると付け加えた。
インドネシアで最も人口密度の高いジャワ島の浜にはサイレンがなく、さらに、既存の二つの
津波警報用ブイは数ヶ月前に壊れて、修理中だった。この二つのブイは、スマトラ島の沖に置
かれることになっている。2004年12月26日にインド洋沿岸諸国で23万人―その多くはイン
ドネシア人だった―の命を奪った地震と津波の震源に近いところだ。
インドネシアは1万7,000以上の島々からなり、深海用のセンサーをつけたブイが少なくとも22、
デジタル記録付きの潮位計測器が120、信頼性の高い津波探査のための地震計が160必要
である。
包括的で近代的な警報システムは役に立つ。しかし、それも国民の意識が欠けていたら使い物
にならないのだとKadiman氏は言った。
「一番大切なのは備えです。もし大地の揺れを感じたら、海面の水位が下がりだしたなら、
とにかく走って近くにいる人を連れて逃げなさい。その人が言うことを聞かないのなら、引き
ずってでも連れていくのです。」
情報源:ロイター
原文URL: reliefweb.int
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