Pak Subakirさんの自宅は、5月27日にインドネシアを襲った地震により、倒壊しました。
しかし、彼は辛い話は口にせず、「わたしは自宅を失っただけで済みました。無事で健康
にいられることを神に感謝しています。」と話します。Pakさんは地元の学校の教師です。
どのクラスにも地震で亡くなった生徒がおり、そして、多数の生徒が怪我をしました。
Pak Subakirさんの幼い姪のAnisaちゃん(9歳)がそばに黙って座っていました。その朝
のことを思い出すと、彼女は辛そうな表情をします。「地震が起きたとき、わたしは、お父
さんと一緒に家に居たの。お父さんは、わたしと妹の赤ちゃんの上に飛びついて覆いか
ぶさって、家が崩れ落ちてくるのから、わたしたちを守ってくれたのよ。」
「わたしたちを助けに来てくれた人たちに感謝しています。そして…。」Pak Subaikrさんが
その後の話を補足して説明してくらました。「瓦礫の中からおばあちゃんを助け出してく
れた人たちに感謝しているのです。」
Anisaちゃんの恐怖はどの子供たちにも共通しているものなのかと、Pak Subakirさんに尋
ねると、彼は、そうです、と答え、余震がある度に、子供たちは皆とても怖がると話しまし
た。皮肉にもそのとき、我々の足元の下では、余震で地面がゴロゴロと地響きを立てまし
た。
Anisaちゃんの笑顔はこわばり、唇は震えだし、目にいっぱい涙をためて、真の恐怖の表情
に変わり、叔父の手を握り締めました。叔父は彼女を安心させようと白い歯を見せて笑いか
けたのですが、彼の目にも、同様の恐怖が表れていました。
「わかったでしょう?子供たちはまだ、余震の度に怖がるのです。」Pakさんは言いました。
どうしたらAnisaちゃんはこうした恐怖やトラウマから立ち直れるのだろうかと尋ねたとき、
Anisaちゃんは一言、「学校よ」と答えました。Anisaちゃんは学校に行って勉強し、そして学
校で友達に会うことを待ち望んでいるのです。
Pakさんはうなずき、「この地域の子供たちにとって、学校が再会し、授業が始まることは
とても重要なのです。こんなにひどい大地震は今までになく、年寄りにも若い人たちにも
初めてのことでした。大変な困難に直面していますが、学校は子供や先生をトラウマから
立ち直らせてくれるでしょう。我々はとても恵まれたことに、今、いくつかの教室があります。」
セーブ・ザ・チルドレンが、学校の仮教室として使用するため、4つのテントを組み立てま
した。学校の施設は、大部分が瓦礫と化し、縮小してしまったのです。慈善事業hasalsoは、
ペン、紙等を配給しました。「わたしたちの生活用品は全部、瓦礫に埋もれてしまいました。」
とPakさんは説明します。
Anisaちゃんは、大人になったら、助産婦になりたい、それに、英語の勉強もしたいと話して
います。友達が通りかかると、Anisaちゃんは、おじさんに「行ってもいい?」と聞いてから、
友達とスキップして出かけて行きました。
「子供たちはたくましい…。時に大人よりたくましいものです。」
情報源: Save the Children Alliance
原文URL: reliefweb.int
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