何千人もの難民は、家へ戻ってみて、地方の司令官達が自分達の所有地を取り上げていることに気付く。
土地の所有権をめぐる紛争、難民の帰還、地元の民兵の司令官によって続く土地の強奪、アフガニスタンはこれらの数の増加にみまわれている。
北部では、地方の司令官による武力で所有地が奪われたと何百人もの人達が言っている。土地をめぐる銃の撃ち合いでは一人が殺された。
暫定政権はこの問題の調査をして、土地紛争を扱うカブールの特別法廷を設立するためにこの地方の首都マザリシャリフに政府の派遣団を送った。
しかし、地方の司令官や、資金提供者や保護者として役立っている地方の将軍に対抗するのに、中央政府はいまだ弱すぎる。
土地の所有権についての問題は近年いくつかの理由によってより論議を呼ぶものとなってきた。その理由とは、23年間の戦争が何百万人もの人々を追い立てたこと、土地の権利書が失われてしまったこと、公的な行政機関のシステムと民法の大部分が崩れてしまったこと、などである。干ばつと地雷は安全で肥沃な土地の必要性を強くした。
国外生活の年月を送った後、難民達は自分達が所有していると思っていた土地が他の人のものとされていることを戻ってきた今気付いた。
多くの場合、難民の土地は武力で個人の土地を奪い続けている地方の司令官によって分配されていた。彼らだけの法律によってこれらの地方の司令官は政府と他の公的財産をも私物化していた。
「大部分が地元の司令官によって土地を強奪されたと言っている、今現在で8000人以上の難民が助けてほしいと我々のところへやって来た。」とマザリ・シャリフのノルウェー難民委員会の委員長Mohammad Arif Rizaiは言った。
「しかし、殺し屋が関わる事件が法廷に持ち込まれると、合法的な判決が妥当な結果をもたらすことはない。」と彼は言った。
5月にマザリで起きた事件では、町の南方約5キロにある土地をめぐる衝突で一人の男が殺され、2人が負傷した。
2人の対立する民兵がこの撃ち合いに関わっていて、それぞれがその土地は自分のものだと言っていた。
警察はこの土地は政府のものだと言い、地元の農民は自分のものだと言った。
「私はこの土地で30年間働いてきて、法的な権利書も持っている。」と、ここで農業をして10人の家族を養っているSayeed Isaqは言った。
地元の司令官達は人々の土地の権利を平気で無視するだけでなく、紛争を解決するために、自分達の私的な法廷―非合法の“委員会”―を設立していた。
当然のことながら、この“委員会”で取り扱われた判決のほとんどは、この会を作った地元の司令官の味方をしている。
「これらの委員会は問題を解決せずに、より多くの問題を生み出している。」とバルヒ州の裁判所長のAbdul Manan Mawlawizadaは言った。
裁判システムが“政府や裁判所の中の道徳的に腐敗した人々”の問題を克服することに失敗したということをMawlawizadaは認めている。この失敗は衝突と流血の惨事を引き起こしてきた、と言った。
土地の権利を管理する適切で公正なシステムを実施するように試みる際の主要な問題のひとつとして、アフガン社会において銃の入手の可能性が広がっていることも彼はとがめた。
4月には司令官に土地を奪われたと主張する500人の人々がこの状況を訴えるために州知事の所にやってきて面会を求めた。しかしこれまで当局は何の行動も起こしていないと彼らは言っている。
Habibullah Habibバルヒ州知事代理は、土地所有権紛争を簡単にまた迅速に解決することはできないと言った。
張り合っている当事者たちが、自分たちがこの土地の正当な所有者だと示す書類をしばしばでっち上げることができていると彼は言った。
州の新しい計画では2万家族を再定住させるように努力し、地元の司令官によって前もって再分配された40パーセントの土地を帰還難民に与え、彼らが新生活を始められるようにすると、Mohammad Yunus Moqimマザリ・シャリフ市長は言った。
「この計画の実行によって、バルヒ州の難民問題は解決するだろう。」と彼は述べた。
その間に、法務省からの代理人を含むカブールからの派遣団はマザリ・シャリフにおいて、政府や公的な土地の強奪について調査し、個人の土地所有権について明白にする方法を調べている。
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源:Institute for War and Peace Reporting
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