バム地震生存者でますます深刻になる呼吸器感染症

イラン南西部の都市バムでは伝染病は、大きく広まってはいないものの、およそ4週間前に発生し、少なくとも4万人の犠牲者を出した地震の生存者の多くが、現在、呼吸器感染症に悩まされている。世界保健機関(WHO)によると、バムにおける急性呼吸器感染症による被害は1090件にのぼると報告している。
「13の地域で活動している保健省のチームの情報によると、急性呼吸器感染症(以下ARI)は、診察に訪れた住民が最も多く訴えている症状で、諸診療機関の所見の21%にまで及んでいる。」とBijan Hamidi(バム駐在WHO職員)はIRINに語った。
「目下、私達が多くの呼吸器感染症を扱っているというのが現実だ。」とバム駐在PCA(アメリカ長老派教会)医療チームのリーダーであるJoe UrbanowiczはIRINに語った。
「多くの呼吸器感染症はほこりによるものだと思う。今回の地震は多くのほこりを生み出し、再建工事も沢山のほこりを巻き起こしている。それは大人にだけでなく、新生児にさえ問題を引き起こしている。」とUrbanowiczは語った。加えて、たった1日で深刻な呼吸状態に陥った数人の新生児を診療したとも。
保健職員によると、多くの生存者はテントで暮らしており、そのテントのほとんどが夜間氷点下にまで達するこの時期に適応していないのである。彼は、これが、ARI発生件数の増加の一因にもなっていると説明した。テント生活者が夜に暖をとるために石油ヒーターを使用することも状態を悪くしていると付け加えた。
Merlin(国際医療NGO)のメンバーの一人は、「石油ガスがテント内の空気を乾燥させ、肺や喉をARIにさらすことになり、その結果、ARI伝染病を引き起こした要因の一つになったのかもしれない。」とIRINに語った。
「私共は昨年のこの時期と比較する資料を持たないが、ほこり、衛生設備や、適切な住居や毛布が不足したことによりARI被害の全般的な増大を予測できる。」とamidiは語った。
彼はまた、弱まった免疫組織がストレスと関係し、震災の生存者の伝染病への抵抗力が弱くなったとつけ加え、「しかし、私共の関心事は、ここにある保健施設が対処できなくならないようARIが伝染病と化しないことだ。」とHamidiは語った。
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源:国連人道問題調整事務所 統合地域情報ネットワーク (UNOCHA IRIN)
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