女性のための法的救済と安全保障の欠如

情報源:アムネスティ・インターナショナル
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 国際社会はアフガニスタンの女性に自由と平等をもたらすという約束を果たせていないと、アムネスティ・インターナショナルは本日出された報告書の中で述べた。
「2年近くの間、差別、暴力、治安の悪さが蔓延している。ブッシュ大統領、パウエル国務長官を含む世界のリーダーによる、アフガニスタンでの戦争が女性に自由がもたらすだろうという約束にもかかわらずである」と団体は強調した。
 新たな報告書「Afghanistan:No one listens to us and no one treats us a human beings. Justice denied to wemen(アフガニスタン:誰も私たちに耳をかさない、そして私たちを人間として扱わない。法的救済は女性たちを拒絶した)」には、はびこるドメスティック・バイオレンス、強制結婚、武装集団によるレイプといったアフガン女性の問題が挙げられている。8歳の幼い少女が、年配男性と結婚させられた事例もある。
「この状況は受け入れがたく、緊急行動を必要とする」とアムネスティー・インターナショナルは述べる。
 また報告書はアフガニスタンの女性が救済を受けることができない状況についても強調する。移動の自由を制限する規範の廃止にもかかわらず、社会や、多くの地域コミュニティーに存在する障害のために、女性たちは救済を求めることができない。たとえ、女性が警察や裁判所へ訴えることができたとしても、その女性は深刻な差別に直面する。
「現在の刑事法制度は、女性に対する暴力の問題を解決する意志や能力に欠ける」、と団体は述べている。「現在、刑事法制度は女性の権利を保護し向上させるというよりは、むしろ女性の権利を侵害することの方が多い。」
 新たな報告書では、アフガニスタンの女性の法的救済を確保する約束を果たすため、アフガニスタン政府と国際社会が直ちにとるべき措置の概略を述べている。法の支配を確立できる環境を創造するため、カブール外への国際平和維持軍拡大を通じて、安全保障を供給することが最優先である。
「女性の権利保護は法の支配なしには、意味あるものとして確立し得ない。」
 さらに団体は国際社会に、協働して警察の再建、法律の改正、裁判所の設立などの取り組みに女性の権利保護を取り入れるよう要請した。
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原文 http://www.reliefweb.int/より