≪概要≫
■状況
2006年5月27日5時53分、マグニチュード5.9を記録する地震がインドネシアのジャワ島を襲った。
震源はジョクジャカルタ市の南方約37キロの地点だった。地震はジョクジャカルタ州内の8つの地
区と、隣接する中部ジャワ州に影響し、住宅やインフラに大規模な被害をもたらした。最も被害が
ひどかった地区は、ジョクジャカルタ州のバントゥール(Bantul)と、中部ジャワ州のクラテン(Klaten)
の二つである。
2006年5月31日の時点では、5,000人から6,000人が亡くなり、2万人以上が負傷したと報道された。
20万人から60万人が避難し、6万軒の住宅が損壊、あるいは全壊したと推測されている。
■対応
緊急仮設住宅の材料、医療支援、清潔な水、衛生、そして食料に関する緊急ニーズが明らかにさ
れている。早期復興への取り組みを開始する必要もあると考えられている。国家災害管理調整委
員会(The National Coordinating Board for the Management of Disaster )(BAKORNAS PB)は、州
当局及び地方当局とともに、現場での緊急対応メカニズムを調整する際の指導的役割を担ってい
る。近郊のムラピ火山の噴火を予期して準備されてきた対策を生かし、また、津波災害からの備蓄
の救援物資に頼ることで、国家期間および国際機関は即時的ニーズへの対応を開始することがで
きた。今後6ヶ月以上、国際機関は政府のパートナーと密接に連携して人道援助の提供と復興努力
の支援を続ける。
2005年12月の人道的改革案(Humanitarian Reform Agenda)と各機関間に立つ委員会(IASC・
Inter-Agency Standing Committee )の代表たち(Principals)の決定に沿って、人道調整局(the
Humanitarian Coordinator)はIASCの国別チームとともに、クラスター・アプローチ(cluster approach)
を採用する。これは、対応の際のより一層の予見可能性と説明責任を確実にするためである。
それに沿って、各活動地域のために明確な指示が作成された。また、初期調査に参画し、この「対
応計画」を発展させるために鍵となる国連あるいは非国連パートナーが特定された。現時点での「地
震対応計画」(ERP)における対応の活動は以下のようなものである。
・避難所:仮設住宅の建設と、家を失った人々のための管理キャンプの設立に使われる基本的な
建材を提供する。
・保健と栄養:過剰の患者を抱える病院を支援し、薬や手術器具といった基本的な医薬品や、野営
病院と患者の家族のためのテントなどを提供する。医療従事者と連携して保健当局を支援し、病
気の調査を強化する。
・水と衛生:被害を受けた排水処理施設と下水道設備は早急に修復されているが、その間は代替手
段で清潔な水を提供する。
・食糧:被災者が働き始め、市場が機能できるようになるまで、食事と補助的栄養物を提供し、必要
であれば調理スペースを作る。
・保護と教育:社会心理的な支援を被災者に提供し、子供が親しみやすい場所を作る。また、子供や
その他の弱者への虐待や搾取を予防することを助ける。
・情報と電気通信:農村地域への効率的な物資配布を支援するため、高度の電気通信を提供する。
・ロジスティクス:被災地への救援物資を配布するための輸送手段、貯蔵、コミュニケーション、連携
を支援する。
・早期復興:瓦礫を取り除き、建材をリサイクルするため、キャッシュ・フォー・ワークを行う。可動式
住宅を提供し、住居を再建するためのコミュニティを整える 。また、インフォーマルセクターの小規
模事業の再開と、環境の面で復興の助言といった取り組みもなされる。
・農業:被災した農業従事者が早急に生計手段を再開するのを助けるため、また、食糧支援への全
面的な依存を減らすため、食糧と栄養の不安に対処する。
・調整と安全性:政府の救援と復興の取り組みを支援する(特に国際救援・復興の調整において)。
また、ニーズや物資配布のモニタリング、レポート作成、分析を支援する。これは、災害予防活動
での政府への支援も含む。
初期の調査に基づいて、緊急対応計画では、今後6ヶ月にわたって最も緊急のニーズに対応する
プロジェクトに1億338万9500米ドルを求めている。現在の計画は、国連機関、国際赤十字社、国
際赤新月社、及びNGOが連携して地震後5日間以内に作成したものであるが、これは初期調査に
基づいている。
綿密なニーズ調査(特に復興の早い地域で)が約3-6週間以内に終わり次第、実践が進められて
ゆくのと対応して、この計画は統一の改訂版を作ることになっている。細かい改訂と調整が進めら
る。記述におけるすべての「ドル」は米ドルを指している。
この計画への資金提供は金融追跡サービス(the Financial Tracking Service・FTS,
fts@reliefweb.int)に報告されたい。このサービスは条件と資金を表示し、継続的にthe CAP 2006
pageに更新される。
≪各機関の地震への対応計画 (ERP)≫
要求の概要
■インドネシア地震対応計画2006 要求の概要-部門別
2006年6月2日時点 http://www.reliefweb.int/fts
各団体によって提供された情報に基づきOCHAが編集。
分野名・・・要求額 (US$)
—————————–
農業・・・5,600,000
調整と支援サービス・・・10,001,000
経済的復興とインフラ・・・12,830,000
教育・・・3,960,000
食糧・・・5,361,500
保健・・・12,023,000
保護/人権/法の統治・・・1,104,000
セキュリティ・・・430,000
住宅と非食糧物資・・・49,650,000
水と衛生・・・2,430,000
総計・・・103,389,500
■インドネシア地震対応計画2006 要求の概要 - 機関別
2006年6月2日時点 http://www.reliefweb.int/fts
各団体によって提供された情報に基づきOCHAが編集。
主要な団体・・・要求額(US$)
—————————–
調整パートナー(国際赤十字社を含む)・・・35,250,000
FAO・・・5,600,000
Help・・・150,000
ILO・・・1,200,000
IOM・・・16,500,000
OCHA・・・3,075,000
SC・・・500,000
UNAIDS・・・330,000
UNDP・・・9,080,000
UNDP/UN-HABITAT/UNV・・・4,500,000
UNDSS (previously UNSECOORD)・・・150,000
UNEP・・・350,000
UNESCO・・・930,000
UNFPA・・・1,100,000
UNICEF・・・11,936,000
UNIDO・・・1,400,000
UNOPS/UNITAR・・・70,000
WFP・・・5,823,500
WHO・・・5,445,000
総計・・・103,389,500
この書類におけるプロジェクトのリストとそれらへの資金要求の数字は2006年6月2日時点での
寸描である。プロジェクト、資金要求、寄付に関する継続的に更新された情報はthe Financial
Tracking Service (www.reliefweb.int/fts)を参照。
情報源:国連人道問題調整事務所(UNOCHA)
原文URL: reliefweb.int
*著作権は情報源に帰属します。