地雷の第二の象徴的な破壊

地雷禁止条約加盟国の義務の一部として、アフガニスタンは、首都のカブールで昨年の5月に始まった、備蓄されている地雷を破壊する試験段階を完了した。これは国連、政府と国際治安支援部隊(ISAF)の共同プロジェクトで、カブール北部の郊外で木曜日、約1,300の対人地雷(APMs)が3日にわけて爆破された。
APMs(対人地雷)は、カブールのアフガニスタン国防省(MoD)の49の備蓄から集められた。
「ある意味でこれは象徴的だが、アフガニスタンの地雷除去全体にとってかなり重要な新しい一歩を示している。」と、アフガニスタンの地雷除去プログラムへの第一の拠出国であるカナダのクリストファー・アレクサンダー大使が、カブールのその破壊現場でIRINに述べた。
世界の中でもっとも多数の地雷が拡散している国のひとつであるアフガニスタンは、2003年3月の時点で、地雷の使用、製造、備蓄、移譲を禁止する1997年のオタワ条約の当事者国になった。
その条約の加盟国として、アフタニスタン政府は、4年以内に全ての備蓄されている地雷を処分することに同意した。その試験段階は2003年の5月に開始され、それによって多くのAPMが国中のいくつかの街で破壊された。
そしてそのプロジェクトがこれまで首都や首都の周りに集中していた一方で、MoDによると国中に備蓄されている何十万もの地雷を確認して破壊するという継続した必要性が残っている。
「アフガニスタンのあらゆるところに、備蓄場所を特定する地図や方法がない何百万もの地雷がある。」と、MoDの任務責任者であるShir Mohammade Kamiri少将がIRINに述べた。そしてアフガニスタンの上級軍幹部はMoDの在庫にはこれ以上のAPMはないと言ったが、まだ確認されていないが何人かの司令官たちは、APMが彼らの備蓄品の中にあると考えている。「DDR(国連が支援する市民勢力の軍縮動員解除および再統合)中に、私たちはいくつかの貯蔵所や倉庫で地雷の一部を発見することができるかもしれない。」と、彼は言った。
一方、国連アフガニスタン地雷除去センター(UNMACA)は2百万ドル余APMの備蓄品破壊プロジェクトは、試験段階の完了の後2~3ヶ月で本格的に始まるとIRINに述べた。UNMACAにとって、私的な武装勢力や軍閥の手元に残っている何十万もの備蓄されたAPMを発見するのが困難であることがその段階で明らかになるだろう。「最も大きな問題は、MoDがこれらの地雷がどこにあるのかわかっていないことである。」と、UNMACAの広報官が言った。
アフガニスタンは、世界の中で、地雷や不発弾の被害者が最も多い国の一つである。UNMACAの見積もりによれば、過去20年間に地雷によって殺されたり負傷したのは20万人以上で、そのほとんどは一般市民である。しかし事態は改善しつつある。UNMANAと赤十字国際委員会によると、過去1年で、地雷の事故は1ヶ月あたり600件から100件まで減少している。
UNMACAは、15の国内外の組織と7,200人のアフガニスタン人職員によって実施されており、オタワ条約で要求されたように、10年間で国中の地雷を除去するのに、1年間につき約6千万ドルの予算が必要である。
13年前にアフガニスタンで始まった作業以来、100人の地雷除去作業者が殺され、500人が負傷している。
ほとんどの地雷は、ソ連の占領およびその後の1980年から1992年共産主義政権時代に埋められた。地雷除去の技術報告によると、地雷は、1992年以降、特にカブールやその周辺では、様々な武装勢力同士の闘争でも使用されていた。伝えられるところによれば、空爆によって破壊された貯蔵庫からばらまかれた不発のクラスター弾や弾薬を使って北部同盟、タリバン、アル・カイダの戦士が新たに埋めた地雷や仕掛け爆弾のために、地雷問題は2001年の10月に悪化した。
アフガニスタンに埋められている地雷の正確な数は未だにわからないが、UNMACAによれば、これまでに地雷や不発弾を含む2,800万個の爆発装置が、3億2,000万平方メートルの地域から除去された。他の8億1,500万平方メートルの地域ではまだ除去されておらず、何十万人もの国内難民(IDPs)と国外難民の安全な帰還にとって、極めて重要な課題として残っている。
原文URL:http://www.reliefweb.int
情報源:国連人道問題調整事務所
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