カルザイ大統領は平等を主張し、人権を支持するべき
2003年9月23日 ニューヨーク
ジョージ・ブッシュ米大統領とアフガニスタン ハミド・カルザイ大統領が行う火曜日の会談で、ブッシュ大統領は人権侵害を犯している地方武装集団のリーダーや軍隊の司令官たちに対する経済的支援や武器の供給停止を約束するべきだ、と今日Human Rights Watchはブッシュ大統領への書簡で述べた。
別の書簡で、Human Rights Watchはカルザイ大統領に女性や宗教的、民族的マイノリティーの権利を特に重視し、アフガニスタン全ての人々に人権を保障するという条文を新アフガニスタン憲法に取り入れることを支持することを発表すること、また上級政府高官や関係者らが最近アフガニスタン独立人権委員会に対して脅迫を行ったという嫌疑についての調査を始めることを強く促した。
「カルザイ大統領はアメリカ合衆国にアフガニスタンを不安定にし、国中のアフガニスタン人を怖がらせている地方武装集団のリーダーに対して、武器や資金の供給を一切止めるようにと頼むべきだ。」と、Human Rights Watchのアジア部代表Brad Adams氏は言う。「ブッシュ大統領は、新憲法で女性の権利、宗教の自由が確実に保護されるよう、同時に、それらの権利を紙上の単なるきれいな言葉ではなく、実生活の中で意義があるものにする司法府を創設することに、カルザイ大統領が全力を尽くすよう励ますべきだ。」
2001年政権からタリバンを追放した軍事行動以来、米国はカブールの政府支援を試みる一方で、タリバン残党やアルカイーダとの継続する戦闘に参加する地方軍閥のリーダーや軍司令官らに武器や資金援助を行っている。一連の報告書でHuman Rights Watch は、地方武装勢力リーダーの指揮下の武装者による組織的な人権侵害や、その結果として起こる治安の悪化を報告した。このような状況進展によってタリバン追放以来、得た進展の多くが疑問視されている。
「アメリカ合衆国は国家政府と地方武装勢力リーダーを同時に支持するような不出来な政策を直ちに終わらせるべきである。この政策は社会を不安定にし人権侵害を引き起こしてきた。ブッシュ大統領は国務省、国防省と機密機関にこの政策の打ち切りを一貫し、協調しながら履行するように命令すべきだ。」とAdams氏は言う。
カルザイ大統領に宛てた手紙の中で、Human Rights Watchは大統領に人権を彼の政権の最重要項目にするよう強く主張した。
「カルザイ大統領は非常に複雑な政治的状況に直面しているが、一方報道の自由、女性の権利、また人権擁護者の安全を支持し、明白で首尾一貫した発言をすることが非常に重大だ。」とAdams氏は言う。
Human Rights Watchはカルザイ大統領に、人権侵害の責任がある政治的或いは軍事的人物が代表者を脅迫し彼等の立場を合法化するため、或いは女性や宗教、少数民族の権利を制限する為に立法過程を乗っ取られないようにする為に、大統領の法的権威、道徳上権威などあらゆる手段をとるよう求めた。
Human Rights Watchはまたブッシュ大統領とカルザイ大統領に、現在、首都カブール内とその近辺にのみ置かれた国際治安支援部隊(ISAF)の拡張を強く求めた。また合衆国には、それを実現させる為に必要とされる後方業務や情報、政治的支援の提供を求めた。
「近い将来に拡張されたISAFによってのみ安全は改善され、それは確かな立案過程と来年予定されている国民選挙のために必要だ。」
2003年2月26日にカルザイ大統領が米上院で演説を行った時、彼はISAFの拡大の必要性を拒み、再構成したアフガニスタン軍が国民に安全を提供できると示唆していた。「この9ヶ月で悪化した安全と人権の状況が、いかにISAFの拡大が国の安全のために必要不可欠かを示しただけだ。」とAdams氏は言う。
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