No.76「【急募】若者による足元のコロナ支援にご寄付をお願いします!」

前回の「CODE未来基金ニュース」でお伝えしたように、未来基金では身近にコロナで困窮している方々への支援活動を開始しました。現在は神戸市長田区のベトナム寺院や、兵庫区で子ども食堂や地域交流活動を行っている「レンタルスペース&A」を学生たちで訪問し、お米や野菜を届けています。
CODE賛助会員の山本健一さんが今は毎週のように兵庫県丹波市やたつの市の農家さんから無農薬野菜を届けてくださっています。

一方、CODE事務所の近所にある「国際交流シェアハウスやどかり」さんのお話によると、近隣に住む外国人で支援の必要な方がたくさんいるため食料提供していますが、野菜はあまり調達できていないとのこと。
未来基金では、このように地域で厳しい状況にある方々とつながっている団体と協力し、一人ひとりへ無農薬野菜の支援を届けていきます。また、そういう方々が抱える困難について学生たちと一緒に考え、発信していきます。

野菜の購入・配送や学生たちの交通費など、継続して活動していくためのご寄付をどうぞよろしくお願いいたします。

※写真は山本健一さんのFacebookより

(ご寄付の方法)
※備考欄に「未来基金寄付」とご記入ください。

★クレジットカード
CODEのホームページから

★郵便振替
郵便振替:00930-0-330579
口座名義:CODE

★ゆうちょ銀行
支店番号:〇九九店
店番:099
口座番号:0330579(当座)
口座名義:CODE(コード)
※口座名義をカタカナで指定されている場合は「コード」とご記入ください。

★近畿労働金庫
支店名:神戸支店
支店番号:642
口座番号:8881040(普通)
口座名義:CODE海外災害援助市民センター

No.75「足元でのコロナ支援―ベトナム人留学生の厳しい状況」

CODE未来基金の学生たちを中心として、コロナ禍での「足元」の支援活動を開始しました。神戸市長田区のベトナム寺院や、兵庫区で子ども食堂や地域交流活動を行っている「レンタルスペース&A」を学生たちが訪問し、有機野菜やお米をお届けしています。野菜は、CODE賛助会員の山本健一さんのご協力で兵庫県丹波市やたつの市の農家さんから、お米は、コープこうべさんからご支援いただいています。

先日はベトナム寺院に野菜をお届けし、ベトナム人の住職さんにお話を伺いました。
ある留学生は、学費が払えなくなり休学してしまったそうです。コロナの影響で母国からの仕送りがなくなったうえ、日本でアルバイトをしても時間の制限があり、学費が工面できないからです。その後在留期限が切れて不法残留になってしまい、仕事もできず、家も借りられず、今は毎月入管に出頭しているそうです。一方で帰国しようにも、コロナで飛行機は減便しており、空席があったとしてもチケット代が高騰していてなかなか買えません。お寺ではその留学生の方を支援したり相談に乗ったりしているそうです。
在留資格のない外国人は健康保険が適用されないので病院にかかる場合は全額負担、コロナのワクチン接種も受けられない状況です(韓国など一部の国では在留資格がない人も受けられます)。
留学生の多くは飲食業や観光業でアルバイトをしているので、特に昨年秋頃から仕事がなくなり厳しい状況になったとのこと。今は再開する仕事も出てきて少し良くなったそうですが、こうした留学生の困窮は、技能実習生と比べるとあまり報道されていないと、住職さんはおっしゃっていました。

今回の野菜は、住職さんを通じて留学生の方や大阪市生野区の日本語学校へ届けていただきます。
引き続き訪問を続けながら、足元でのグローバル化の問題に対して、学生たちと一緒にできることを考え、やっていきたいと思います。

【CODE未来基金にご支援をお願いします】
コロナで特に厳しい状況に置かれている方々に、丹波市やたつの市から安心・安全な有機野菜をお届けしています。野菜の購入・配送や学生たちの交通費等、継続して活動していくためにご支援をよろしくお願いいたします。

(ご寄付の方法)
※備考欄に「未来基金寄付」とご記入ください。

★クレジットカード
CODEのホームページから

★郵便振替
郵便振替:00930-0-330579
口座名義:CODE

★ゆうちょ銀行
支店番号:〇九九店
店番:099
口座番号:0330579(当座)
口座名義:CODE(コード)
※口座名義をカタカナで指定されている場合は「コード」とご記入ください。

★近畿労働金庫
支店名:神戸支店
支店番号:642
口座番号:8881040(普通)
口座名義:CODE海外災害援助市民センター

No.74「丹波農業フィールドワーク第2回:学生の感想⑤」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第2回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、山村太一さん(神戸学院大学3回生)の感想です。

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CODE未来基金の皆様、ムラとマチの奥丹波の皆様今回もこのような貴重体験を作っていただきありがとうございました。この経験をしっかり活かせるように私も日々精進していきたいと思います。

5月29日から30日の2日間私は、二回目の農業フィールドワークに参加させてもらった。まず、今回の農業フィールドワークは、前回よりも単純に楽しみながらも学ぶことできた。その理由は、前回に比べて参加人数も増え、奥丹波の人とも新たな出会いや交流がたくさんあったからだ。また、田植えの際には、ただ黙々と農業を体験したのではなく、音楽と融合しながら田植えをしたり美味しいお米を食べたりと、今回の農業フィールドワークも得たもの感じたことは、盛り沢山となった。

特に私が印象に残っているのが、やはり田植えだ。田植え自体が、人生で初めての体験だったので、期待でいっぱいであった。実際に田んぼを見て、正直泥に素足で入ることに抵抗はあった。しかし、いざ入ってみると、まず「気持ちいい」と思った。とても不思議な感性だ。今でも、なぜ「気持ちいい」と感じたのかは分からないが、はっきりとそう感じたのを鮮明に覚えている。泥の中に足を入れることは、普通は「気持の悪い」ことだと思う。しかし、実際に足を入れると「気持ちが良い」と感じたのだ。一日目の夜でも、土に触れることがいかに大切なのか話に出たが、その大切さを田植えで身をもって体験することができた。普段アスファルトの上を歩いている私たちだが、時には素足や素手で土を触ることが必要なのかもしれないと感じた。この土に触れることを、アーシングと言うそうだ。私は、この「アーシング(Earthig)」について興味を持ったので、もっと詳しく調べてみようと思う。

田植えを通して痛感したことは、食べ物に対する感謝の心だ。「いね」という言葉の語源は、「いのち」から来ているらしい。それくらいに、お米とは昔からの欠かせない営みの一つであると感じた。田植えは、一反を目標に全て手植えで行った。大人数で実施したから楽しく苦もなく終えたが、これをもし一人二人でするとなると大仕事だ。よく「お米一粒一粒に神様がいる」と小さい頃か聞いたことがあったが、この活動を通して初めてその言葉の本当の意味に気がつくことができたと思う。苗一本一本に植えた人の想いがこもっている。この想いこそが神様であり、だからこそ食べ物を粗末にしてはいけないと考えた。田植えが、どれほど大変で労力を有するのか知らなければ気がつくことのできないことだと思う。つまり、今の若い世代が食べ物に興味がないのは、このように自分で食べ物を育てるという機会が昔に比べて、激減しているからではないかと仮定した。若い世代にも、食べ物にもっと興味を持ってもらうために、このような機会をもっと設けるか、小学生ぐらいから食育の授業をもっと充実させる必要がある。食べ物に興味を持っている人が増えれば、農薬の問題や農業の担い手の問題、食料自給率の問題も少しずつ解決に向かっていくのではないかと考えた。ただこの方法は、時間と労力を有し、すぐに結果は出てこない。それゆえにこそ、私たちが私たちと同じ世代である人達に食べ物に興味を持つことの大切さを訴えていかなければならない。それは、このような貴重な体験をさせて貰った私たちの義務であると感じる。これからの農業フィールドワークの方向性は未定であるが私は、ムラと奥丹波の野菜を広めていく活動をしたいと思う。
(山村太一)

No.73「丹波農業フィールドワーク第2回:学生の感想④」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第2回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、陶冶さん(兵庫県立大学大学院5年一貫制博士課程5年生)の感想です。
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私は中国四川省からの留学生です。災害被災者を支援することに興味があり、私の故郷での災害は、多くの場合、農村部で起こります。2018年、地震で壊滅的な被害を受けた再建された町、北川を訪れました。新しい町はより安全な地域に位置していますが、 山あいにある廃虚となった旧市街からは遠く離れています。農作業をしている田舎暮らしが恋しくて、ニュータウンの都会生活に適応できないと訴えるシニアの地震生存者もいたと聞きました。そこで、農作業はどんな感じか気になり、丹波でのフィールドワークに参加しました。

CODEの活動に参加するのは今回が初めてであり、農作業をするのも初めてです。2日間のフィールドワークで、食べ物がどこから来て、どのように栽培されているかについて貴重な経験をしました。面白いだけでなく、有意義でした。私の日本語は下手で、2日間でフィールドワークの内容をすべて理解できなかったと思いますが、それでも多くのことを学びました。

まず、耕作、野菜の植え付け、田植えなどの農作業に参加しました。また、タマネギ、ジャガイモ、レタスなど、野菜や他の作物がどのように育つかを知ることができました。一緒に農作業をすることで、土地や地域の人々とのつながりを感じました。また、地元の人々は年齢を重ねても健康で幸せそうに見えました。これは、自然と共生する彼らのライフスタイルに関係があるのかもしれません。

有機農業、農業産業、農業政策に関する農家の幅広い知識に感銘を受けました。会話の中で、農家の方々は、有機農業とは何か、有機食品が健康に良い理由、有機農業を促進するために政府が取るべき対策などを教えてくれました。私は、農家であることは難しいことであり、農業はハイテク産業などの他の産業と同じように重要視される必要があることを理解しました。

また、農業や有機農業の難しさについても学びました。 たとえば、一般の人々は有機農産物の利点を理解していません。農作業をしている若者は少ないようです。農家はまた、さまざまな体的および精神的健康問題に直面しています。

このフィールドワークは、健康問題や災害問題を農業や農家の視点から考える助けとなりました。有機農業は、レジリエンスを構築する方法であり、災害があってもコミュニティが迅速に再建できるようにするだけでなく、農業のより良い品質と新しい革新のために常に努力する方法であると私は信じています。
(陶冶)

I’m a student from Sichuan, China. I’m interested in supporting disaster survivors, and the disasters in my hometown often occur in rural areas. In 2018, I visited Beichuan, a reconstructed town that was destroyed by the earthquake. The new town is located in a safer area but far away from the ruined old town which is in mountains. I found that some elderly survivors complained they were missing their old lives doing farm work and couldn’t adapt to the urban lives in the new town. So, I was curious about what it was like to do farm work, and I participated in the fieldwork in Tamba.

This is my first-time taking part in CODE activities and also my first-time doing farm work. During the two-day fieldwork, I gained precious experience in where food comes from and how it is grown. It was not only interesting but also meaningful. Although my Japanese is not good, I still learned a lot during the two days’ fieldwork.

Firstly, I joined some farm work includes plowing, planting vegetables, transplanting rice, and so on. I also got to know how the vegetables and other crops grow, like onion, potatoes, lettuce, and so on. Through working together to do farm works, I felt like being connected to the land and the local people. At the same time, I also found that the local farmers looked healthy and happy despite their age. This may have something to do with their lifestyle of living in harmony with nature.

I was impressed by the farmers’ extensive knowledge of organic farming, agriculture industry, and agricultural policies. In the conversations, the farmers taught me what was organic farming, why organic food is better for health, what countermeasures they hope the government to take for promoting organic farming, and so on. I understand that being a farmer is difficult and that agriculture should be given the same attention as other industries such as high-tech industries.

In addition, I have also learned about the difficulties faced by agriculture and organic agriculture. For example, the public does not understand the benefits of organic agricultural products; it seems that there are few young people doing farm work; farmers also face various physical and mental health problems.

This fieldwork helped me consider health issues and disaster issues from the perspective of agriculture and farmers. I believe that organic farming is a way to build resilience and enable the community to rebuild quickly despite disasters, as well as constantly striving for better quality and new innovations in agriculture.

No.72「丹波農業フィールドワーク第2回:学生の感想③」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第2回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、山内優さん(関西大学3回生)の感想です。

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私が今回、農業フィールドワークに参加させていただいた理由は自然が好きで田舎のイメージが強い丹波という場所に惹かれ、行きたいと思ったことがきっかけでした。参加当日が近づくに連れて、普段生きている中で当たり前のことだと思い考える事がなかった「食」や「農業」について深く考えるようになり様々な角度から疑問が生まれ興味が湧きました。その中で何か一つ丹波に行く前に自分の中でテーマを持っていこうと考えた時に、どうして農業に目を向けたのか丹波で農業をする人の考えや思い、ストーリーが特に知りたいと思ったのでこれを入り口に農業について学びたいと思い当日を迎えました。

1日目は畑を耕しさつまいもやきゅうりを植えたり、じゃがいも畑を整えたりしました。人生で初めての経験で力のいる仕事でしたがやり終えた畑を見るのはすごくやりがいを感じ農業のおもしろさを実感しました。2日目には楽しみにしていた田植えを長靴などを履かずに行いました。泥の中に入って直接土に触れるという体験は滅多になく不思議な感覚で楽しかったです。泥だらけになりながら田植えをして、ふと顔を上げると大きな空と緑でいっぱいの景色やみんなが田植えを楽しんでいる姿が目の前に広がっていて、からだ全体で自然を感じることができ心が温まるような時間となりました。

この2日間、お世話になった「ムラとマチの奥丹波」の方々をはじめ、たくさんの出会いがありお話をたくさん聞くことができました。私の今回のテーマであった丹波で農業をしてる方の考えや思いを知るには時間がまだまだ必要だと思いますが、マチで仕事をしていた方が丹波で農業をしているのには目には見えない力が丹波に引き連れてきているような気がしました。
また、自分が食べるものがどんなものなのかを知るには自分で作るのが1番だという話にはとても感心しました。食事をすることは自分自身にとても関係することなのになんの違和感もなく食事をしていたので、見直すべき視点だと思いました。

農業フィールドワークを通して農業のおもしろさや楽しさを知るとともに、力仕事も多く時間のかかる農業を毎日行うことは私がこの2日間では感じることがなかった苦労がたくさんあるうえ、マチで過ごしていた方が丹波に来て農業をするには勇気と覚悟が必要だと思います。大学生活も残り少なくなり将来について考えることが増えた現在、農業だけでなく生き方についても深く考えさせられた2日間でした。

今回私たちが植えた野菜や苗が成長した畑を見るのを楽しみにしています。2日間本当にありがとうございました。

(山内優)

No.71「丹波農業フィールドワーク第2回:学生の感想②」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第2回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、黒瀬天孝さん(大阪大学1回生)の感想です。

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食べ物を自分たちで作るという経験ができたことに満足しています。サツマイモの畝の役割、タマネギに生えたトウは成長のストップのサインなど、ただ作業をするだけでなくその意義を教えてもらい、根本の仕組みを理解することにもつながりました。また、今回の一番の収穫は、田植えをしたことです。一度母親の実家で田植えを手伝ったことがありましたが、そのときは機械や肥料・農薬を使っていました。一方今回はそれらを一切使わず、田んぼに足を入れて手で苗を植えました。泥に足をつける感覚が非常に気持ちよかったです。機械で規則的に植えるのとは違い、手植えではなかなかまっすぐに植えることができず、気づけば列が歪んでいることも多々ありました。ですが、機械で黙々と行うよりも他の人たちと列に並んで一緒に植えることで、みんなで協力しているという実感がありました。

夜には村の方たちと農業について、丹波での暮らしについて話し合いましたが、僕自身が想像していた以上に濃い議論でした。まず、日本の農薬規制が他の先進国に比べてかなり緩いことを知りました。それまで教科書で習った地産地消は、日本の農産物は他国と比べて安全で、購入によって日本の農家を興すことができるというものでした。ですから、今回知った日本の現状に驚きました。また、有機農業についてあまり儲けの少ないイメージを持っており、それを尋ねたところ、実際にまだまだ赤字状態だとおっしゃる方もいました。さらに、ムラマチでは都市部から移住してきた方が多かったことから、なぜわざわざ田舎に移住して農業をやるのかと尋ねました。すると、ムラマチの方の多くは有機農業への理解が深いからここで農業をやる、安全だと自信をもって言える食料を自分たちで作りたい、とおっしゃっていました。なぜ有機農業をやるのか、農業は今後どうなっていくのかを自分なりに考えさせられました。ひとつ興味深かったのは、農業が衰退した理由やその将来について、精神論的に語る方もいれば、理論的に語る方もいたことです。ですが考え方は様々でも、「この農業体験に参加する人が現にいるのだから、農業への関心は着実に増えている」とおっしゃる方が多かったです。現状を悲観するだけでなく、今の良い面に目を向けることを学びました。

この2日間を経て、農業への興味が出てきましたが、2日間だけではまだまだ全貌は分かりません。一日作業するだけでもかなりの疲労が溜まり、これを暑い日も寒い日も何年も続けられるかと言われると、自信を持って答えることはできないです。もっと長期の農業体験をこなしてから分かることかもしれません。一方でたった2日間でも多くのことを学べました。それは農業の技術的なこと以外にも、社会で生きる上で必要な考え方でした。「何事もほどほどが一番」ということが今回の一番の学びです。下手に張り切りすぎるよりも脱力してやるほど長続きすることだと思います。今後、自分たちが植えた苗の収穫にぜひ参加したいです。またそこでの学びを増やしていきたいです。ありがとうございました。

(黒瀬天孝)

No.70「丹波農業フィールドワーク第2回:学生の感想①」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第2回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、柳瀬彩花さん(追手門学院大学3回生)の感想です。

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私が農業フィールドワークに参加させていただいたのは、今回で2度目でした。
1日目は、到着後「ムラとマチの奥丹波」の皆さんと顔合わせや自己紹介をしてから、畑に移動し畝をつくったり夏野菜を植えたりしました。夜は「ムラとマチの奥丹波」の皆さんとCODEの学生たちで意見交換を行いました。また、前回同様荻野さんが営む「丹波いちじまファーム」に宿泊し、新鮮な野菜をふんだんに使った美味しいご飯をいただきました。
2日目は、午前中から上流域にある山本さんが所有する田んぼの手植えを行い、思いっきり土に触れた2日間でした。

また、今回は世界や丹波で起きていること、農業の抱える課題などと自分のつながりを見出して捉えることを私自身のテーマとして参加していました。
なぜなら、事前学習ではCODEの理事である村井さんからアフガニスタンの事例紹介があり、『(金銭面で)食べていけなくてもヒンズークシュ山脈に雪が積もれば(農業ができて)食べていける』という価値観のお話に関心を持ったためです。現地の農村だけでなく都市に住む人々にも、そういったお金よりも水が大切であるという考えが浸透しており、少量の水を大事に使って生活を営んでいるということを知りました。
そして現在、日本では都市に住む私を含めて、水を大事にする意識は薄まっているように感じます。そこで、丹波で有機農業をしている農家さんたちへ水の存在について伺うと「水は極めて大事」「水は命」だと仰っていました。市島には水源があり、水質が綺麗であるため現在も蛍が多く出ることや小さい町でありながら酒屋が多いといったことを教えていただきました。
さらに関連して、田んぼにとって水の必要な時期は、水の取り合いによる争いが起きていた時代があることや、有機農業をしていても上流域の農家が農薬を混ぜてしまうと他の田んぼに農薬が流入し揉め事になることを知りました。

また、長年丹波で有機農業をしている岸下さんの「自然界に学べ」という言葉が特に印象に残っています。自然界にはどのような協力関係があるか、有機農業や農作業の大変な中に何があるか、健康は何でできているのかといった、農業だけでなく人間としてどうあるべきかという問いに深く考えさせられました。
そのため、有機農業を体験し持続可能な社会を目指すことを改めて考える中で、やはり人の心が大事でありそれぞれが「感性」を磨くことが、結局は農業を立ち直すことにつながっていくということに気付けました。
この2日間、農家さんたちや様々な立場の参加メンバーと対話することで、生きていく上で大切なヒントを見つけることができました。

最後に、田んぼに足を突っ込む泥の感触や皆で手植えをする一体感、良い汗をかいたあとの昼食の梅のおにぎりなど、「これが好き!」と思うものに沢山出会えました。天気にも恵まれて本当に気持ちがよかったです。
今回も貴重な機会をいただきありがとうございました。

(柳瀬彩花)

No.69「丹波農業フィールドワーク第2回:神戸新聞に掲載されました」

先日行われたCODE未来基金の丹波農業フィールドワークが神戸新聞に掲載されました。このフィールドワークは、今回が2回目で、神戸学院大学、追手門学院大学、大阪大学、関西大学、兵庫県立大学の学生さん6名と豊岡の地域おこし協力隊の若者が参加し、みんなで田植えをしました。泥んこになりながら、頭だけでなく体で学び、地域の方々と交流することが出来、学生さん皆が、充実した時間を送る事ができました。いつも応援していただいている皆さま、ありがとうございました。

CODE未来基金の活動は、サポーターの皆様はじめ、CODEの会員、寄付者の方々の支えによって成り立っています。コロナ禍の中でも現場で学び続ける若者たちを応援してください。よろしくお願いいたします。(吉椿)

*CODE未来基金を応援して下さい
郵便振替:00930-0-330579
加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。
(例:「未来基金」)
*募金全体の25%を上限として事務局運営・管理費に充てさせていただきます。
*クレジットカードをご利用の方はこちらからご寄付いただけます。

No.68「丹波農業フィールドワーク第2回を実施しました」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市市島地区の農業グループ「ムラとマチの奥丹波」のみなさんにご協力いただき、学生たちとともに農業や農村の暮らし、食の安全について学ぶフィールドワークの第2回を実施しました。

前回植えたジャガイモ畑の土寄せ、サツマイモ植え、そして田植えをしました。「農薬を使わない農法ではどのように作物を育てているのか?」「なぜ土寄せをするのか?」などなど教えていただきながら、じかに土に触れて体験しながら、自分たちが口にする食べ物がどのように作られているのかを学びました。

また、今回もムラマチのみなさんと学生たちで意見交換の場を持ちました。学生たちそれぞれが持っている疑問や関心を投げかけ、ムラマチのみなさんが丹波で農業をすることになった経緯や想い、丹波での農業と水の関係、安全な食と国の政策・経済活動との関係などについて話し合いました。
その中で、「丹波に来て農業をするだけでなく、都会でも、ベランダで家庭菜園をしたり、隙間空間で畑をしたり(アーバンアグリカルチャー)など、安心・安全な野菜作りはできる」ということをご紹介いただきました。先日のレポートでお届けした、フィリピン・バンタヤン島の「コミュニティ・ガーデニング」も、まさに身近なところで、できる範囲で、自ら「食を作る」という実践をしていると言えます。

お天気にも恵まれ、楽しむときは楽しみ、学ぶときはしっかり学ぶ、充実したフィールドワークになりました。
これからのレポートで数回に分けて、参加した学生の感想をお届けいたします。

No.67「丹波農業フィールドワーク第1回:学生の感想③」

CODE未来基金のプロジェクトとして、丹波市での農業フィールドワーク第1回を先日実施しました。
参加した学生のみなさんの感想を、順にご紹介します。
今回は、山村太一さん(当時 神戸学院大学2回生)の感想です。

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今回このような貴重な体験をさせていただきありがとうございます。この二日間は、私にとって非日常な体験ばかりで、良い刺激をたくさんもらえました。この農業体験を通して学んだことを神戸に帰って、どう活かすかが今の一番の課題である。

まず私は、今回の農業体験で大きく三つのことを学んだ。一つ目が、農業の奥深さだ。現地に着いて、最初にじゃがいもの芽を切る作業をやらせてもらった。この芽を切って植えるという、いたってシンプルな作業だが、各農家にやり方がバラバラであることに驚いた。じゃがいもの栽培は、もう何百年前から行われているはずだ。しかし、未だに方法は、各農家バラバラであり、農業に正解はないのだと学んだ。そして、同時に農業の奥深さを感じた。どの植え方も、しっかりとした理由があり何一つ意味のないことにも感心した。特に、じゃかいもの切り口に灰をつける工程は、化学と結びついていた。

二つ目は、実際に現地に行く大切さだ。よく学校の社会の教科書などには、食料自給率の低さの問題や高齢化の問題などがピックアップされている。私も今回の農業体験をする前までは、その程度の知識しかない中活動に挑んだ。しかし、現実はもっと残酷な状況であることに気がついた。教科書や本の情報だけで理解した気になることに、今回の農業体験を通して私は危機感を感じた。もちろん、本を読んで勉強することは大切だが、それだけでは圧倒的に足りないことに気がついた。実際に、現地に行き見て感じて話すことの重要性を改めて感じた。また、実際にこれらの課題に直面している方々の話は、一つ一つの言葉の重みが全く違ったため、自分自身の原動力にもつながった。コロナウイルスの影響で、今はオンラインが主流となっており、学校の授業でも現地に実際に行くことが極めて少なくなった。そのため、現地に行ったと仮定して、レポートや読書の授業が増えた。しかし、それでは学びとしては、不十分であると思った。反対に、今回の農業フィールドワークの反省点としては、現地でいきなり活動することが多く、「ムラとマチの奥丹波」の方々が主体となって、私は受け身になっていることが多かった。受け身になるのではなく、次は私たちがもっと主体となって動いていきたいと思った。従って、次回の農業フィールドワークでは、何について学びに行くのか、しっかりと焦点を絞って事前に知識をある程度蓄えた状態で行きたい。本で学んだことと実際に現地で学ぶことのバランスこそが、大切であると学んだ。

3つ目は、今の農業が抱える課題だ。食料自給率の課題、高齢化、農薬の安全性、慣行の農業など様々だ。これらの課題解決の難しさは、国民全員が分かってはいるが、そうせざるをえない現実、社会があることだと思う。慣行農業よりも有機農業で作られた野菜の方が、体に良いことは誰もが知っていることだと思う。しかし、それでも慣行農業の野菜を買う理由があるのだ。それは、経済的な理由であったり、見た目の問題であったり、供給数が少ないことであったりと様々だ。農業の問題を解決していくには、根本にある社会そのものを変えていかなければならないと感じた。一個人の大学生である私にできることは、とにかく知っておくことだと考えた。コンビニで買うカット野菜にも、生産者の方がいるということを意識することが大切だ。現代社会では、生産者の顔が見えにくくなっているが、そこに少し意識を持っていくだけで、食ベ物の見方はガラリと変わる。若い世代の方が、なぜ食料に興味を示さないのか。それは、生産者とのつながりが見えておらず、あるものだと思っているからだろう。この当たり前意識を、私も少しづつ改善していきたい。
(山村太一)