CODE未来基金の丹波農業フィールドワークでは、若者が農業を通じて食やいのち、地域や世界を学ぶ事を実践しています。
第4回フィールドワークが2022年3月28日~29日に行われ、農業を体験させていただきました。また夜の懇談会では、学生さんからのリクエストで「農業と国際協力」をテーマにフリートークを行いました。
参加した若者たちの感想を順次、紹介していきます。二人目は、高校生の時からCODEに関わってくれている杉田かなえさんです。杉田さんは、舞子高校環境防災科を卒業し、マラウイの青年海外協力隊、農業高校の教員をへて、現在、丹波篠山市地域おこし協力隊で頑張っています。マラウイでは98%の人が食を作る農業に関わっているそうです!
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今回初めて丹波農業フィールドワークに参加しましたが、交流する中で、自分の過去を振り返り、現在の業について考え、未来について語ることができた2日間となりました。
私は現在、丹波篠山で農業をしていますが、10年前に青年海外協力隊でアフリカのマラウイへ野菜栽培隊員として派遣されていました。フィールドワークの交流会のテーマは「国際協力と農業」ということで、少し自分の体験をお話する機会をいただきました。一方的な支援ではなく、現地の人がやろうとすることをサポートせよ。と色々な人から言われたし、本でも読みました。2年間活動をして、現地の人がやろうとすることを捉えるのは、その風土に染まり、同じ感覚にならないとできない。と私は悟りましたが、一方でよそ者の力があることも感じていました。よそ者だからこそ、違う視点を持って気づくことがある。よそ者だからこそ、頼られることがある。そのよそ者の力を吉椿さんが解説してくれました。当たり前なことを「すごいことだよ」と指摘してあげるのは、よそ者だからできること。その当たり前がすごいことだって気づかせてあげることが大切です。物や技術ではなく、気づきと自信を与えることも国際協力のひとつだと学ばせてもらいました。また、これは都会と農村にも言えることだと感じました。お互いに気づいていない当たり前を交流を通して発見する。これは、丹波農業フィールドワークの裏テーマかもしれないと気づき少し嬉しくなりました。
もう一つ交流会の中で、現在の私に刺さった言葉がありました。「水と土と空気は人間が作ったものじゃないことを忘れてはいけない。」 私はあくまで自然の力を借りて、野菜を育てさせてもらっているのだ。とハッとさせられました。お金儲け優先になると、人間中心の行動や考えになってしまいます。だから、私には生業に近い農家よりも百姓の呼び名のほうがしっくりくると感じています。農産物生産だけでなく、100のことができる百姓になることは、未来の自分の目標です。
フィールドワークを通して、十人十色の哲学に触れられたことは、とても大きな学びでした。このゆるやかな繋がりをこれからも大切にしていきたいです。
(杉田かなえ)