No.16「僕たちの話しを聴いてくれたのはあなた達だけだ」

拠点にしているガジアンテプから車で北に約2時間、アディヤマンに入った。
途中の街も幹線道路沿いはほとんどの建物が倒壊していた。
人口約26万人のアディヤマンの街は、「壊滅」と言っていいほど状況だった。数日前にガジアンテプのバスターミナルで一人の女性がアディヤマン行きのバスから降りてきて「アディヤマンを助けて!」という言葉を残して走り去った意味がわかった。
ほとんどの建物が倒壊している中、市庁舎だけがしっかり建っている、そのコントラストが何とも奇妙だ。
この街では、周辺の農村部の親戚や知人を頼って避難した人も少なくなくない。また、市内各所に自主的にできた避難所を今、政府が統合しようとしていると被災者の方が教えてくれた。

市庁舎から徒歩10分ほどの中学校を訪ねた。トルコのNGOがこの学校を拠点に、レスキューや炊き出し、テント、日用品などの物資配布、ボランティアコーディネートなどを行っている。
60人からなるレスキューチームの男性たちは、AFAD(国家災害危機管庁)と連携して「俺たちのチームで5人、全体では13人を救助したんだ」と教えてくれた。
レスキューチームやボランティア約100人が比較的の少なかった校舎や車で寝ているそうだ。

エスケシェヒル・オスマンガン大学1年生のTくんは、大学で国際交流を学んでいる。
叔父さんがこのNGOのレスキューチームにいたことから地震後すぐにアディヤマンにボランティアに来た。炊き出しや配送の運転、雑務全般を担当している。
彼は数日後に帰るつもりだが、地元の警察が来て、「帰らないでほしい」と言われたそうだ。いかにボランティアが現地で必要とされているかがわかる。
一緒にいた二人の大学生は「僕たちはまだしばらくいるよ。これから避難キャンプを整備して、そこでキッチンを作るんだ!」という。なぜ被災地にボランティアに来たのか尋ねると、「トルコ人として一緒に働きたいからだ」と当然のような顔で返ってきた。
最後に「僕たちボランティアの話しを聴いてくれたのはあなた達だけだ」と嬉しそうに握手をしてくれた。
(吉椿)

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