1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに「困ったときはお互いさま」の心で海外の被災地支援を行っています。
災害時の支えあい・学びあいを通して地球の市民どうしのつながりを築いています。
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CODE未来基金

2016年度前期CODE未来基金プログラム フィリピンフィールドワーク

プログラムの概要

 2016年度前期募集プログラムで採択された、神戸大学2回生の宮津隆太さんの「Sign~学生に国際支援の新たな兆しを~」を実施しました。宮津さんを含む神戸大学の学生5名と2013年の台風Haiyanの被災地を訪れました。

日 時:2016年8月10日~18日(8泊9日)
内 容:フィリピンで活動するCODEのカウンターパートやNGO(FIDECやSPFTC)へのヒアリングや団体活動への参加、CODEが漁業支援を行うバンタヤン島を訪れることで国際協力やNGOが取り組む被災地支援、社会問題(貧困、格差、環境問題)について学びます。

企画者のプログラムへの意気込み

神戸大学2回生の宮津隆太といいます。
今年の夏、CODE未来基金を使わせていただくにあたって「僕がCODEと出会ったきっかけ」「なぜ僕はフィリピンでフィールドワークがしたいのか」「フィリピンのフィールドワークで何がしたいのか」について話させていただきます。
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フィールドワークのようす

~8月11日、12日 セブシティ、ボゴシティ~
 セブ市にあるフェアトレードショップ(SPFTCの事務所)にて、CODEとともにボートプロジェクトを行う2つのNGOの活動の代表Jojoさん(FIDEC代表)とGigiさん(SPFTC代表)から様々なお話を聴きました。それぞれのNGOの活動、SPFTCのフェアトレードの意義や課題、フィリピンの文化や漁業が抱える問題、産業不足、歴史的背景などを学びました。学生たちは日本での情報収集でしか知らなかったフィリピンの課題に長年NGOの立場から取り組むJojoさんからお話を聴くことで、明確に意識することができた様子でした。

~8月13日 バランガイポーク シティオ・マンガ~
 CODEが漁業ボートを提供しているバランガイ・ポークのシティオ(地区)・マンガを訪れ、村の住人とともにトウモロコシの収穫や貝殻ネックレス作りの内職を行いました。学生は外国のローカル地域に行くことが初めてであったこともあり、当初は住民の方との間に壁を感じていましたが、徐々に打ち解けコミュニケーションを重ねることができるようになっていきました。

~8月14日 バランガイ・ポーク シティオ・サンタロサ~
 シティオ・マンガと同じバランガイ・ポークのシティオ・サンタロサを訪れ、魚の干物加工や漁網修理、翌日の漁の準備のお手伝いなどをしながら住民とのコミュニケーションを重ねました。村の若きリーダーである漁師のボニーさんや妹のジョアンさんから、近年、大型漁船漁が増えたことで小さな漁船による漁の漁獲高が減っているということや漁を続けるために借金をしている状況などが語られました。

一方で、そんな状況でも漁をやめない、家族がいるからこの村に戻ってきたというような生業や住んでいる地域への愛着もボニーさんの口から聴くことができました。学生も前日のマンガでの話も踏まえて、フィリピンの田舎の厳しい生活状況に頭を悩ませ、村を盛り上げるヒントを探すために村の漁師や教師、リゾートの観光客にも積極的にヒアリングを行っていました。
 また、この日の午前にはバンタヤンのマーケットを訪れ、漁師やミドルマン(仲介業者)が絡む流通やマーケットのシステムについて学びました。

~8月15日 バランガイ・オコイ~
 バランガイ・オコイの2つの村を訪れ、村の女性が行っている植物のマット編み(内職)を体験するほか、前述のサンタロサとは違う漁法で漁を行っている漁師にお話を聴くことができました。マットは村で育つ植物を使って作るため、学生が一緒に作業をした家族だけではなく村のいたるところで女性がマット作りをしており、村の日常風景となっています。翌日のワークの準備をしていく中で、これまで消極的であった学生からも村の方との経験をかけがえのないものと感じ、翌日のワークで積極的に意見交流をする提案がされました。フィールドワークでの多くの悩み、考えたことが学生たちの成長につながっています。

~8月16日 村の住民たちとのワーク~
 13日~15日に訪れた村のリーダーたち5名に学生が感じた村の魅力を伝えるワークを行いました。学生はマット作りや前日までの漁業や農業などの村の日常活動に魅力を感じており、これを聞いた村のリーダーたちからは「これまで辛い仕事だと思っていたが、皆さんが楽しんでいるのを見て辛いと思う感覚が変わった。」という声が聞かれました。村を活性化させるアイディアを考える中で学生たちからリゾート観光客向け観光マップを作ることが提案され、村のリーダーたちからは「ぜひ挑戦してみたい。」「学生たちと一緒につくりたい。」という声が聞かれました。
 地図を作りながら村の方々と村の魅力を引き出していく作業までできなかったことが課題ですが、今回学生たちが聴いた村の方の言葉や村の魅力は今後のCODEと北陸学院大学で行う漁業支援に活かされていきます。

参加した若者の感想

宮津 隆太(神戸大学2回生)

 8月10日から18日にかけて9日間、未来基金を使わせていただき、フィリピンのセブ島、バンタヤン島でフィールドワークを行いました。そこで学んだこと、感じた事について書いていきます。

1、厳しい現状、それでもフィリピンの人とたちが明るいワケ
 セブ島、バンタヤン島の農村や漁村を訪問してお話を聞かせていただいたり、生活を体験させていただいたりする中で、現地の人の生活の大変さ、現状の厳しさを実感しました。農村の女性は、機械を買ったり農耕用の牛を借りたりする余裕もなく、すべての作業を手作業でおこなってるのがつらいと話されていました。漁村で漁から帰ってきた漁師さんの船のほとんどが1匹も魚を獲ることができずに帰ってきたり、借金返済のために借金をまた重ねていたりと本当に経済的に厳しい状態でした。
 その中でも不思議に思ったのが、村の人みんながよそ者の僕たちを本当に暖かく迎え入れてくれたこと、子どもはめちゃくちゃ元気に遊んでいたことでした。こんなに厳しいのに、それを全く感じさせないくらいみんな元気だったのが不思議でした。事前にフィリピンの人たちの性格、気風からみんな元気だというのは聞いていたのですが、僕はその理由がコミュニティにあるのでは、と思いました。村の真ん中あたりに人が集まってくるようなスペースがあって、そこで楽しそうに女性同士でおしゃべりしたり、子どもたちが遊んでいたりしていました。このようにきつい状況でも常に人と近くにいる、人とつながっている、ということが彼らの心の支えになっているのだろうと感じました。自分の祖母の家は離島の田舎にあるのですが、交流の機会が少なく孤独を感じてしまっていることが多いのですが、ここは日本にはないこの村のいいところだなと思いました。

2、現地で活動する上で大事なこと
 このフィールドワーク研修を通して、NGOとして活動する上で大事だと学んだのが、あくまで活動する主体は現地の人たち、自分たちはそれをサポートする立場だということです。現地に実際に行って、自分はあくまでもよそ者、しばらくしたら去っていく人間であるのに対して、現地の人たちはずっとそこで生活していく当事者であるのだということを感じました。だからこそ、よそ者だからこそできることを考える必要性に気づきました。

3、嬉しかったこと
 フィールドワーク後に行ったアセスメントの時間を通して、自分たちが感じたこと、いいと思ったところをプレゼンして、現地の人たちに「自分たちの仕事に対して今までつらいとしか思っていなかったけど考え方が少し変わった。」と言ってもらえたのは、ほんの少しでもその人にいい変化を残せたなと感じてとても嬉しく感じました。また、フィールドワークを終えて村から帰るときに、また来てねとか自分のこと忘れないでねと言ってもらえたことが、なんだか本当に村の人に受け入れてもらえたのだなと感じてとても嬉しかったです。本当に、今度はよそ者としてかつ、コミュニティの一員としてバンタヤン島にまた来たいな、活動したいなと感じたフィールドワークでした。

 

河村 陽菜(神戸大学2回生)

 

 私がフィリピンで一番感じたことは、「素晴らしいところを知るためにも、疑問が浮かぶためにも、行ってみることが大事だ」ということでした。
 フィリピンに行く前に、「フィリピンの人は決して裕福ではなくても、元気だ。」とか、「日本よりも幸せそう。」という意見も聞いていました。その上で、実際に現地の人と関わったり、現地を見たりすると、やはり私が思っている以上に収入がなくても元気に過ごしている人々がいました。
 しかし、私が未だに一番印象に残っているのは、行く前に日本で言われてきたことではなくて、現地に行って自分の見たものや視点から生まれたものでした。それは例えば、彼らは決して収入は多くないというのに、女性はわざわざネイリストを雇って、爪をおしゃれにしていました。私は正直「お金を払ってネイルするということは、お金がある人がすることなんだ。」と思っていましたし、今もそのことを思ってしまうところがあります。お金の使い方を決めてないから使ってしまったのかもしれないと思う一方、彼らはもしかしたらそれが楽しみなのかもしれないし、彼らにとっては何か重要なのかもしれないtも考えました。そのように私の予測や考えを超えた出来事によって、この気づきがとても強くなりました。
 1週間ほどの滞在でしたが、日本で過ごす1週間よりも濃く、短かったけど長く感じたフィールドワークでした。ありがとうございました!

 

羽田 和真(神戸大学1回生)

 自分はそもそも海外渡航が今回初めてでした。行く前は、治安が悪いであったり、貧困が蔓延しているであったり悪いうわさが多く、なんとなく人も冷めていて怖い場所というイメージがありました。しかし、現地について人と交流して思ったのは人々がすごく温かいということでした。行く村々の人々が赤の他人である自分たちに笑顔で挨拶して話しかけてきてくれました。その時自分は日本が現在失いつつある人と人との繋がりであったり、温かさを感じました。どこの村に行ってもそれぞれの村に深刻な問題があるにもかかわらず、村の人々はみな笑顔なのが自分にとってはとても不思議でした。なぜこの人たちは笑顔なのだろうか?自分たちが問題に思っていることが実は全く問題ではないのではないか錯覚してしまうほど、現地の人々は幸せそうでした。この時、自分たちが問題に思ってることをただ押し付けて助けようとしても現地の人々の笑顔を壊すだけで、大切なのは現地の人々が自分たちの状況を改善しようと意識して取り組むことで自分たちはその手伝いをするに過ぎないのだと気づきました。
 フィールドワークという経験についても、もちろん初めての経験でまた日本語の通訳の方が急用でこれなくなり英語での会話を余儀なくされました。自分は英語能力がそれほど高くなかったため、最初はかなりきつかったです。しかし、会話を重ねることでなんとなく言いたいことが伝わるようになり、言っていることが理解できるようになり、会話が楽しくなりました。この経験からフィールドワークにおいて大切なのは笑顔であったり会話に対する積極性であると感じました。

 

西本 楓(神戸大学1回生)

 フィリピンに来て二日目まではまだあまり現地の人々との関わりはなく、NGOの人からフィリピンについて全般的に教えてもらいました。
 日本でネットや大学教授へのヒアリングで情報収集できているつもりだったけど、現地の人が実際に感じていることを知れてとても良い時間でした。と言いつつ、せっかくフィリピンに来たのに屋内で話を聞くばかりで、英語が十分に聴き取れなくて、少し不満な気持ちもありました。
 三日目、船でバンタヤン島にやって来て現地のマーケットに行きました。そのマーケットは海の目の前にありました。はじめ、ここにある魚を売っている人は漁師さんなのかと思っていましたが、聞いてみると仲介人だと言っていました。仲介人も通していると言うのにここで売られている魚はとても安かったので、漁師さんが魚を売って手に入れられるお金はとても少ないのだろうと思いました。
 四日目、私たちはバンタヤン島で農家をして暮らす家族のもとに訪問しました。ここで初めて現地の人々とがっつり関わることができました。来て早々雑草取りのお手伝いをさせてもらいました。雑草とともにキャッサバなどが無造作に植えられていて、雑草だと思って引っこ抜きそうになりました。その後トウモロコシの収穫をしました。トウモロコシの収穫は年に一度だけだと言うのに私たちに収穫したトウモロコシをたくさん食べさせてくれました。このバランガイの人たちはすごくおもてなし精神を持っていてとてもあたたかい気持ちになりました。子どもたちはとてもまじめで、素直で、大人たちの手伝いを進んでしていて日本の子どもよりしっかりしていると思いました。わたしたちはここの人々に少しでもやる気を出すきっかけとなればいいと思っていましたが、日本で思っていたよりも勤勉で、まじめに仕事をしていたし、たくさんの家族に囲まれて幸せそうで、逆に学ばせてもらうことが多かったです。その日の夜、その家族の女性リーダーを集めて話を聞きました。このバランガイで収穫された農作物は売られておらず、自家消費をしていると言っていました。また、能佐合に機械を使っていないどころか、もともと牛耕農法をしていたけれどヨランダの影響で牛も買うことが出来ずすべて手作業で行っているとのことでした。ここの農業は発展しておらず、ヨランダによってさらに悪い状況にありました。

 

佐久間 崚平(神戸大学1回生)

 フィリピンで過ごした九日間は、自分の人生においてかけがいないピースの一つとなりました。普段の旅行では決して経験できないことをたくさん経験させてくれた方々に、感謝をしたいと思います。本当にありがとうございます。
 さて、私は、フィリピンに行くのが今回初めてでした。これまで、シンガポールに約2年半住んでいたり、世界10か国に旅行に行ったりしたことがあったのですが、大学生になりアイセックに入ってみるとこれまで世界に点在する社会問題といわれる問題を目撃したり、問題自体に向き合ったことがないことに気付きました。社会問題自体に向き合いたいというのと日頃の観光では見えない部分の現地の生活を見たいという気持ちで今回のフィールドワークには参加しました。
 最初の二日、三日は移動が多かったのですが、その移動の中でもさまざまなものを見ることができました。例えば、キリスト教のお祭りであったり、壮大なサトウキビ畑とトウモロコシ畑、放牧されている牛とヤギ、謎に多い野良犬は自分にとって新鮮なものばかりでした。あと、これは帰国して感じたのですが、道があまり舗装されていないのも今となってはおもしろかったなと思っています。
フィリピンから帰国後、アイセックの合宿で3時間くらいバスに乗っていたのですが、全然揺れない。快適でした。これは、日本が最高とか言っているつもりはなく、逆にフィリピンおもしろい!ってなっている状態です。
 こんな日本では当たり前というものが海外では当たり前ではないということに対して、私はかなり面白さを感じました。そのような「違い」というものを経験できたのが、マーケットと現地の生活体験です。
 マーケットは現地の人々が多く集まる場所であり、生活感があふれている場所だとすごく感じました。マーケットに売られているものは日本では見たことないようなものばかりでたとえそれが生肉でも全てがキラキラしているように見えました。マーケットに行くことは、観光で国を訪れてもできるので、今度からはどんな国に行ってもマーケットには絶対行くと決心しました。
 次に、現地の生活体験ですが、これも現地の人に密に関われる機会でしたし、自分が望んでいた現地の生活に関われる機会でもありました。そこでの生活は自給自足に近い極限の生活であるな、と僕は感じたのですが、現地の人々が笑って仕事をしていたり、笑顔で僕らと接しているのを見るとこの人たちの生活は本当に苦しいものなのかというのをとても感じました。また、いきなり来た僕らを温かく迎え入れてくれた人たちの顔は一生忘れることがないと思います。あのような温かい環境や人々がもっと日本にもたくさんあったらいいのに。フィリピンにはあって日本にはないことの一つだなと思います。
 これからの僕の活動は、このような「違い」に頻繁に出会うようにすること、さらにこの「違い」について知らない人にもっと伝播することをしていきたいと思っています。伝播することによって当事者意識というものが芽生えるのではないかなと思います。
 あと、絶対にフィリピンまた行きます。