No.50「若者が見た被災地18」

最終日、今回の地震で最も被害が大きかったハタイ県に向かいました。ガジアンテプから車で3時間。2時間程走らせると、多くのひびが入った建物や半壊しているビルを目にしました。ハタイの仮設住宅は、これまで行ったヌルダやアドゥヤマン、カフラマンマラシュの仮設住宅とは全然違い、まだ多くのテントが立ち並んでいました。ハタイの仮設住宅では、写真も視察も禁止され、物々しい雰囲気を感じました。したがって、ハタイの仮設住宅を視察することはできませんでしたが、ホテルのオーナーをしていると言う女性に街を案内してもらい、まさに「取り残された人々」を目の当たりにしました。
「取り残された人々」とは、何かしらの理由で支援が届きづらい人達です。それは物理的に距離が遠かったり見つけづらかったりと理由は様々です。今回の場合は、政治の問題が色濃く出ており、私は復旧復興に向けて、これ程までに政治が影響を及ぼしている例を始めて目にしました。これまで視察した地域の仮設住宅では、「政府は良くしてくれている」と言う声をよく耳にしました。しかし、ここハタイでは、みんなが口を揃えて「政府は何もしてくれない」と言うのです。このギャップに何をどう返していいのか分かりませんでした。また、「まだ、テントで暮らしている人は、いませんか?」と尋ねると他の地域の仮設住宅では、「みんな暑いから、テントは出て行った。まだ、テントで暮らしている人はいない」と答えるのですが、ハタイでは、今、目の前にテントで暮らしている人が100人近くいるのです。一体なぜ、このような差別が生まれるのか。同じ人間で、私から見たら何も変わりません。驚愕と疑問、憤怒、緊張、悲しみ、劣等感、無力感、罪悪感など様々な感情が交差しました。今この被災者の方たちに、例えば、食料が届かないから食料を届けても、テントで暮らしているから建物を支給しても、仕事がないから仕事を見つけても、すべて根本的な問題の解決につながらないことに圧倒的な無力感を感じます。どれも、その場しのぎです。このテント村で私がしたことは、連絡先を交換して、話を聴いただけです。ただ、それだけです。それでも、「Teşekkür ederim(ありがとう)」と言ってもらい、耳が痛くなりました。「ありがとう」という言葉で、辛くなることも初めて知りました。今の私には、少しでもこの現状をたくさんの人に知ってもらうために、こうして発信することしかできません。私には、何ができるだろうか。本当にここから考え続けなければならない危機感を感じました。
(山村)

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