5万9000人以上が犠牲になったトルコ・シリア地震から2年が経った。
最大の被災地、ハタイ県では震災の日の2月6日には70ほどのNGOたちが連携して、追悼の行進を行った。
CODEがこれまで連携してきたあるNGOは、フランスの財団から4億円の巨大建設プロジェクトを持ち掛けられ、5年の計画書や施設の設計図なども準備し、1年をかけて準備をしてきた。
だが、ある日突然、担当のSさんに「資金は送れない」と連絡がきたという。Sさんにはその理由がよくわからなかった。
その話をハタイのNGO事情に詳しい方にすると、「フランスは、彼らを信用できなかったんだよ。仕方ない。。。」と返ってきた。
そのプロジェクトを行おうとしたNGOは、被災者自身が作ったもので、共同生活しながら地道に地域や仲間のために物資の提供や水環境の整備を行ってきた。ノウハウや資金はなくても被災者自身でやれることをやりたいと活動を続けてきた。だが、海外の大きな国際支援が突然訪れて、巨額な資金を提示してきた事でその話に乗ってしまった。
Sさんは、「最初は小さな規模でやるつもりだったが、フランスが大きなお金を出すと言ったから・・・」と下を向く。
Sさんは続けて「やっぱりCODEが言ったように小さな事から始めればよかった。後悔している」「これからはCODEが送ってくれた資金で小さな事から始めるよ」と語った。もっと身の丈に合ったやり方でやる事を約束してSさんと別れた。
アンタキヤで被災した女性Cさんは、地震後のNGOの状況をこう語る。
「資金だけもらって何もしないローカルNGOもあったし、ローカルNGOの活動実績を自分がやったかのように宣伝する国際NGOもあったわ」と。
この状況を嘆いたCさんは、「こんな腐敗した団体と一緒にされたくないから、私は外に出て他の県で別の形で団体を立ち上げ、県外や農村に避難した人たちのサポートを行うようにしたのよ」と教えてくれた。
また、昨年お会いしたアンタキアのNGOの代表が「大きな国際支援の団体は人を数字としか見ていない。地元の事は自分たちローカルNGOが一番知っているのに、信用していない」とつぶやいた事を思い出した。
地震後、ハタイ県の被災地にはたくさんの国際支援が入った。もちろん海外の団体とうまく関係を築き、いいプロジェクトを行っているローカルNGOもある事を忘れてはいけない。だが、他方で安易に大きな資金に飛びつき、振り回されたローカルNGOもある。何よりも、そういう状況を生み出した国際支援側の責任も重い事を忘れてはならない。
(吉椿)