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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.25
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「40日の喪の期間が過ぎ・・・」
フィリピン台風Haiyanによる被害は、19日時点で死者6092人、行方不明者1779人であるとフィリピン国家災害対策本部は発表している。
フィリピンには、ハロハロ(タガログ語でごちゃ混ぜ)という言葉があるという。スペインに400年間、アメリカに50年間、日本に4年間支配されていた歴史から様々な文化、価値観が交じり合っている事がハロハロという言葉からも想像できる。中でも国民の93%がキリスト教徒で、そのうちの83%のカトリック(=スペイン)の人たちの間では40日間、喪に服す習慣があるという。最大の被災地となったレイテ島タクロバンでは、空港から中心部に向かう道は追悼のロウソクが1200個灯されているという。
40日間の喪の期間に合わせるかのように被災地では、少しずつではあるが、緊急状態から復旧、復興段階に移行しつつある。日本の緊急援助隊医療チームも「緊急医療はひと段落した。今後は復興支援が中心になる」と先週、撤退した。
フィリピン政府は、18日に復興計画を発表した。2017年までの4年間をかけ、国家予算の15%にあたる3610億ペソ(9025億円)を投じて、住宅再建やインフラ、産業、教育などの復興にあたるという。特に防災・減災に力を入れ、住宅の強度や安全な場所への移転などを行う。これからが本当の意味での復興への長い道のりが始まる。
CODEは、詳細な現地調査をもとに被災地の人々が「バヤニハン」(相互扶助の精神)を生かした住宅再建や漁業などの生業支援などを行う予定である。フィリピンの人たち自らが、復興の担い手になるよう少しでもエンパワーメントできればと思う。
「日記」カテゴリーアーカイブ
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.24
フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
引き続き関連情報をお伝えしてまいります。
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.24
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「生業の再開が復興への鍵」
フィリピンを襲った台風は各島々に大きな被害をもたらした。CODEスタッフが視察に訪れたセブ島北部とパナイ島の東海岸では農業や漁業が盛んだが、この主要な収入源も台風によって甚大な被害を受けた。(パナイ
島北東部の町コンセプションでは町の全就業者のうち78%が農業もしくは漁業関連の仕事を行っている)
農業は主にココナッツ・バナナ・コーン・さとうきび・ライスなどを栽培しているが、特にココナッツとバナナは大きな被害を受けている。ココナッツの木については、完全に元通りに戻るまで5年~7年の歳月が必要だと言われている。フィリピンは温かい気候のため年中お米を作ることが出来るが、パナイ島で農業を営むAlma Dinio(30代・女性)さんは「(お米の)収穫後に台風が来たから私は良かったが、収穫前に来てしまった農家もあり、どのくらいの金額の被害を受けたかもわからない」と話してくれた。漁業従事者の多くは持っていた船が全壊もしくは一部損壊してしまい、漁に出られない状態だという。パナイ島最大の港町で働くLeona Navarro(30代・女性)さんは「船を失くしてしまった人は漁師に代わる仕事がなく収入が無い」と話す。
今回の台風はもともと貧困の問題を抱えている地域により深刻な問題をもたらしている。収入が少なくなる、あるいはまったくなくなってしまう事によって、安価な住宅での生活を余儀なくされ、高潮被害を多く受けた地域や土砂災害の危険がある地域に住まざるを得ない状況だ。主要な産業である農業や漁業が大きな被害を受けていることは、その周辺の小規模な露天商など地域の経済にも大きく影響を及ぼしている。地域の復興を長い目で考えれば、生業(なりわい)の再建が必要になるだろう。
(頼政良太)
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.23
フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
引き続き関連情報をお伝えしてまいります。
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.23
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「台風Haiyan災害から1か月」
8日で台風Haiyan災害から1か月が過ぎた。甚大な被害を受けたレイテ島タクロバン市では、強風により屋根の吹き飛んだ教会でしめやかにミサが行われ、哀悼の祈りがささげられた。国民の93%がキリスト教徒(うち
83%がカトリック)ならではの風景である。
フィリピン国家災害対策本部による6日の発表では、死者は5786人、行方不明1779人であるという。また、UNOCHA(国連人道問題調整事務所)の報告では、現在、385か所の避難所に94310人が暮らしており、未だ300万人が食糧を必要としていて、山間部や小さな島々に届く物資はわずかであると言っている。セブやパナイの被災地を調査したスタッフも「バランガイの拠点まで物資が来ても、山間部の被災者たちは、それを取りにいく車もガソリンもない」と同様の報告している。また、WHO(世界保健機関)の報告では、子どもたちの深刻な栄養失調による危険性も指摘している。
タクロバンでは、キャッシュ・フォー・ワーク(※)で働く被災者によってガレキ撤去がだいぶ進み、路上で露天商を営む人たちの姿が現れ、落ち着きを取り戻し始めている。だが、多くの被災者は援助機関によって配られたトタンと木材を使った簡素な掘立小屋で暮らしている。
1か月を経て、今後、復旧から復興に向けた支援が求められるが、子どもたちなどの要援護者にとっては緊急状態が依然続いている。
(吉椿雅道)
※キャッシュ・フォー・ワーク(Cash for Work)…被災地等において、復旧・復興事業に被災者を雇用して賃金を支払うことで、その生活や地域経済の復興を支援すること。
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.22
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.22
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「フィリピン台風災害 被災地派遣報告会」開催!!!
フィリピン台風災害被災地派遣報告会(主催:CODE)が、昨日12月3日(火)にこうべまちづくり会館(神戸市)で開催されました。神戸市内だけでなく、関西圏や東京や在日フィリピン人の方々など61名の方々にお越しいただきました。今回のフィリピン台風災害に多くの方々が心を痛め、関心を抱いておられるという事を強く感じる機会となりました。
セブ島やパナイ島を訪れたスタッフの報告では、現地の人たちが「バヤニハン」という相互扶助の精神で互いに支え合いながら過酷な状況を乗り越えている様子や被災地では家屋再建の材料である竹が高騰していることや農漁業の再建の見通しが立たないことなどが報告されました。フィリピンの農漁村に長く横たわる貧困の問題も復興の遅れにつながっているという大きな課題も見えてきました。
今後、CODEとしては今回のスタッフの現地調査をもとに被災者の声や被災地のニーズを大切にした家屋の再建や農漁業の生業支援などの復興支援プロジェクトを考えていきたいと思います。皆様からお預かりしている寄付金を最大限に生かせるよう努力していきたいと思います。プロジェクトが決まり次第、ご報告をさせていただきたいと思います。
この報告会では、スタッフの現地報告に加え、ご協力いただいている団体の方々を紹介させて頂きましたが、この報告会に来られなかった個人・団体の方で寄付を頂いた皆様や翻訳などでCODEの活動を陰で支えていただいているボランティアの方々にも改めてお礼を申し上げます。ありがとうございます。
フィリピンの全人口の14%が被災するという大災害を受けた被災地の復興にはまだまだ時間も資金も必要となります。今後とも引き続きご支援、ご協力のほどよろしくお願い致します。
(CODE海外災害援助市民センター事務局長 吉椿雅道)
▲報告会のようす
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.21
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「貧困と災害」
フィリピン中部の島々で猛威を振るった台風Haiyan。28日のフィリピン国家災害対策本部の発表では、死者5560人、行方不明1757人に上っている。年に20ほどの台風が来襲するフィリピンでも、これほどの犠牲者を出したことは少ない。1991年にレイテ島オルモック市を襲った台風に伴う記録的な豪雨が洪水を発生させ、約8000人(正確な数字は不明。5000~6000とも言われる)が命を落とした。だが、この時の台風は決して今回のような大型のものではなく、洪水によって川の中州に住む貧困層の住民が多数亡くなった。これだけの大災害を引き起こした要因は、少数の大資本家によるココナッツやサトウキビなどプランテーション農園のために丘陵地帯の森林を伐採したことによると当時のフィリピンのメディアが報じている。
今回、スタッフが訪れたセブ島北部の被災地は高級リゾート地もある一方で、貧しい人たちも多く暮らしているという。貧しい人たちが竹や木で自ら作った簡素な家屋は、この台風で跡形もなく吹き飛ばされている。また、そのような人たちの営む農業も収穫前で大きな被害を受けている。仕事を求めてセブの中心部へと出稼ぎに行く交通費さえも捻出できない人もいる。被害の甚大なレイテ島は貧困層が多い地域でで、バランガイ(地区、最小の行政単位)に届いた物資を取りにいく交通費や燃料さえもない被災者も少なくないという報道もある。また、レイテ島では多くの被災者がセブやマニラへと避難しているが、今もレイテ島に残っているのは、それさえできない貧しい人たちである。悲しいことに災害はいつも貧しい人たちを苦しめる。
近年、アジアでも経済成長が著しいフィリピンでは、富が極端に偏り、国民の1割にあたる1000万人以上が仕事を求め、海外に出稼ぎに出ており、人口の4割(約4000万人)が未だ1日2ドル以下で生活している。
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.19 (EN follows)
(English follows)フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
引き続き現地の情報をお伝えします。
☆12月3日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越し下さい。
→http://philippines2013typ.seesaa.net/article/380863022.html
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.19
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「フィリピンのボランティアたち」
Women’s Refugee Commission(WRC)という団体の記事をCODEのボランティアさんが翻訳してくれた。その記事によると、この台風Haiyan後にマニラ空港で食糧を輸送するボランティアを夜通し行っている学生たちが、「悲しい思いが動機となって、助けたいという衝動に駆られて・・・」と語ったという。また、WRCは、「災害や緊急時は、若者たちが新しいスキルを学び、人間として成長する機会を与えてくれる」、「フィリピンで湧きあがった若者の自発的な新しい取り組みを無視しないでほしいと願っている」と語っている。
※翻訳文はCODE World Voiceに掲載
http://codeworldvoice.seesaa.net/article/381195098.html
世界で大規模災害が起きるたびに市民による支援が湧き起こってくるが、フィリピンでもNGOなどの組織を通じたボランティアだけでなく、若者自身がグループを組織したり、個人でボランティアに駆け付けるという動きも起きている。
CODE発足のきっかけになった阪神淡路大震災(1995)でも、中国四川大地震(2008)、ハイチ大地震(2010)、東日本大震災(2011)でも、大きな組織とは別に、被災地に駆け付けたボランティアたちの自由な発想と動きが展開されてきた。
CODEのスタッフも、セブシティーのテレビ局前に集まり、物資の仕分けを行う若いボランティアたちを見て、「登録、管理された感じはなく、自由なボランタリーな感じだった」と語っている。 このようなボランタリーな動きは、フィリピンの相互扶助の精神「バヤニハン」が大きく影響しているのだろう。フィリピンのある研究者によると「何世紀にもわたる災害の経験がフィリピン人の行動様式を規定し、それらの経験が助け合いやボランティアの精神をあらわすバヤニハンの意識を醸成した」と論じている。外部の支援者は、フィリピンの人たちの自発的でボランタリーな動きを十分に生かすことが求められる。
(吉椿雅道)
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Volunteers in Philippines
Volunteers for CODE translated an English article by a group called the Women`s Refugee Commission (WRC) for us into Japanese. According to this article, students who had stayed up all night to send provisions at Manilla Airport after Typhoon Haiyan said they had been “motivated by a sense of sadness and an urge to help.” WRC noted that “[d]isasters and emergencies can provide young people with an opportunity to learn new skills and for personal development,” and concluded that “We hope… the spontaneous youth initiatives that have sprung up in the Philippines following Typhoon Haiyan [will not be ignored].”
※You can see the Japanese translation at CODE World Voice:
http://codeworldvoice.seesaa.net/article/381195098.html
※The original article in English is available here:
http://reliefweb.int/report/philippines/engage-youth-emergency-response-typhoon-haiyan
Every time a large scale natural disaster occurs, support from local citizens wells up, and the Philippines is no exception. In the Philippines, people are volunteering not only through organizations such as NGOS, but young people themselves are forming groups and rushing in to volunteer as individuals.
In the Great Hanshin (Kobe) earthquake of 1995, which brought about the establishment of CODE, the 2008 Sichuan earthquake, the 2010 Haiti earthquake, and the Tohoku earthquake and tsunami in 2011, volunteers who came to disaster areas brought their own free thinking and their own movements, separate from large organizations.
Staff members of CODE also reported after watching the young volunteers they saw gathered in front of a TV station in Cebu City to sort relief goods that “it didn`t feel like volunteer registration was being supervised so much as being a free, voluntary activity.” The spirit of mutual aid in the Philippines, “bayanihan” may be having a big effect on this kind of voluntary movement. According to Greg Bankoff, professor and author of “Cultures of Disaster,” experiencing disasters over generations has affected the behavioral patterns of Filipinos, and these experiences have brought about the “bayanihan” sense of mutual aid and volunteer involvement. Relief workers from the outside must sufficiently take advantage of these kinds of spontaneous, voluntary actions by Filipinos.
(Masamichi Yoshitsubaki)
Translation: A.T
Article in Japanese http://philippines2013typ.seesaa.net/article/381382596.html
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.16 (EN follows)
(English follows)
フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
頼政・上野の二人は昨日無事に帰国しました。引き続き、二人が現地で見たこと、聞いたことを中心に、レポートを発信させていただきます。
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.16
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「フィリピン政府が被災地でマングローブの植林を検討」
フィリピン中部の島々を襲った台風Haiyanによる被害は、フィリピン国家災害対策本部によると、25日時点で死者5235人、行方不明1613人という。報道は少なくなっていく反面、被害の甚大さが徐々に明確になってきた。
本ニュースNo.12でも紹介したが、マングローブが被災地で高潮から住民の命を守ったという話がある。マニラ新聞記者、大矢さんからの情報によると、フィリピンの環境天然資源省がレイテ島やサマール島の被災地でマングローブを防災林として植林整備を検討すると発表したという。被害の甚大だったレイテ島のタクロバン市やドゥラグ町とサマール島のパセイ沿岸部380㎞にマングローブの植林を検討しており、アキノ大統領も「悲劇を繰り返さないような災害に耐えられる町づくりを検討する」という。(マニラ新聞11月21日)
2008年にミャンマーを襲ったサイクロン・ナルギスの際も高潮によって約13万8000人が亡くなった。その後の復興の過程でJICA(国際協力機構)は、ミャンマー森林局と協力し、マングローブの被覆率や村落の死亡率、高潮の高さなどの関連性を調査した。それにより、植生によって死亡率が異なる事が確認され、それに基づいたハザードマップが作成された。JICAは「マングローブがないところは死亡率が高く危ない、マングローブがあるところは死亡率が比較的低く、より安全」だとマップを使って住民に説明し、地域の防災力の強化をはかっているという。
帰国したスタッフの撮った写真を見ているとパナイ島コンセプシオンでも多少のマングローブが見受けられるが、伐採のせいなのか、それほど密集していないようだった。
今後、政府の計画でマングローブが植林されるにしても、住民自身がしっかりと理解をし、自らの手で行うことが望まれる。
(吉椿雅道)
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Philippines Government Considering Planting Mangroves in Disaster Areas
According to the NDRRMC, the damage from Taiphoon Haiyan, which hit many islands in central Philippines, has resulted in 5,235 dead and 1,613 missing as of November 25th. While coverage of this disaster begins to fade from the news, the severity of the damage is becoming gradually more and more clear.
As we wrote in our previous news report, there were reports of mangroves protecting the lives of residents from the storm surge in disaster areas. According to information from Mr. Oya, a journalist from the Daily Manila Shinbun, the Philippines Department of Environment and Natural Resources has announced that it is considering planting and maintaining mangroves in Leyte Island and Samar Island as a forest barrier. The mangrove planting being considered would be in Tacloban and Dulag of Leyte Island, which suffered severe damage, and in 380 kilometers of coastline near Pasay, Samar Island. President Aquino also noted that in order to prevent another tragedy, the government would work to make a community that can withstand disasters. (Daily Manilla Shinbun, November 21st)
Cyclone Nargis, which hit Myanmar in 2008, also caused a storm surge which resulted the death of 13,800 people. During the recovery process, JICA (Japan International Cooperation Agency) in cooperation with the Myanmar Ministry of Forestry, conducted a survey investigating the relationship between factors such as the storm surge height, mangrove forest area, and death rate in villages. The survey confirmed that forest area had an effect on death rate, and a hazard map was created based on these findings. JICA is using this map as a tool to strengthen local disaster preparedness, explaining to residents that places without mangroves are dangerous and had a high death rate, while places with mangroves had a relatively low death rate and are comparatively safe.
Looking at photographs taken by our staff members who have returned from the Philippines, we can see there are some mangroves in Concepcion, Panay Island, but perhaps because of deforestation, they don’t seem to be very densely distributed.
As always, we hope that in the government`s plans to plant mangroves, residents themselves will understand this plan and carry it out themselves.
Translation: A.T
Article in Japanese http://philippines2013typ.seesaa.net/article/381120678.html
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.15
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.15
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昨日23日は、引き続きばらバランガイArcabolo地区の調査に入りました。
ここでも、今回の台風は今までの中でも最も大きかったという証言を耳にしています。
でも午前8時には避難勧告が出ていて、そのときはまだ雨風が弱かったため避難しなかったという話を聞きました。おそらくそのため、被害を受けた方もおられるのだろうと思われます。この場合の避難勧告は、日本で言う「非難準備情報」と理解でき、むしろ”空振り”でもどんどん早めの非難を促すことが大事ではないかと思います。今年は、日本でも台風被害が多かったが、やはり避難準備情報が的確に出せなかったことも被害を大きくした要因のひとつではないかと思われます。そういう意味では、今後日本・フィリピンが同じスタートラインに立って、減災のための情報共有や研修などを行うことが効果的ではないかと思います。
昨日災害保険について、公務員に関わる部分だけをレポートしましたが、もう少し詳細が判りましたので報告します。
この保険は民間保険会社が運営しています(Douganonの子会社であるMercantileが運営)。上限は3000~4000ペソ。保険に入れる条件は4人で連帯保証することだそうです。
いかにもアジアらしい、コミュニティの相互扶助を背景にしている仕組みだと感じます。貧困層に関しては、こうした工夫が必要かもしれません。(こうした仕組みは必ずしもすべて上手くいかないという事例もありますが・・・)
またイロイロ市では、障害者も積極的に参加した避難訓練もあったそうです。このことについては、帰国してからの報告になりますが、楽しみにしていて下さい。
ちなみに、二人は今晩フィリピン航空408便で帰国します(関空着19:20の予定)。
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.14
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.14
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「被災地では、「バヤニハン」で、早くも自立の動きが・・・」
二人は、これまでもお世話になっているLOOBのスタッフと共にパナイ島北部のKalibo市のバランガイ・ポロクサイ地区に入っています。
同地区は、107家族300人が住んでおり、台風30号襲来時には避難勧告が出ており、女性や子どもは学校やバランガイホールなどの避難所に避難し、男性は家を守るために残っていたそうです(そのために亡くなった方も多い)。食料はある程度確保できた被災者も見受けられ、むしろ住居再建の建築資材を求める声が増えています。この地域の住居はほとんど”バンブーハウス”で、中間所得層は腰の辺りまではコンクリート仕様で、上は竹を使っています。その竹も柱になる部分は、丈夫ものを使い、壁の部分は若い竹を使うという工夫が見られます。しかし、貧しい家庭は全て竹のバンブーハウスのようです。
まだまだ緊急時の状況から変わっていないのですが、家の再建にとりかかる被災者も少なくありません。バンブーハウスといえば、インドネシアや中国の被災地でも注目すべき住居がありましたが、フィリピンでもそれらの事例から学ぶことができれば、安価で、地域の資源を活用し、結構災害に強いバンブーハウスが可能かも知れません。
またこれまでも紹介したフィリピンの助け合いの文化といえる「バヤニハン」が、再建の過程で活きているようです。
注目すべきは、この地域では、子どもたちは学校で防災教育も受けており、また大人は災害時の避難方法は理解しており、今回も食料・薬・ラジオ・ライトなどを持って避難した住民が多かったとのことです。
またバランガイのクラッシ地区は8078人が住む猟師町で、台風30号で2700家屋のうち600家屋が損壊。漁のためのボートはすべてが流され、海に沈んでいるボートを引き上げ、ダメージの少ないボートで漁を再開すると力強く応えてくれた漁師さんもいます。また、ボートを失った漁師は、セブやイロイロに出稼ぎに行き、マニラ近海の漁に参加するケースも少なくない。
Roxas市に住む高校教師Gさんによると、災害時に適用される公務員専用の災害保険のしくみがあり、平時は給料から天引きで保険料を支払っているとのこと。しかし、こうした保険制度が貧困層まで行き届いているかどうかは確認できていません。
二人は今日24日帰国します。12月3日に開催する報告会を楽しみにして下さい。
■■フィリピン台風被災地支援活動 派遣スタッフ報告会のご案内■■
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■■フィリピン台風被災地支援活動 派遣スタッフ報告会のご案内■■
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当団体は、フィリピン台風「Haiyan」の復興支援活動に向けた調査のため、11月15日から24日までの日程でスタッフを被災地に派遣しております。活動立ち上げ直後より、既に多くの方々に様々な面からご支援いただきましたことを心よりお礼申し上げます。
スタッフの帰国後、被災地の状況や今後の支援の方向性について皆さまに報告させていただく機会を設けました。師走のお忙しいなかとは存じますが、ぜひご参加いただき、引き続き応援いただけますと幸いです。
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【日 時】 12月3日(火) 18:00~20:00
【場 所】 こうべまちづくり会館 2階ホール
地下鉄海岸線「みなと元町駅」西1出口から北へ1分
神戸高速 「花隈駅」東口から南へ3分
「西元町」東口から東へ5分
JR・阪神 「元町駅」西口から西へ8分
※地図 http://www.kobe-sumai-machi.or.jp/matisen/4kuukan/kaikan.htm#access
【報告者】 頼政良太、上野智彦(CODEスタッフ)
「ワカモノヂカラプロジェクト」、
「神戸市外国語大学ボランティアコーナー」
※CODEが連携・協力させていただいている上記2団体からも
それぞれの活動について簡単にご報告いただきます。
【参加費】 無料
【お申込】 当日参加も可能ですが、CODE事務局宛に
メール(info@code-jp.org)または電話(078-578-7744)で
なるべく事前にお申し込みをお願い致します。