【フィリピン台風30号】救援ニュース No.24

フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
引き続き関連情報をお伝えしてまいります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.24
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「生業の再開が復興への鍵」
フィリピンを襲った台風は各島々に大きな被害をもたらした。CODEスタッフが視察に訪れたセブ島北部とパナイ島の東海岸では農業や漁業が盛んだが、この主要な収入源も台風によって甚大な被害を受けた。(パナイ
島北東部の町コンセプションでは町の全就業者のうち78%が農業もしくは漁業関連の仕事を行っている)
農業は主にココナッツ・バナナ・コーン・さとうきび・ライスなどを栽培しているが、特にココナッツとバナナは大きな被害を受けている。ココナッツの木については、完全に元通りに戻るまで5年~7年の歳月が必要だと言われている。フィリピンは温かい気候のため年中お米を作ることが出来るが、パナイ島で農業を営むAlma Dinio(30代・女性)さんは「(お米の)収穫後に台風が来たから私は良かったが、収穫前に来てしまった農家もあり、どのくらいの金額の被害を受けたかもわからない」と話してくれた。漁業従事者の多くは持っていた船が全壊もしくは一部損壊してしまい、漁に出られない状態だという。パナイ島最大の港町で働くLeona Navarro(30代・女性)さんは「船を失くしてしまった人は漁師に代わる仕事がなく収入が無い」と話す。
今回の台風はもともと貧困の問題を抱えている地域により深刻な問題をもたらしている。収入が少なくなる、あるいはまったくなくなってしまう事によって、安価な住宅での生活を余儀なくされ、高潮被害を多く受けた地域や土砂災害の危険がある地域に住まざるを得ない状況だ。主要な産業である農業や漁業が大きな被害を受けていることは、その周辺の小規模な露天商など地域の経済にも大きく影響を及ぼしている。地域の復興を長い目で考えれば、生業(なりわい)の再建が必要になるだろう。
(頼政良太)