救援ニュース」カテゴリーアーカイブ

中国四川省地震救援ニュース 76

災害発生から約2ヶ月という早い時期に、経済的自立と女性の就業支援というソフト面に目を向けた活動が開始されています。これからの復興支援活動に与える影響を考えると注目です。
以下、CODE翻訳ボランティアさんによる情報です。
≪アバ州:女性の就業支援に「羌繍支援計画」開始≫
 7月24日、アバ・チベット族チャン族自治州の人民政府などが主催する「羌繍支援計画」が成都で始まった。この計画は一面で被災したチャン族の女性に収入源を提供するほか、国家級の文化遺産である「羌繍」を保護する目的もある。
 
 「羌繍試験計画」はその公益的な性格から、政府が後押しし、企業と同じ水準で運営をする。「支援センター+支援駅+支援点+個人」の方式を採用し、被災地で人員募集と羌繍の訓練を行い、総本部である成都の支援センターで統括と販売を行う。収入は労働に対する報酬やチャン族文化保護に利用される。
 計画では、今年の末までに初歩の生産、管理、販売体制を確立し、6000人の就業問題を解決する。2010年末までには、3万人の就業を実現し、羌繍文化産業集団を基本的に形成し、被災地の復興再建に寄与する。
 アバ州チャン族女性就業支援センターの顔俊輝主席によると、この計画は発表されてすでに1か月が経過しているが注文はパラパラとしか来ていない。現在6つの企業が支援センターと契約に向けて協議中で、投資額は数百万元が見込まれる。
 支援センターは「淘宝網」上にネットショップを開設し、関心のある人が選びやすいようにしている。
 また顔主席によると、この計画は羌繍を通して自力更生をしたいと願っているすべての女性に開かれているとのことだ。
 チャン族の刺繍は、その構図、配色、方法すべてに特色をもつ。羌繍の色彩は豊富で図案は古朴精美、花と雲の模様が常に使用されている素材である。靴に雲の模様が刺繍されている「雲雲靴」はチャン族の「雲の上の民族」としての代表的なものだ。
(7月24日 新華網)
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中国四川省地震救援ニュース 75

中国の学校は9月が新学期。6月が年度末です。学校の夏は受験と夏休みの大イベントの季節です。被災地では、安全で空調のある仮設の試験場を確保するため、大学受験の時期が延期され、7月3日から5日に無事おこなわれました。
以下、CODE翻訳ボランティアさんによる記事です。
「広東共産党青年団、四川地震被災地へ赴き「二つの再建」を推進」
広東の2名の幹部職員は4日、ぶん川映秀鎮に入った。広東青年社会団体の関連責任者も学生を募集し、希望小学校の再建やボランティアの派遣などの援助計画を四川に赴き関連部門と話しあうことになっている。
 共産党青年団広東省委員会の陳東副書記は、災害後は物質的な建物の再建(実際の家)だけでなく、精神的な面での再建(心の家)も必要であると話す。広東団の組織は支援項目を早急に確定し、災害後の「二つの再建」の実施を進めていく。
先日、広東は四川災害地区に派遣するため4名の幹部職員を選出した。その中で25歳の劉揚さんはぶん川に派遣される二人のうちの一人である。「私たちはまず最初に映秀鎮に入り、当地の委員会と協力しなるべく早く青少年団を組織し、彼らに対し、災害後の精神的なケアスタッフの中核となるよう、精神的な配慮や心理面の援助、衛生防疫、社会管理などの訓練をしていきます」と劉揚さんは語る。
目下、四川災害地区の学生は現在大学受験期間中である。北京科学技術大学天津学院、党委員会の王書記は学生の募集計画のことで被災地に入り、100名の品行方正で優秀な学生を募集。王書記の話によれば、この100名の学生は大学4年間の学費と住居費が免除になり、また一月一人当たり500元の生活費が彼らの大学学業が順調に進むよう援助される。
広東省青年科学家協会王河副会長も広東建築設計界の寄付による希望小学校の計画を持つ。王河副会長は言う。広東建築設計界はすでに災害地区のために500万元以上の募金をした。目下、建設の計画を行っており、環境設計、危機管理などの方面の入札を募集し、災害地区の子供たちのために耐震能力を備え、また広東設計水準の学校が実現することを希望している。
被災地でのボランティア協力の需要に対して、中山大学委員会黄山書記はボランティア派遣のプロジェクトを提供した。現在、中山大学は学校の四川出身の学生に対して心理的な援助、寄り添うこと、組織管理などの方面の訓練を行っている。
訓練終了後、これらの学生は夏休みの時間を利用し故郷に帰り、災害後の再建の仕事を支えることになる。
陳東副書記は語る。四川出身のボランティアは言語や心理的な方面で優位である。今まさに夏休みの期間であるので、広東の各大学委員会と青年団は四川出身の学生達のボランティアの帰郷を手配している。彼らが支持を得られ、被災地の同胞を励まし一緒に難関を乗り越え、災害地区の物質的な面(実際の家)と精神的な面(心の家)の再建の力となることを望んでいる。
新華網 2008年7月5日 18:14

中国四川省地震救援ニュース 74

CODE翻訳ボランティアさんの情報をお届けします。
≪四川省:被災地の企業に就業することを奨励≫
 7月11日、四川省は就業対策として、近日出す予定の「四川省人民政府ぶん川地震復興再建政策措置を支持することに関する意見」のなかで、被災地の企業にひとり就業するごとに毎年4800元の営業税を免税とすることを定めた。
 また、以下の政策を明記する。
 被災地の都市部の失業者と生産資源を失った農村労働者を対象に、各家庭で少なくとも一人を優先して就業させることを保証する。積極的に公共の仕事をつくり就業困難な人を就業させる。労働者が復興再建活動に優先して従事できるようにする。出稼ぎ労働者については就業に関する手続き等のサービスはすべて無料とする。学校を卒業する学生の就業を激励する。
 (7月11日 新華網)
また、阪神・淡路大震災以来の友人から、知り合いの中国人歌手がチャリティコンサートを開くので広報して欲しいと依頼されました。間近の案内で恐縮ですが、以下にご案内します。
「四川大地震被災者支援チャリティコンサート~祈り~」
日時:2008年7月29日(火) 18:30開演(18:00開場)
場所:兵庫県民小劇場
料金:2,000円
出演:ユウ燕(中国)、室田純子、藤井レイ子、拵井加代子、池田よしひろ、吉田幸生(ピアノ)
主催:日本華僑華人文学芸術家連合会/NPO法人 中国文化センター
後援:中華人民共和国駐日大使館、兵庫県芸術文化協会、神戸華僑総会、神戸新聞社、日中友好協会、日中経済協会
問い合わせ:チャリティコンサート事務局(高垣) TEL078-842-0905

中国四川省地震救援ニュース 73

いつの間にか梅雨も明けて暑い毎日が続きますが、中国・四川も猛暑のようです。そんな中で、成都のゲストハウスを拠点に農村部に通うボランティアさんの間に風邪が蔓延していて、Yさんもダウン気味のようです。
少し前に来たYさんレポートをお届けします。
 あの未曽有の地震から二ヶ月になる。北川県の村にお手伝いに通い始めてから一ヶ月半ほどになる。他の村とは違ってすっかり瓦礫がなくなり、村の中にできた仮設住宅への入居も始まった。
 だが、入居予定の被災者の中には崩れた自宅の敷地内に木材やブロックを使った掘立の小屋を建て、そこを厨房にしようとしている。仮設内には調理できるスペースもなく、農具などを置く場所もない。農村では仮設住宅ができても、生活の中心はやはり元の自宅なのだ。今思えは、多くの村民が瓦礫の片付けの次にやったのは、空いたスペースや半壊の家を利用して厨房を作る事だった。やはり農村にはその土地に見合った暮らし方があるのだと思った。
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World Voiceに四川省で活動しているNGOの情報を
アップしているのでこちらもぜひご覧下さい↓
http://codeworldvoice.seesaa.net/

中国四川省地震救援ニュース 72

前回は恒久住宅再建の方針をご紹介しましたが、今回は仮設住宅についてです。以下はCODE翻訳ボランティアさんによるものです。
≪8月12日までに被災者の仮設住宅問題をすべて解決≫
 四川省が先日挙行した住宅建設に関するテレビ電話会議で、8月12日までに被災者の仮設の住宅問題を解決するとともに、一方で農村の恒久住宅建設に着手し、今年中に6つの重大被災市・州で60%、四川全省で70%が完成するよう述べた。
 四川省の蒋巨峰省長によると、農村では現在93.69万戸の被災人口がテントやビニールシートの簡易住居にすんでいる。多くの人が高温が原因で病気になっている。ほかに、20.76万戸の被災者が親戚や友人宅に身を寄せている。2千元の仮設住宅建設資金補助はまだいきわたらず、自分で仮設を建設する動きはまだ鈍い。都市部でのプレハブ住宅建設では、電気、水道、ガス、道路、ごみや汚水処理、避雷、防火安全施設などの建設が滞っている状態だ。
 現在救援活動は復興再建段階に入っており、住宅建設は重点任務である。このため、四川では十分に共産党幹部が力を発揮し、被災者が自分で仮設住宅を建てる積極性と主動性を引き出すことが必要だ。村単位で広汎な互助活動を展開し、施工部隊を適時に編成し、機械を使って土地をならすなどの活動を行うこと。1か月以内に、防震、防風、防寒、防火、防雷機能をもち、電気と水道の通った少なくとも2,3年使用に耐えうるような仮設住宅を建設すること。
(7月7日 人民日報)

中国四川省地震救援ニュース 71

速いスピードで復興計画が制定、実施されていますが、住宅再建の方針が出たようです。以下はCODE翻訳ボランティアさんによるものです。
≪四川省:2009年末までに農民は新しい住宅に入居≫
 4日午後開催された「四川省住宅建設活動電話会議」で、四川省は被災地の農村で恒久住宅をつくる作業に着手し、1年半の時間をかけて、ぶん川地震による倒壊や重大な被害を受けた農村の住宅の再建を完成させ、農民に2009年末までに新しい住宅に入居することを保証するとした。
 ぶん川地震により400万戸の家屋が倒壊または大きな被害をうけ、1000万人以上が帰る家を失った。災害発生後の各方面の努力で、現在被災者は仮設の住宅に入ることを実現した。都市と農村の住宅の修復再建は再建活動の主要な任務だ。
 
 四川省は「四川省5.12ぶん川地震震災後農村住宅再建活動方案」を制定し、4日の会議で、各被災地区に全面的に農村の恒久住宅の建設に入るよう求めた。
 四川省は倒壊したもしくは重大な被害を受け帰れなくなった農民の住宅再建に平均2万元(30万円)の補助を出すことを決定し、金額はその家庭の経済状況と人数に応じて分類し支給する。
 被災地区では早急に農村住宅再建計画を編成し、どこに建てるのかどんな設備が必要なのかを確定する必要がある。四川省は専門家を組織して、被災地の農村の住宅設計に力を入れ、安全で経済的な住宅モデルを複数提供し、無料で農民に選択してもらうことにする。
 (7月4日 新華網)

中国四川省地震救援ニュース 70

Yさんレポートをお届けします。
四川から日本に一時帰国をした翌日(6月14日)に岩手宮城内陸地震が起きた。そして2週間後(7月1日)、再び四川に戻った。夏本番のような暑さの中、被災地では相変わらず仮設住宅の建設が進んでいる。毎日瓦礫の片付けをお手伝いさせて頂いていた北川県の村に久しぶりに訪れた。仮設住宅はすでに出来上がっていたが、電気と水がまだ通っておらず入居はされていなかった。村を一回りした帰り道、この村で初めて瓦礫の片付けをさせて頂いたお宅の奥さんにばったり再会した。「あんた、久しぶりね。日本で地震があったって聞いてびっくりして、何度も電話したのよ!」とつながるはずもない僕の中国の携帯に電話してくれたそうだ。「今回お世話になったから私たちも助けに行こうと思ったのよ」と言ってくれた。四川の被災した農村の人々が日本に来ることなど夢のまた夢であるが、そう言ってくれた事がとてもうれしかった。その翌日、15歳の娘さんに会った時も同じことを言ってくれた。家族でそんな話をしていたんだと思うと涙が出そうになった。この家のお父さんは一か月前、瓦礫の片付けを手伝う僕らを見て「本当に勇気をもらったよ。ありがとう。」と言ってくれた人である。被災地では小さな出会いがあり、少しずつではあるが、確実に人と人がつながりつつある。。。
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中国四川省地震救援ニュース 69

被災地の企業も本業再会に向かって動き出し、すでに恢復宣言を出している地域もあります。
以下は、CODE翻訳ボランティアさんによるものです。
≪徳陽市街地:正常生産生活秩序を回復宣言≫
 四川省徳陽市は7月1日から全面的に徳陽市の市街地は正常な生産、生活秩序を回復したことを宣言した。
 四川省地震局の専門家チームが徳陽市の市街地で住宅の耐震評価を行った結果、応急評価が「使用可能」だった住宅の住民は、簡易テントを撤収し、元の住所に戻ること。また「使用禁止」だった住宅には入ってはならず規定に基づき仮設住宅の申請を行うこと。
 企業の事務所なども「使用可能」の応急評価だった建物では、元の建物で企業活動を再開することと規定した。
 市街地に放置されている人の住んでいない簡易テントは街道事務所や社区居民委員会がこれを撤去し、簡易テントが道路や緑化帯や河原や広場等を占拠しないようにすること。
 記者が1日に見たところ、徳陽市外地にはすでにテントは少なく、大部分の住民は自分の家に戻ったようである。
 (7月1日 新華網)

中国四川省地震救援ニュース 68

当初、8月10日までに「100万戸の仮設住宅を!」と発表し、できるのだろうか?と思いましたが、このレポートを見ると納得できるような気もします。
以下は、CODE翻訳ボランティアさんによるものです。
≪綿竹市:最大の仮設住宅が検収≫
 江蘇省の援助で建てられた徳陽市にある綿竹市の26100戸の仮設住宅が綿竹市の検収を受けた。今回の住宅地の面積は2400ムー(約160ha, ※15ムー=1ha)あまりを占め、被災地最大規模の仮設住宅となった。
 記者が綿竹市郊外で見たのは、白い壁に青い屋根のプレハブ住宅が整然と並んでいる姿で、壮観である。
 現場で施工を指揮していた江蘇省建築工程管理局長によると、江蘇省が援助して建てたこの仮設住宅は29の社区(自治会、コミュニティー)と学校7校と幼稚園、ひとつの病院と商業施設を持ち、67000人がここに住む計画である。江蘇省は八千人を派遣して建設を行った。
 綿竹市計画建設局幹部によると、この仮設住宅は工期が予定より1か月早く終了し、質も高く、「江蘇建築鉄軍」の本領を発揮したという。
 綿竹市では現在五十万人がテントに住んでおり、そのなかの二十万人が仮設住宅に入るとしている予定である。現地政府は38か所の地点に8月初めまでに仮設住宅建設を終える予定だ。
 (6月27日 新華網)
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中国四川省地震救援ニュース 67

中央政府は、本格的に、地方政府の復興支援に乗り出しているようです。以下は、CODE翻訳ボランティアさんによるもの要点の抜粋です。
≪国務院:ぶん川地震再建政策措置を支持することに関する意見≫
 6月30日、被災地区の積極的な生産自救、家の再建を支持し援助するため、また復興再建活動に社会各方面からの参与を引き出すことを奨励するため、また被災地で一日も早く正常な生産、生活を回復させるため、「国務院ぶん川地震再建政策措置を支持することに関する意見」を30日発布し実施した。政策措置への支持の範囲は震災後の復興生産と再建に関する各方面、都市と農村で倒壊した住宅の再建、公共施設と基礎施設の回復再建にわたる。
◎被災地区の企業が株式市場を通じて融資を得ることを支持
  法に定める条件のもとに、被災地の企業が株式の公開をすること、被災地の上場企業が再融資を受ける申請をすることを優先することとし、被災地での投資を促進する。
◎被災地の住民が住宅を購入するときの優遇措置
 被災地の住民が自分の住む住宅を購入する際、住宅ローンの利率を現行の基準利率の60%とする。
◎被災企業は2008年度の企業所得税を免除
◎各家庭ひとりは就業できるよう保証 ひとりも就業者がいない都市の家庭で、所定の労働年齢内にあり労働能力と就業を望む人が失業状態にある場合、かつ経営収入、投資収入がない場合、すくなくともひとりは就業できるよう優先的に就業援助する。
(6月30日 新華社)