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中国四川省地震救援ニュース 95

Yさんは先週末、8回目になる派遣のため四川に戻りました。CODEのプロジェクトである総合活動センター建設もいよいよ着工にかかり、年内に数ヶ所完成の予定です。
出発前にYさんレポートを預かりましたので、少しずつご紹介します。
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ブン川県城から一気に急な山の斜面を700m近く上りきったところに羅卜寨という村がある。標高約2000mの高地に人口928人(229戸)のチャン族の人々が暮らしている。
「中国チャン族第一村」と呼ばれ、ブン川県で最も古いチャン族の村と言われる。
この集落では地震で伝統の土壁の家屋が倒壊し、44名の尊い命が失われた。
遅ればせながら、この集落でも昨年の12月頃から住宅再建が始まった。集落の上の方の田畑として利用していた土地が再建用地となった。だが、標高2000mの寒さの為、セメントが固まりにくいという事で再建工事をストップせざるを得なくなった。
その後、工事は再開され、1周年の5月には新しい家屋が並んだ。
が、しかし再建された約200戸の家屋には人々の姿はあまり見られなかった。再建された家屋で小さな商店を営むおじさんに尋ねると「見てみろ、サビだ。」と天井の黒い斑点を指さした。雨水がしみ込んで鉄筋がさび始めた。外壁にはヒビも入っている。「センメントの質が悪いからこうなったんだ。」と語るおじさんは、細々と商売を営む為に入居をしたようだった。再建された家屋は、高地の気候風土を十分に理解して設計されたのであろうか?
再建された家にいざ入居しようという矢先の事で、住民は不満を隠し切れなかった。
標高2000mの山の斜面の暮らしを対口支援するは年中熱い南の広東省であった事にも原因があるのかも知れない。家は、その土地の暮らしを如実に表すものなのだろう。