四川大地震救援ニュースNo.146/四川大地震10周年レポートNo.9

2008年の四川大地震の支援プロジェクトとして2016年度から実施しているこの事業は、災害多発国である日本と中国で、新たな災害に備えた連携とNGOを担う若者の発掘をめざしたものです。

この事業で中国や日本の被災地を訪れた若者たちは15名にのぼり、今も未来基金などを通じてCODEにかかわってくれています。今年度は、神戸大学、関西学院大学、神戸女子大学、愛媛大学の学生など6名と10年目の四川の被災地を訪れました。

10年目の被災地での学びや出会い、現状を複数回に分けて報告いたします。


【四川研修を通して 成安有希】

今回で3度目の四川。
年少組だったはずが、気づけば社会人となり、まわりは年下のメンバーばかりになっていました。これまで全ての四川研修に参加していることもあり、自分がこれまで何を学び、何を伝えていけるのかがより問われている気がして、気が引き締まる思いで現地に向かいました。

現地での1週間を通して深く感じたのは、いかに“若いうちに”現場で学ぶことが重要か、ということです。

ここでのポイントは、“若いうちに”。

今回、参加メンバーのほとんどが大学1〜3回生と若く、同じ現場にいても彼らの感じ方がいかに素直で純粋かということをたくさんの場面で感じました。その純粋さがとてもうらやましく、その感覚を失いかけている自分に気がついて悔しくも思えました。

物事に対して素直で純粋にいられる“若いうちに”、現場で経験を積むこと。純粋にその現場から学ぶこと。若いうちに、現場で心を揺さぶられる「生きた」経験をすることがいかに重要かを、今回メンバーの姿から知りました。
映秀鎮にて

いま私は、学生を現場に連れて行く仕事をしています。

でも時々、その活動の意義がわからなくなってしまうことがあります。この活動が誰の、何のためになっているのか見えなくなることがあります。今回少しだけ仕事を離れ、参加者として現場を見ることで、若者が現場に行く意味を、深い部分で理解できたように思います。

これからは自分の「生きた」経験を伝えながら、若いうちに現場に出ていく人を増やしたい。それがこれからの自分にできることだと思うからです。

これまで3度参加させていただきましたが、苦しかったり、悔しかったり、挫折を繰り返すばかりで、果たして自分に何ができたのかはっきりとはわかっていません。でも、自分と向き合い、苦しみ、たくさんの挫折をしても逃げなかった「自分」がいる。そして、「また会いたいと思える人」がたくさんいる。それだけは確かなことだと言えます。

光明村にて

現場で出会い、自分が問われ、挫折し、でも向き合い続ける。そうやって「現場に育てられる」という、これまでCODEでさせていただいた経験を生かして、私は次の世代を育てられる人になっていきたいと思います。

吉椿さんやCODEの皆様含め、このような機会を与えてくださったすべての方々に感謝いたします。ありがとうございました。

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