【フィリピン台風30号】救援ニュース No.33

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.33
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 吉椿と上野の2名はネグロス島へ入りました。ネグロス島Manaplaという都市に到着し、知り合いからの紹介で連絡を取っていたTotoさんにお話を聞いています。
 通常、12月から1月までが雨季でまだ明けていないそうです。雨季は波風が激しいため漁が難しく、漁師は仕事ができない時期です。海岸では高潮の被害もあり、居住エリアのすぐ近くまで波が来ています。多くのバンブーハウスが強風によって被害を受けましたが、今は政府の支援によって修復・再建されているものもあります。ネグロス島には非常に多くのサトウキビ畑がありますが、被害は受けておらずサトウキビは台風に強いことが分かります。米は収穫前であったために被害を受けてしまいました。通常、米は年に3回、サトウキビは年に1回の収穫が出来ますが、Manaplaでは、あまり米は作られていないそうです。
 Manaplaのバランガイ・プンタサロンでは、人口4000人ほどでほとんどが漁師の仕事をしています。漁師たちは遠くの海に行く場合、3日間ほどかけて出ていくそうです。この地域では、幸いにも台風によって壊れたボートはないということでした。ただ、元々船を持っていない人が多く、オーナーから船を借りている人が多いそうです。レンタル料は収穫の中から高価なエビなどをオーナーに渡すことで支払になるので、収穫によってはオーナーの取り分が少ない場合やゼロになる場合もあります。
 今は、家の再建を進めるためにどうするかということで悩んでいます。雨季で漁に出る機会が少ないため金銭的に厳しい状況です。また、ボートを所有していれば毎日漁に出ることもできるしオーナーに収穫を渡さなくても良いので、ボートが必要だとおっしゃっていました。魚が獲れない→収入が無い→家を再建できない、という循環に陥っています。もともと貧困の問題を抱えており、ぎりぎりのラインで生活していた人たちのバランスが台風によって壊され、なかなか立ち直ることが出来なくなっているのが現状です。(頼政良太)