【フィリピン台風30号】救援ニュース No.32

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.32
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 吉椿と上野は引き続き、セブ島の被災地を視察している。この日はセブ島北部のBOGOやSAN REMIGIOに向かいました。
 バランガイPolambatoは1000世帯、1800人(18歳以上)が住んでいて、バランガイは7つの地区(Sitio)に分かれています。この地区にもタクロバンほどではありませんが、高潮の被害がありました。高潮による人的被害はなかったのですが、ボートなどは守れず生活手段を失ってしまったそうです。また、ボートだけでなくフィッシュゲージと呼ばれる魚を捕まえる網が壊れてしまい、中にいた魚が逃げてしまったそうです。この地区では17人がボートや漁網を失い、66人のボートが損壊しています。
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▲バンタヤン島の漁村のボート
 フィリピンの地方では、女性や子どもが教育を受ける機会が少なく、DVや虐待などの問題も多いと言われています。彼ら彼女らがより高収入の仕事に就く機会が奪われている状態です。ABAG!のNGOはそのような女性や子供が、権利について学ぶ機会などを提供しています。
 SAN REMIGIOのバランガイ・ミーヤンは人口約1700人(子どもを含めると約3700人)で6つのSitioに別れています。漁師のほかにはココナッツを運ぶなどの仕事やトウモロコシを作っている農家の方もいます。女性はパンダンという植物の葉を使ったゴザを創る仕事をしていますが、台風後は付近のパンダンが被害を受けてなくなってしまい、購入しなければならなくなったため、ほとんどただ同然で利益が上がらない状態です。この地域では、ABAG!のNGOによって女性のグループが立ち上げられています。
 SAN REMIGIOのもう一つのバランガイ・Victoriaでは、漁が出来ないため建設現場でセメントを運ぶ仕事をして何とか生活している方もいます。女性の仕事は魚を売ることや子どもの世話など。漁師の仕事は1日100~200ペソだが、台風以降は漁に出られないために収入がなくなってしまったそうです。
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▲バンタヤン島近海の漁の様子
 マニラのロータリークラブがマングローブの植林を行っており、今回の台風でもこのエリアは大きなマングローブの木が家を守ったと言われています。
 吉椿と上野の2名は5日からネグロス島へ移動し、活動をしています。そちらの様子も今後お届けしていこうと思います。(頼政良太)