【フィリピン台風30号】救援ニュース No.31

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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.31
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 吉椿と上野はセブ島の北に浮かぶバンタヤン島の被災地に入りました。
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▲バランガイPOOCの漁師たちと
 バランガイPOOCには729世帯が暮らし、その中にあるサンタロサ地区には120世帯、約1000人が暮らしています。この地区の住民のほとんどは漁師だそうですが50隻のボートが被害を受け、まだ修理がされていないボートも残っています。現在は20隻の船が必要だと住民は話しています。また、多くの住宅が強風によって吹き飛ばされ被害を受けています。
 住民たちは台風の後、30,000ペソを借りてローンで家の再建を行っているそうで、週に400ペソを返済しなくてはならず毎日漁に出ているそうです。再建は大工が行いますが、日当200ペソで2週間、合計2800ペソかかります。そういった状況なので、家の再建が出来ない人も多く、支援物資のテントで暮らしていますが、日中はテント内がかなり蒸し暑くなります。(※1ペソ=約2.3円)
 バンタヤン島自体はリゾート地ですが、このサンタロサ地区はその恩恵は受けていません。多くの経営者は島外の人で地元に雇用が生まれておらず、ホテルで使われる魚もこの地区のものは使われていません。いま最も生活手段のために必要なものは、ボートと漁網だと住民は訴えています。
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▲バンタヤン島近海の漁の様子
 バランガイOKOYのセンセイスカルラン地区では、Delfi Escarlan Jr.さんたちがお話をしてくださいました。OKOYは約300世帯、センセイスカルラン地区で約150世帯が暮らしており、ほとんどが漁師さんです。この地区ではすべてのボートが壊れてしまった状態で、住民は仕事が無く支援物資だけでなんとか生活をしています。Delfiさんたちは「ボートがあればまた漁師をしたい、それしかできない」とおっしゃっていました。海外のNGOが支援をしてくれているそうですが、材料だけの支援で作ることが出来ず、また数も7隻分しかなく十分には足りていないようです。
 今はお金がなく仕事もない状況なので、NGOが行っているガレキの片づけの仕事で何とかお金を稼いでおり、仕事が選べず悪循環に陥っています。
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▲壊れてしまったボート
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▲バンタヤン島の船大工
 先日のレポートで紹介したABAG!のNGOたちは、住民たちとしっかりした信頼関係を築いており、こうしたNGOを通じることでよりきめ細やかな支援が十分に行えると思います。2人は今後もABAG!のNGOと共に活動現場の視察を行い、その後ネグロス島へ移動する予定です。(頼政良太)