月別アーカイブ: 2016年3月

ネパール地震救援ニュース No.48

「村に戻る若者」

 先日放送された「プロフェッショナル仕事の流儀」にも登場したニマ・シェルパさん(25歳)は、CODEの復興支援プロジェクトをきっかけにカトマンズの家を引き払い、荷物全部をまとめて故郷グデル村に戻ってきました。

ニマさんは、グデル村シャーレ集落で生まれ育ちました。19歳で村を出て首都カトマンズに暮らし始めました。村にいても現金収入となる仕事はなく、都会のきらびやかな生活に憧れたと本人は語っています。カトマンズに出ても簡単に仕事は見つからず、転々としている中でヨーロッパのNGOの支援で家具の職業訓練学校に2年通い、その後家具職人として働きながら指導もしていたそうです。地震後、同じ集落のラクパ・シェルパさん(CODEのカウンターパートのグデルシェルパコミュニティのシニアアドバイザー)と再会し、CODEの耐震住宅再建プロジェクトに参加する事を決めました。この耐震工法に最も必要な木材バンドの加工は彼の技術なしでは成り立ちません。年上のベテラン大工、石工さんたちから彼の技術は評価され、一目置かれる存在になっています。

最初は耐震にそれほど興味を持っていた訳ではないニマさんですが、自分の持っている技術が人の役にたつ事、自分の役割、やりがいに気づき、これから村で生きていこうと思ったのです。

ネパールでは日本同様に農山村の若者たちは仕事を求めてカトマンズへと出て行きます。中東など海外へと出稼ぎに行く人は約300万人以上(人口の1割以上)と言われています。ニマさんのように震災を機に村に戻る若者が増えていくためには農山村での仕事が重要になります。シェルパの若者たちは、「カトマンズは、空気は悪いし、ご飯はおいしくない。仕事があれば村にいたい。」と語っています。

CODEは、耐震住宅再建プロジェクトを通じて技術を学んだ大工、石工さんたちや農業に携わる多くの住民の人たちが今後も村で暮らしていけるような支援を考えていきたいと思います。
(吉椿雅道)

募金キャンペーンのご案内
http://code-jp.org/nepal/nepal-wakamono.pdf

ご支援よろしくお願いします。
☆救援募金にご協力下さい 郵便振替:00930-0-330579 加入者名:CODE
*通信欄に支援先を明記してください。(例:「ネパール地震」) 
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*クレジットカードをご利用の方はホームページ(下記)からご寄付いただけます。 
http://www.code-jp.org/cooperation/index.html
*クレジットカード決済ページ備考欄に支援先(例:ネパール地震)と明記してください。

ネパール地震救援ニュース No.47

「あなた達のために祈っています。」

 グデル村の中心部、グデルから南に山道を約2時間歩くと標高2800mのShareという集落に着きます。CODEのカウンターパートのラクパ・シェルパさんの故郷です。約130人(22世帯)のシェルパ族が自給自足に近い暮らしを営んでいます。この地震で多くの家屋が被害を受け、CODEのプロジェクトでは、このShareで14軒の住宅再建を行います。

 この集落に住むPさん(80歳女性)は、約50年前に建てた自宅が倒壊しました。Pさんたち高齢者は、地震後グデルシェルパコミュニティのサポートでヘリコプターを使ってカトマンズの息子のところへ避難し、最近このShareに戻ってきました。昨年夏にPさんにカトマンズでお会いした時に、「カトマンズは空気も食べ物も悪くて調子が悪い」とこぼしていました。「村の自慢は何ですか?」という僕の問いかけに対して、「自慢することはない。子供も孫もいなくなって、昔のように村に活気がなくなって寂しい。」と語っていました。

今回、半年ぶりに再会したPさんに同じ質問をしてみると、どこか嬉しそうに3つの自慢を教えてくれました。1つ目は、頼りになる家族親せきがいること。2つ目は、(シェルパ族の信仰する)仏教などの文化があること、3つ目は、生まれ育った故郷だと教えてくれました。

Pさんは、倒壊した自宅から仏具を運んできて、今、住んでいる仮設の小屋の隅に仏壇を作って毎朝、祈りをささげています。Pさんは、CODEの住宅再建をとても喜んでおられ、「私は、歳で再建のお手伝いは何もできませんが、CODEやCODEを支援してくれている日本の皆さんのために毎日祈っています。」と合掌して語ってくれました。Pさんは高齢者であっても地域の中で自分の役割を全うし、それを知っている住民の人たちからの尊敬を集めています。いずれグデル村に観光客が訪れた時、Pさんは「語り部」としてシェルパの暮らしやチベット仏教や文化を語ってくれるでしょう。(吉椿雅道)

*このPさんは、NHK「プロフェッショナル」に登場する予定です。

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              Pさん               仮設の小屋に作った仏壇

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