月別アーカイブ: 2022年4月

No.86「丹波農業フィールドワーク第4回:参加者の感想③」

CODE未来基金の丹波農業フィールドワークでは、若者が農業を通じて食やいのち、地域や世界を学んでいます。
第4回フィールドワークが2022年3月28日~29日に行われ、ジャガイモ植えや黒豆の味噌作りを体験させていただきました。また夜の懇談会では、学生さんからのリクエストで「農業と国際協力」をテーマにフリートークを行いました。
参加した若者たちの感想を順次、紹介していきます。三人目は、初参加の中田樹さん(豊岡市地域おこし協力隊)です。中田さんはフランスの大学院で経済行動学を学び、現在、豊岡市で持続可能な地域づくりで奮闘しています。

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今回同じ豊岡市で地域おこし協力隊として活動されている森本さんに声をかけていただいてCODE未来基金 農業フィールドワークに参加させていただきました。ここまでの大自然に囲まれて日本の里山、農業、そして国際支援について考えて議論をしたことがなかったのでこの2日間はあっという間に過ぎました。

現在僕は豊岡市の起業型地域おこし協力隊として昨年の9月より活動をしております。内容は『持続可能なコミュニティとまちづくり』をテーマに脱プラや食品ロスを無くすための取り組み、また循環型社会、経済づくりのHUbづくり(量り売りの店舗の開店、Zero wasteに向けたラボの設立と運営など)に取り組んでおります。

消費者意識を向上させることや循環型経済の基盤をつくる循環型社会をつくるという点に関しまして今回のワークショップを通して大変勉強になることが多かったです。1日目、2日目通してただ体験として農作業をするのではなく農業について百姓について本質的なことをひとつひとつの作業から考え、話し、教えていただくことで農について様々な角度でまた自分ごととして考えることができました。

また1日目の夜での議論の場でも『農×国際支援』という観点から様々な意見が飛び交い頭でも心でも考える機会が多かったです。特に印象に残ったお話しは「その土地や風土文化にあった作物や育て方、また支援の仕方やひととの接し方が違う」です。今の資本主義主体の世の中で中央集権的なトップダウンが1番生産的で効率が良い方法として開発や支援に応用されていますが、実際にその生産性こそが先進国が生んだエゴであり自分たちのやり方を途上国やローカル地方へただただ押し付けているのではないかとすごく考えさせられました。先進国、後進国というのもなにをもってそう言うかは角度やジャンルによって異なりますし今一度自分自身に立ち返って考えないといけない問題だなと改めて感じました。

今回の合宿でお会いしたみなさんがとても情熱と野望を持たれており、分野は様々ですがこれが本当の意味での多様性なのだと思いました。起きている問題は現場にあり、今回のように実際に足を運んで五感で学ぶことができるワークショップは実りのある会になりました。ここで学んだこと見たもの感じたことなどを今後の活動にぜひ活かしていきたいです。
(中田樹)

No.85「丹波農業フィールドワーク第4回:参加者の感想②」

CODE未来基金の丹波農業フィールドワークでは、若者が農業を通じて食やいのち、地域や世界を学ぶ事を実践しています。
第4回フィールドワークが2022年3月28日~29日に行われ、農業を体験させていただきました。また夜の懇談会では、学生さんからのリクエストで「農業と国際協力」をテーマにフリートークを行いました。
参加した若者たちの感想を順次、紹介していきます。二人目は、高校生の時からCODEに関わってくれている杉田かなえさんです。杉田さんは、舞子高校環境防災科を卒業し、マラウイの青年海外協力隊、農業高校の教員をへて、現在、丹波篠山市地域おこし協力隊で頑張っています。マラウイでは98%の人が食を作る農業に関わっているそうです!

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今回初めて丹波農業フィールドワークに参加しましたが、交流する中で、自分の過去を振り返り、現在の業について考え、未来について語ることができた2日間となりました。

私は現在、丹波篠山で農業をしていますが、10年前に青年海外協力隊でアフリカのマラウイへ野菜栽培隊員として派遣されていました。フィールドワークの交流会のテーマは「国際協力と農業」ということで、少し自分の体験をお話する機会をいただきました。一方的な支援ではなく、現地の人がやろうとすることをサポートせよ。と色々な人から言われたし、本でも読みました。2年間活動をして、現地の人がやろうとすることを捉えるのは、その風土に染まり、同じ感覚にならないとできない。と私は悟りましたが、一方でよそ者の力があることも感じていました。よそ者だからこそ、違う視点を持って気づくことがある。よそ者だからこそ、頼られることがある。そのよそ者の力を吉椿さんが解説してくれました。当たり前なことを「すごいことだよ」と指摘してあげるのは、よそ者だからできること。その当たり前がすごいことだって気づかせてあげることが大切です。物や技術ではなく、気づきと自信を与えることも国際協力のひとつだと学ばせてもらいました。また、これは都会と農村にも言えることだと感じました。お互いに気づいていない当たり前を交流を通して発見する。これは、丹波農業フィールドワークの裏テーマかもしれないと気づき少し嬉しくなりました。

もう一つ交流会の中で、現在の私に刺さった言葉がありました。「水と土と空気は人間が作ったものじゃないことを忘れてはいけない。」 私はあくまで自然の力を借りて、野菜を育てさせてもらっているのだ。とハッとさせられました。お金儲け優先になると、人間中心の行動や考えになってしまいます。だから、私には生業に近い農家よりも百姓の呼び名のほうがしっくりくると感じています。農産物生産だけでなく、100のことができる百姓になることは、未来の自分の目標です。

フィールドワークを通して、十人十色の哲学に触れられたことは、とても大きな学びでした。このゆるやかな繋がりをこれからも大切にしていきたいです。
(杉田かなえ)

No.85「丹波農業フィールドワーク第4回:参加者の感想①」

CODE未来基金の丹波農業フィールドワークでは、若者が農業を通じて食やいのち、地域や世界を学ぶ事を実践しています。第4回フィールドワークが2022年3月28日~29日に行われました。
今回もムラとマチの奥丹波の皆さんのご協力のもと、ジャガイモの作付け、丹波の黒豆の味噌つくり、ニンジンや春菊の種まきなどをさせていただきました。また夜の懇談会では、学生さんからのリクエストで「農業と国際協力」をテーマにフリートークを行いました。今回は、豊岡や篠山の地域おこし協力隊の若い方々にもご参加いただき、神戸の大学生や丹波の有機農家の方々と熱い議論が交わされました。参加した若者たちの感想を順次、紹介していきます。
最初は、山内優(関西大学4回生)です。久しぶりの丹波の土や人に触れ、感極まる姿も見られました。

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私は現在就職活動をしており今回の農業フィールドワークに参加するか正直悩んでいましたが、リフレッシュができたうえ、自分自身を見つめ直す時間にもなったので参加して本当に良かったです。

丹波へ行くのは去年の田植え以来で、じゃがいもやにんじん、春菊など沢山のお野菜を植えたり黒豆の味噌作りをしました。ただ植えるだけでなく土の上にマルチをかけたり、じゃがいものの植え方が2種類あったり様々な工夫がされていること、その意味を学び簡単なようで深くて、とても面白い発見でした。
味噌作りでは麹の作り方を初めて知り、見たことのない機械を使ったりしてとても楽しかったです。また、朝食で黒豆の味噌を初めて食べとても美味しかったので自分達で作った味噌が出来上がる2年後が楽しみです。
夜の話し合いでは農業と国際協力というテーマで様々な話を聞きました。初めて聞くワードや知らないことが目の前で飛び交い、ついて行くのに必死でしたがとても勉強になりました。

私は今回のフィールドワークの終わりの時間に、3年前にCODE未来基金で四川大地震に中国へ行った時と同じ感情が込み上げてきました。言葉では表すのは難しいですが、目の前にいる人のストーリーにどれだけの苦労や悩み、喜びがあって今があるのか想像しただけで胸がいっぱいになり自分の小ささに気づきます。
そして、丹波で出会った方々はとてもかっこいいです。何かに夢中になって一生懸命努力する姿、仲間と一緒にひとつになって取り組む姿には心を打たれました。私もそんな大人になりたいと強く思った2日間でした。ありがとうございました!
(山内優)

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