憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.20

ロシアのプーチン大統領の後継者のことが、にわかに話題になっている。3人の候補者の名があがっているが、これまでのプーチン体制から推し測ると、誰になっても大きくは変わらないだろうとしか思えない。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は、7日英紙フィナンシャル・タイムズで、「徹底抗戦」を語ったそうだ。「欧州諸国の一部で対ロシア制裁による経済悪化を受け妥協点を探る動きが出ていることに、『理解できない』と反発した。」「フランスのマクロン大統領が『ロシアに屈辱を与えてはならない』と発言したことに、『理解できない』」と。さらに「私たちは全ての占領地域の解放を達成しなければならない。」「我々は戦場で勝利する必要がある」「ロシアとの間で引き分けは選択肢にない」とし、欧米諸国に一層の武器支援を」と求めたとのこと。

前号で ロシア出身作家の翻訳を多く手掛けている「奈倉有里」さんが『新潮』に紹介された「無数の橋をかけなおすーロシアから届く反戦の声」の一部を紹介しました。
また、他の作家さんの声を以下に紹介します。

—リュドミラ・ウリツカヤ(1943~)は、開戦直後に「痛み、恐怖、恥」と題した声明を出した。生命が潰されていく痛み、自らや子供たちや孫たちの命が危険にさらされる恐怖、全人類に大きな損害をもたらした政府の恥と国民の責任。ウリツカヤはこれまでも一貫して戦争に反対し、抵抗の声をあげてきた。「民族の敵」と糾弾されても、カラーボールを投げつけられても、彼女は黙らなかった。2014年に反戦デモに参加した時は、私が強いからじゃない。弱いから、恐ろしいからだ。子供や孫たちが、戦争のある世界で生きていくことになるかもしれないと思うと、怖くてしかたがないからだ」と話していた—と。

最後に奈倉有里さんのメッセージを紹介する。

私たち――文化に携わるすべての人間にできることは、特定の(国や民族や団体といった)まとまりを断罪することではなく、学ぶべき相手を探すこと、異教の優れた学者や作家や芸術家を探し、それを届け、受けとり、考えることだ。世界の学問を、人権活動を、文化を、文学を、つなぎ続ける。これは長い道のりの一端でありながら、緊急の課題でもある。恐怖と無理解が生む攻撃性ほど恐ろしいものはない。まだ伝わっていない大切なことはたくさんある。できることだけでいい。まったく同じ考えじゃなくてもいい。ただひたすら、武力に心を支配されることだけはせずに、無数のちいさな橋をかけなおそう。(初出:「新潮」2022年5月号)
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

PS:CODEは、ウクライナおよびロシアから神戸に避難している方々に、「MOTTAINAIやさい便」を届けています。この「MOTTAINAIやさい便」も、無数のちいさな橋をかける活動です。是非、応援して下さい。
詳細はこちらから。

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