月別アーカイブ: 2022年3月

憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.5

3月26日、バイデン大統領がワルシャワでの演説で、「民主主義と専制主義の戦い」として、「ロシア国民は我々の敵ではない」と言いつつも、プーチン大統領個人に「権力の座にとどまるべきではない。」と強調した。この発言が物議を醸しているが、この発言を撤回しないとまで言っているようだ。バイデン大統領は、今までも「虐殺者」「人殺しの独裁者」「真の悪党」「戦争犯罪人」などと個人批判を強めて来た。

さて、先月24日のプーチン政権によるウクライナ侵攻が始まって以来、停戦交渉も続いているが、未だ解決の道筋が見えないばかりか、日に日に凄惨な事態が深刻化している。一方国際社会では「反戦メッセージ」が広がり、「ウクライナに連帯」という声も大きくなっている。
敢えて、「しかし」と言わざるを得ない。反戦メッセージはあくまでもプーチン政権・ウクライナ双方に、「戦いは止めろ!」という声も入ってるのではないだろうか。「ウクライナに平和を ロシアに自由を」という声もある。29日付け朝日新聞「天声人語」では、「侵攻する側は、よその国に人殺しに来ている。自分の国を守る側も人殺しをせざるをえないところに追いやられている。今、他国の政治家たちがなすべきは勇ましさをたたえることではない。戦争を終わらせるすべを探ることだ」と。

冒頭のバイデン大統領の発言は、いかがなものかと首を傾げる。これでは戦争の激化を結果的に煽ることになるのではないのか。
今、最優先は対話の解決を提示するのが、世界のリーダーならではのアメリカの役割ではないだろうか?

くしくも今年沖縄復帰から50年という節目を迎える。日本政府はこの間、沖縄の民意を無視続け、沖縄の人たちを苦しめている。バイデン米大統領は、沖縄の民意は知っている筈だ。今こそ沖縄の民意に寄り添い、プーチン大統領に対して「我々は、英断を下し、沖縄を無条件完全開放した。プーチン大統領もウクライナから即時撤退しろ!」というくらいのことを決断しなければ、一方的な批判は有効ではないのだと断言したい。もう一つ、この戦争を終わらせる“すべ”は、先般の国連での「緊急特別会合」で南アが提案した案の背景をしっかりと考えると、そこにヒントがあるように思われる。
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.4

一昨日、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会議員向けに演説をされた。演説終了後、直ちに岸田総理はウクライナに対する人道支援の追加を検討すると表明した。これまでも、同大統領は米国・英国・ドイツ・カナダ・イスラエルで演説をしてきた。各々の国のリーダーの名言や歴史を交え話す話術は、好感を持たれている。日本では「侵略の津波」という表現をし、連帯を求めた。確かに、歴史に残る演説でしょう。23日のフランスの国会では、「自由、平等、博愛に対する戦争だ」とフランス革命以来の国家理念を引き合いに出して支援を訴えたとのこと。評価は絶大だ。
しかし 、しかし、何故かもやもやしていて諸手を挙げて絶賛できない。確かに日に日にウクライナに対する国際社会からの連帯の声は拡がっている。その連帯の輪に水を差すつもりもない。昨日24日は、北大西洋条約機構(NATO)およびG7と関係国の首脳会議が開かれた。テーマは「対ロシアに対する制裁強化」の確認だった。でも、ロシア・ウクライナの双方に多大な被害をもたらした戦争は、もうすでに1ヶ月も続いてきた。今、急がなければならないのは、何とかして1ヶ月も続いた戦争を止めさせなければならないのであって、あくまでも結果的に“煽る”ことになる連帯では意味がない。

昨日(3月24日)の朝日新聞「私の視点」に投稿された千田悦子さん(元国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)職員)のメッセージに共感した。「世界が存続の危機に立つ今、唯一の被爆国であり、恒久平和を希求して戦争放棄した国民として、日本人が新しい戦争放棄というパラダイムを世界に提案すべきではないか」と提案されている。

先日、7千人の犠牲者を出した神戸大空襲から77年が経った日に、当時の惨状を聴覚障害の神戸生まれである山村賢二さん(90歳)が手話で語った。
「砲撃を受けるウクライナの街で地下壕に逃げ込む人たちを報道で見ると、77年前の自分と重なる。命を大事にして、一刻も早く戦争をやめてほしい」(神戸新聞2020・3・18)と。私はこの願いをしっかりと受け止めたい。

また同じ神戸市出身で、ソ連崩壊直前の1991年9月からウクライナ・キエフで暮らす江川さんの「怖いけど 逃げられない」という率直なことばが紹介された(毎日新聞2022・3・24)。江川さんは、2014年のクリミア戦争があったので「いつものように東部での戦闘が活発化するのだろうという程度にしか思っていなかった」と。そしてウクライナ人の妻は「どうして私がウクライナから逃げないといけないのか、ここは私の家」と。江川さんは「妻を残して逃げるわけにはいかない。極限状態になるとどうなるかわからないけれど、今のところ、家族がバラバラになるより、一緒の方が生き残れる確率があるのではないかと考えたんです」「(妻について)やっと手にした独立国を手放したくないないんです」と代弁されたそうだ。なんともやるせない・・・・。

でもこれだけは声を大にして言える。「とにかく生きよう!」
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

*2022年3月23日に神戸市外国語大学が同大のロシア学科で学ぶ在校生の皆さん、卒業生そして新入生の皆さんに素晴らしいメッセージを発しました。こちらから是非、ご覧になって下さい。

憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.3

ロシア・プーチン大統領がウクライナに侵攻してから1ヶ月となる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表では、ウクライナの国内外の難民は1,000万人を超えるという。これは人口の2割に達する。プーチン大統領は、子ども、妊婦、高齢者などの非戦闘員である文民に対しての攻撃を止める気配がなく、戦闘激化するばかりで無差別攻撃となっているとしか思えない。ウクライナ南東部マリウポリでは、3,000人が死亡したという報道も。一方で停戦交渉は大詰めに来ているような報道があるが、具体的な成果があるようには思えない。

先日、日本ペンクラブ・言論表現委員会・国際委員会の共同企画で開催された緊急シンポジウム「ウクライナで、ロシアで、何が起きているのか?」というテーマで、ジャーナリストの金平茂紀さん(TBS報道局記者)と新田義貴さん(ジャーナリスト)が、「侵攻されるウクライナ現地レポート」として報告された。金平茂紀さんが最後に、「僕は『殺せ』っていうほうには行きたくないですね。『殺すな』というほうに必ず身を寄せていきたいと自分なりに思っています。」と決意をのべられた。
ここ連日、報道ではウクライナの被害が圧倒的に多く伝えられ、その凄惨な現実を耳にし、目にすると、ほんとうに胸が痛む。同時にプーチン大統領の命令で戦場に送られ、尊い命を落として行くロシアの若き兵士の屍を想像すると同じく胸が痛む。金平茂紀さんが言うように、私たちは両者に『殺すな!』と叫び続けなければならないと思う。

さて、27年前の阪神・淡路大震災のあと、被災地では多くの人が、「生きていてよかった!」そして、「人間は一人では生きて行けない。」と、誰もが誰かに支えられ、助けられ、「生を確認して抱きあった」。以来、震災で亡くなった方々の遺言のように、震災文化を後世に伝えることも誓い、27年が経過した今も、“子どもたちの子どもたちの子どもたちのために”、個を尊重し、命の尊さを伝え続けている。この被災地に居る、あるいはこの被災地に関わった多くの市民は、この「震災文化」を伝え続けて来た。この営みは、ロシアとウクライナが闘い続けている“いま”、この地の人たちは強く訴えることができる。“直ちに戦争を止めろ”、将来世代を担う“子どもを殺すな”と・・・・・。
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

*CODEは、ウクライナおよびロシアからの避難民へ食糧を提供します。ご支援、ご協力お願いいたします。ご寄付はこちらから。
※使途・備考欄に「ウクライナ危機」とご記入ください。

憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.2

ロシア・プーチン政権がウクライナに進攻し、戦争状態が長期化する様相を呈している。平行して両者の停戦合意を求めた交渉も続いているが、一気に停戦に行くような状況はもたらされていない。一方で、複数のメディアからはロシア兵の戦意喪失という前線の状況も伝わっており、プーチン大統領には明らかに焦りが見られる。

しかし、プーチン大統領は本当に停戦し、何らかの和解を本当に望んでいるのだろうか?あくまでもウクライナの全土制圧が達成され、ウクライナが無条件降伏をするまでは、攻撃を続けるという姿勢を崩さないようにも見える。というのは、今朝の各マスコミの情報では、プーチン大統領が戦闘員増兵のためにシリアなど中東から戦闘員を求めていることが明らかになった。少しでも戦争を止めようという意志があれば、これ以上戦争を激化させるという選択はあり得ないだろう?

3月14日、ロシアの国営テレビのニュースで、女性ディレクターの「戦争反対、プロバガンダを信じないで」というプラカードを掲げた覚悟の勇敢な講義活動が流された。加えてロシア国内での市民による反戦行動が日に日に高まっていることも踏まえると、プーチン政権の足下が揺らいできていることは間違いないだろう。
それだけに、プーチン大統領が全くの“良心”を失い、最悪の行動に出る可能性もあるところまできていることが、世界中の誰もが一番心配するところであることは、残念ながら否定できない。

神戸新聞3月15日付け夕刊に、兵庫県内に住む40代のウクライナ人が、「ロシア人を非難する気はない。でも、ウクライナで起きている真実を知ってほしい。私たちが攻撃される理由も、彼らが攻撃する理由もない」「私がウクライナ人で今は敵だということを忘れるぐらい、両国の人の距離は近い。なぜ戦っているのか分からない。不思議な戦争です。」と困惑されている。そして同紙によると「不安そうにニュースを見つめる自らの子どもたちには、正反対の主張を繰り広げる双方の報道を見せて、『ロシア人を責めたり、嫌いになったりしてはいけないよ。本当は素晴らしい国なんだ。でも、決して起きてはいけないことが、たった一人の人間の判断で起きてしまう。この悲劇をしっかり見て、考えて欲しい』と、彼は願った。

ここ連日双方に多くの死者が続出している中で、この報道を読んで、私たち大人が発する言葉にも、一人ひとりが覚悟を持った発言が求められるのではないだろうかと決意させられた。27年前の阪神・淡路大震災で、多くの人が「人間一人では生きて行けない!」と身に染みて痛感したという声を被災地のあちらこちらで聞いた。
このメッセージがどれだけの被災地に人々に勇気をもたらしたことか。今、あらためて思い出す。世界中の人と人はつながっているのだ!
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

ウクライナおよびロシアからの避難民への食糧支援を行います

2022年2月24日、ロシアがウクライナに軍事侵攻し、2週間経た今もその戦闘は続いており終息の兆しは見えていません。ウクライナでは戦火を恐れて女性や子どもたちが隣国ポーランドなどに避難しています。その数は約220万人(3/10時点)にのぼると言われています。
また、反戦抗議デモが起きているロシアでもその圧政や徴兵、経済制裁の影響から国外へ逃れる人、退避する人が後を絶ちません。

日本には1915名(2021年末)のウクライナ人が暮らしており、その親族や知人が来日する可能性から、日本政府は3/2にウクライナ避難民の受け入れを表明し、すでに8名のウクライナからの避難民が親戚知人をたよって来日しています。
兵庫県にも91名のウクライナ人(2021年6月)が在住しています。兵庫県は、ウクライナからの避難民を想定して、住宅などの無償提供など避難民の受け入れを3/4に発表しました。

CODEは、阪神・淡路大震災をきっかけに「困った時はお互い様」の精神で生まれ、海外の被災地で復興支援活動を行ってきました。2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響で困窮している在住ベトナム人やタリバンによる政変危機から退避してきたアフガニスタン人に食糧支援も行ってきました。

戦争は最大の災害です。被災地のNGOであるCODEは、ウクライナだけでなく、ロシアからの避難民に対して食糧支援を行います。ご支援・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

CODE海外災害援助市民センター
事務局長 吉椿雅道

ご寄付はこちらからお願いいたします。
※使途・備考欄に「ウクライナ危機」とご記入ください。

憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.1

2月24日にロシア連邦プーチン政権が、ウクライナ全土に進攻して2週間が経とうとしているが、双方に死者、負傷者が続出し、ウクライナにおいては幼い子どもに被害が及ぼし、尊い命が喪われているという悲しい現実が後を絶たない。双方の停戦合意のための和平会議が複数回持たれているが、大きく進展しない現状だ。

CODEは、27年前の阪神・淡路大震災がきっかけに発足し、海外における災害救援を主な活動とするNGOである。これまでにアフガニスタンをはじめ数多く海外での災害被災地に出掛け、被災者の暮らしの再建支援を重ねてきたが、いつの時も標記の「憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を」と呼びかけてきた。

今回、プーチン政権、ウクライナそして欧米の関係国など各々に譲れない思いがあることは理解できるが、これ以上尊い命が喪われるという最悪の事態を重ねることだけは避けなければならない筈だ。CODEがこれまで何度も災害被災地に出掛けて来たのは、27年前の阪神・淡路大震災で世界の70カ国余りから支援を受けたからだ。つまり、この時誰もが、「私たち地球上に住む人間は、つながっているんだ!」と実感し、「困った時はお互い様だ」と、あの時助けて貰った恩を忘れないように、つながっていることを実感し、被災地を訪れ、またこの地に戻り、災害文化を次世代に伝え続けてきた。

15,000年前、私たちの先祖であるモンゴロイドは、歩いてベーリング海峡を渡り、アメリカとカナダの国境に定住し、5つの種族が手をつなぎ、イロコイ連邦を築いた。欧州からは新大陸を求め、イロコイ連邦に伝わっている平和のメッセージを持ち帰り、またアメリカはイロコイ連邦の憲法を学ぶ形で憲法の骨子に入れた。日本もその影響を受け日本国憲法を創設した。イロコイ連邦は、「7世代先の人の幸せまでも考えて生きなければならない」というような教えを伝え、今も大切に言い続けられている。15,000年前、長い長い旅路の道中で、何度も争いにあった。しかし、私たちの先人たちは、「争わないという意思表示として、武器を相手の前に差し出し、危機を乗り越えてきた」。

私たちの先祖にはこうした大切な教えがあることを、この機に思い出そう。何故か。それは先述したように私たちは、永遠につながっているからなんだ。阪神・淡路大震災から四半世紀の25年、そして26年、27年と歩んできた節目で、CODEはこのことを繰り返し発信してきた。
今回の、悲劇を毎日、毎日文字や映像を観るたびに、「人はつながっているんだ!」とつぶやき続けている。一刻も早く、憎しみの連鎖を止めよう!そして支え合いの連鎖を広げよう!
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)