憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.26

ロシア軍がウクライナのザポロジェ原発を制圧したのは3月4日だった。あれから半年が過ぎようとするいま、「IAEA(国際原子力機関)」の視察団(専門家チーム)がザポロジェに入った。同原発の現状視察と安全確認及び安全対策を講じるためとのこと。しかし、あろうことか同視察団が到着した1日の直前に砲撃があり、原子炉1基が停止した。これまでで2度目の緊急停止だ。視察団にとっては「最も危険な任務」となる。

ロシア政府は、2月のウクライナ侵攻直後に、1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原発を制圧していた。そもそもプーチン大統領は、ウクライナの原発を「盾」にウクライナと闘うことを想定していたということだろう。今回は、戦闘地域にある原発が砲撃を受ける中での史上初の任務となる。

さて、今回IAEAがザポロジェで行おうとする任務を、プーチン大統領が受け入れるのだろうかという不安も抱かざるを得ない。原発を攻撃するのは国際法違反だ。プーチン大統領は、直ちに撤退すべきだ。

原発の恐怖を思い知らされた日本に住む私たちにとっては、なんとしてもこの原発はもちろん周辺地域も、「非武装地帯」にして欲しいと強く願う。
何故なら、ついこの前にように思い出される11年前の東日本大震災直後に爆発した東京電力福島第一原子力発電所の過酷な事故に遭っているからだ。未だに福島から県外に避難している被災者が約3万人を数え、已む得ず故郷を離れて厳しいで生活を送られている人たちがいることを忘れてはならない。

あれから11年という歳月が経過すると、「故郷を離れていつまで避難しているんだ!」という声も少なくない。

実は、この8月初旬にそのザポロジェから日本に避難して来られた母子がいる。どんな思いでザポロジェを後にし、子どもと故郷を離れたのだろうかと想像すると、胸が痛む。それは、私たちは11年前にも同じ思いを体験したからだ。

ザポロジェから避難して来られたお母さんから、覚えたての日本語で「私の まちに いま すごいあぶない 間合い日 しんぱいです」と・・・・・メールが来た。日本に来られて、もうロケットの飛び交う様子、砲弾が着弾する音、空襲警報のサイレンのけたたましい響き・・・を聞く日々からは逃れたかもしれないが、ザポロジェに残っている家族や親戚、友人のことを思うと、落ち着かない日々は変わらない。
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

PS:CODEが、ウクライナおよびロシアから神戸に避難している方々に、「MOTTAINAIやさい便」を届けています。この「MOTTAINAIやさい便」も、無数のちいさな橋をかける活動です。是非、応援して下さい。(9月2日づけ神戸新聞朝刊にCODEが行っているウクライナ支援の様子が掲載されています。)

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