四川に戻ったYさんから震災7ヶ月目の現地レポートが届きましたので、掲載します。なお、Yさんは来年1月に行われるいくつかのイベントに参加するため1月8日ごろ帰国します。
・2009年関西学院大学災害復興制度研究所フォーラム
(http://www.fukkou.net/news/20090111-82.html)
・現代GP「震災教育システムの開発と普及」シンポジウム
-阪神大震災をふまえた防災教育の未来-
(http://www.rcuss.kobe-u.ac.jp/sympo/gp0901103.pdf)
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5月12日の四川大地震からちょうど7カ月が経った。現在、被災地では急ピッチに恒久住宅再建が進んでいる。
この四川大地震では、伝統木造住宅が倒壊を免れ、しっかりと残っていることが多くの場所で確認されている。被災者や政府関係者からも「木造は強かった」との声を何度も耳にした。最近の情報では、綿陽、彭州、青川など、いくつかの場所で木造の再建も行われているとう。
CODEの活動している北川県の村でも従来の伝統構法を使った木造の再建が行われている。村内でレンガ住宅の再建が多くなされる中、木造住宅の再建を選択したお母さんXさん(37)。築40年以上の伝統木造住宅であるXさんの家は、ほとんど無傷のまま残っているのだが、政府の方針(退耕還林)で少し離れた村内に新たに再建することになった。
Xさんは、木造選択の理由をこう答えた。一つは、耐震のため。すぐ隣のレンガの家が倒壊したのにもかかわらず、自らの家が倒壊しなかった事を誰よりも実感しているのかもしれない。そして、もう一つの理由は、子供のため。子供が成長した後、木造は修理、改修がしやすいという。伝統木造住宅の特徴をよく知っているのである。
ご主人のLさんも木造の選択に賛成はしていたが、木材調達などの課題を理由に決断しかねていた。だが、最終的に奥さんのXさんの気持ちに押され、同意した。やはり、女性の力なくして復興はありえないのだろう。
月別アーカイブ: 2008年12月
中国四川省地震救援ニュース 83
11月5日の読売国際協力賞授賞式のために帰国していたYさんが、震災半年後の現地の様子を綴ってくれました。急速に進むように見える住宅再建も、一進一退。復興への道のりは始まったばかりです。
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四川の被災地から
あの未曾有の災害から半年が過ぎた。被災地の各地には無数の仮設住宅群が広がる。と同時に、恒久住宅の再建も急ピッチに進む。CODEの支援する北川県香泉郷光明村でも住宅再建に被災者は忙しい。政府の方針で年末、もしくは春節(旧正月)まで入居しなければ補助が出ないという制約で多くの被災者はあせっている。また、早く住宅を再建して、出稼ぎに行きたいという思いもある。だが、最近の情報では、1年以内に再建すればいいという話を耳にした。青川県では2~3年以内だという。政府の方針が二転三転することで被災者は、困惑する。また、急ぐあまりに被災地の多くの場所で、道路沿いに延々とレンガを積んだ山が並び、耐震性の不十分なレンガ住宅が建設されている。
一方、学校、病院などの公共施設の再建も各地で進み、CODEの活動している香泉郷の中心小学校の建設も始まった。偶然にも、その小学校をデザイン、建設の支援をするのは、日本の東京大学の中国人留学生、胡先生(東京大学藤井研究室)たちであった。つい先日、デザインが完成し、いよいよ着工されるそうである。
広大な被災地の中の小さな場所で偶然にもつながった日本と中国の「絆」を活かした支援を考えていきたい。