中国四川省大地震救援ニュース 20

成都のゲストハウスでYさんと出会い、一緒に活動したボランティア
のOさんが感想文を寄せてくれましたので、ご紹介します。
四川地震 ボランティアに参加して(O.R. 5月22日 22時15分)
 四川の地震は発生翌日の朝刊で確認しました。「ミャンマーに続い
てひどいことが起きたな。何かできることはないかな」。それくらいの感
想を持ちましたが、すぐにページをめくりました。その時の私は大学も
卒業して、今流行のフリーター、一歩間違えればニートと呼ばれるよう
な生活をしていました。少しのバイト、つまみ程度の勉強。希望や夢を
持っていなかったわけではありませんが、そのために一生懸命精進し
ているとも言い難い生活。そんな矢先での今回の地震は、私の怠惰な
生活も少し揺り動かすことになりました。
 
 その日の夜、同居している友人と話している時に、ふと思いつきまし
た。「中国行ってみようかな。」その友人はまだ学生ですが、私と同様
に進路について悩んでいました。二人とも世界やNGO、国際協力、ア
ジアなどという分野には興味がありました。しかし具体的に何をすれば
いいのかわからない状況でした。そんな中で「行ってみよう」と言っても
仕方がないのかなと考えたりもしましたが、思いついたことをそのまま
友人に伝えてみました。友人の第一声は「よし、一緒にいこか」。即答
でした。
 意志が決まれば人間動くもので、すぐに家を飛び出して航空券を見
たり、情報を集めたりしました。友人は言いました。「何もできないかも
しれないけど、何かはできるかもしれない」。これが二人の動機です。
全くもって暇人の動機です。全くもって素人の発想です。でも二人に
とっては十分な動機でした。
 
 その後知り合いのNGOと連絡をとり、そのまま成都で合流することが
できました。合流できたのは本当に幸運なことで、それから一週間弱
という短い期間でしたが、とても有意義な時間を過ごすことができまし
た。
 ヒューマンシールド神戸のYSさん、CODEのYMさん、この二人にはと
てもお世話になりました。正体不明の私達とも快く接してくださり、しか
もとてもたのしくておもしろい方々でした。一方で、現場での手際よい
作業や被災者との円滑なコミュニケーション、帰還後のデスクワークの
集中力、そして使命感。これらには本当に目を見張るものがありまし
た。ハードな作業中に心配で一声かけても、これは仕事だからと一言
で流すことがありました。しかしみなさんの積極性が明らかにそれを仕
事のみにさせていませんでした。この一歩踏み込んだ姿勢がNGOの
特色ではないかと思いました。
 他方私といえば、やはり何もできませんでした。調査に付いていって
もだた人の話をメモするだけ。救助作業に付いていっても内容をメモす
るだけ。遺体を目の前にして悲しむ親族の姿を見ても遠くから見ている
だけ。想像したよりもはるかに何もできませんでした。思いつきで日本
で買った軍手30双もまだきれいに残っています。ちょっと勉強した中国
語もやはりちょっとだったな、ということがわかっただけのものでした。
 
 しかし、短期間でしたがYSさんの勢いある姿勢やYMさんのNGOへ
の熱い想いから学べたこともあります。それは出発の時の動機であっ
たことです。つまり「何もできないかもしれないけど、何かはできるかも
しれない」、ということを自信をもって言えることができるようになったと
いうことです。今私には何の技術もコネもカネもありません。でも必ず
自分にも何かできることはあるという強い信念をもって行動していくこと
が大切だと、今回ボランティアに参加して感じました。
 これから四川での経験をどのように生かし、四川とどのように関わっ
ていくかはまだ未定です。しかしYMさんのように緻密でありながらも情
熱的に、YSさんのようにおもしろ楽しくも人情深く、私も活動していきた
いです。
 ってゆうかこのおっさん(お兄さん)二人、かっこええっすよ。ほんま
に。
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