憎しみの連鎖ではなく、支え合いの連鎖を!!-NO.3

ロシア・プーチン大統領がウクライナに侵攻してから1ヶ月となる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の発表では、ウクライナの国内外の難民は1,000万人を超えるという。これは人口の2割に達する。プーチン大統領は、子ども、妊婦、高齢者などの非戦闘員である文民に対しての攻撃を止める気配がなく、戦闘激化するばかりで無差別攻撃となっているとしか思えない。ウクライナ南東部マリウポリでは、3,000人が死亡したという報道も。一方で停戦交渉は大詰めに来ているような報道があるが、具体的な成果があるようには思えない。

先日、日本ペンクラブ・言論表現委員会・国際委員会の共同企画で開催された緊急シンポジウム「ウクライナで、ロシアで、何が起きているのか?」というテーマで、ジャーナリストの金平茂紀さん(TBS報道局記者)と新田義貴さん(ジャーナリスト)が、「侵攻されるウクライナ現地レポート」として報告された。金平茂紀さんが最後に、「僕は『殺せ』っていうほうには行きたくないですね。『殺すな』というほうに必ず身を寄せていきたいと自分なりに思っています。」と決意をのべられた。
ここ連日、報道ではウクライナの被害が圧倒的に多く伝えられ、その凄惨な現実を耳にし、目にすると、ほんとうに胸が痛む。同時にプーチン大統領の命令で戦場に送られ、尊い命を落として行くロシアの若き兵士の屍を想像すると同じく胸が痛む。金平茂紀さんが言うように、私たちは両者に『殺すな!』と叫び続けなければならないと思う。

さて、27年前の阪神・淡路大震災のあと、被災地では多くの人が、「生きていてよかった!」そして、「人間は一人では生きて行けない。」と、誰もが誰かに支えられ、助けられ、「生を確認して抱きあった」。以来、震災で亡くなった方々の遺言のように、震災文化を後世に伝えることも誓い、27年が経過した今も、“子どもたちの子どもたちの子どもたちのために”、個を尊重し、命の尊さを伝え続けている。この被災地に居る、あるいはこの被災地に関わった多くの市民は、この「震災文化」を伝え続けて来た。この営みは、ロシアとウクライナが闘い続けている“いま”、この地の人たちは強く訴えることができる。“直ちに戦争を止めろ”、将来世代を担う“子どもを殺すな”と・・・・・。
(CODE海外災害援助市民センター事務局 村井雅清)

*CODEは、ウクライナおよびロシアからの避難民へ食糧を提供します。ご支援、ご協力お願いいたします。ご寄付はこちらから。
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