No.48「取り残された人たち」

最大の被災地、ハタイ県アンタキアを訪れた。地震から5ヶ月、時間が止まったかのように今にも崩れ落ちそうなビルが立ち並んでいる。「最近、ガレキの中から遺体が見つかったのよ」とハタイのコンタクトパーソンNさんが教えてくれた。

他の被災地では仮設住宅もかなり完成し、テントで暮らす人はほとんどいなくなっていたが、ここハタイだけは違っていた。
仮設住宅は現在、建設中で多くの人たちは今も暑いテントで暮らしている。数軒のテントを案内してもらったが、入った瞬間、モワッとした空気に身体中から汗が吹き出してくる。「まるでサウナよ」「テントも電気も水も食べ物も、すべてボランティアからもらったものよ」と被災した女性たちが言う。しかも、このテント村は学校の敷地に作られているので、二ヶ月後の学校再開でテントを撤去しなくてはいけないという。
政府の建設しているコンテナの仮設住宅が遠い事や火事場泥棒を恐れてコンテナには行かずにここに残る選択をしたそうだ。代わりに家賃補助を申請したが、未だに支払われていないという。仮に5000リラ(4万円)の補助をもらえても、この地域の相場15000リラ(12万円)の家賃を払うことができない。
ある男性は、壁が一面崩れ落ちている動画を見せたが、「これは大規模被害ではないから、自宅に戻りなさい」と言われ、仮設住宅に入居する事ができなかったという。

このテント村に住む約100人は50代~70代が多く、子どもや妊婦さんもいる。皆さん口を揃えて「AFAD(緊急事態管理庁)やクズライ(赤星月社)は、私達には何もしてくれない」「ここで起きている事を日本に伝えて!」と僕たちに訴えるように話しかけてくる。
ハタイ県は、現政権と対立する政治的土壌、アレウィー派が多い宗教的土壌が背景にあり、他の被災地より支援が大幅に遅れており、その中でも圧倒的に取り残されている人たちがいる。
(吉椿)

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