月別アーカイブ: 2006年2月

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.9

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【写真】(上)熱ちっ!ゆでたてジャガイモの皮むき。(下)エビの皮むきを習った子どもが子どもに教える。

(クキさんレポート 3)
今回の「防災共育」プロジェクトの最大の目的は、「子どもたちが楽しく防災を学ぶ」ことにある。そしてその活動を支えるのが地元のボランティアである。スリランカで当たり前となっている日常的な「ボランタリーな生活」を、地域の中だけでなく、スリランカ全土に向けて、更には世界に向けて「ボランタリーな活動」へと広がるとき、この「防災共育」が平和の足音をも運んでくるのではないだろうか。そしてその活動を黒子に徹して見守るのが私たちの役目だと思う。ある子どもが私に言った言葉を思いだす。「僕がするから、あなたは見ていて。」そう、その子は私とジャガイモの皮をむいていた。
最後に、クッキングアクティビティーでの料理は全てのディッシュが美味だった!日本チームの『天ぷら』は、臭いエビの皮むきにも子どもたちは耐え、見事なスリランカ風『天ぷら』ができ、とても好評だった。最後のイカ料理が仕上がった直後に雨が降りだした。グットタイミング。そして中で食事をし終わる頃、かたづけが始まる頃に雨が上がった。あまりのグットタイミングさに、日頃の行いが良いからだろうなと自分を褒めてみた。こんな事を考えていたのは私だけであろうが。
UNDPの方が、食事している子どもの写真を取り忘れたが、クキは撮った?と聞いてきた。ボランティアリーダーらが、幼い子どもたちを先に食べさせるため、給仕にいそしんでいた頃、私は自分の食事をすることに夢中になり、すっかり写真をとるのを忘れていた。反省、反省。
ボランティアリーダーらは、何回も何回も子どもたちに「お腹一杯になった?まだいる?」と聞き、水を注ぎ、5つ星のホテルでも、あれだけのサービスは受けられないと思うほどの給仕ぶりを発揮していた。そしてホテルのサービスにはない、『愛情』と『思いやり』という最大の武器でもって子どもたちに接していた姿は何よりも美しいと思った。

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【写真】(上)黒板作りの様子。(下)村長の家にて。

(事務局より)
ヒロさんこと、滝田さんのレポートで手作りの黒板の話しをお伝えしましたが、やっと完成したようです。この完成版を見たクキさんの感想を以下に紹介します。
--手作りの黒板の完成版を見ることができた。見事としか言いようがない程の出来栄えである。これが村長宅の家のドアであると聞かされた時、村長宅のどの部屋の扉が使われたのだろうかと、つい家の中をジロジロと見つめて探してしまった。家の扉まで提供して、このプロジェクトを支えてくれるというのは、本気でなければなかなかそこまではしないだろう。
『彼らが必要としているものが、けして彼らが本当に必要であるものであるとは限らない』と、ヒロが言っていた。これは、私たちが気をつけなければいけないことである。物資を配ることは簡単なことである。彼らが聞いてきたから、それが必要であると思い、その物を提供する。私たちは、彼らが、聞いてきたのだから、それを渡したのだから、彼らのニーズにあった支援であると言う。しかし、その配られた物を、彼らが、村長宅に飾られている(この表現がぴったりなくらいに大事に、大事にしていた)黒板のように、大切に使っているだろうか。漁業用の網を作る機械がスリランカのあちらこちらで配られた。どの家庭にも余る程の機械が持ち込まれた。そして、今は埃を被って家の何処かに放置されている。
この黒板には、黒板消しが付いていた。黒板消しがほしいと言う子どもに、ヒロは「黒板消しがほしいなら、それも創ればいいじゃないか」と、又もやもちかけたらしい。そして、本当に、本当に、鳥肌がたつくらい見事な「手作り黒板消し」が完成していた。それを見たヒロは、「やれば何でも出来るじゃん!」と子どもに何気なく言っていたが、彼の目は赤くなっていた。そして何回も黒板に何か文字を書いては消し、書いては消しを繰り返していた。その光景を見ていて、私の目も赤くなってしまった。そして最後に、その黒板の裏が、立てかけられるように一本の棒が付けられていたのを発見したヒロは、今まで見たことのない最高の笑顔で、「GOOOOOD!」と、子どもに言った。子どもは照れながらも自信満々の笑みを浮かべていた。--
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スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.8

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【写真】津波直後のスリランカの避難所(2005年1月)

『ボランティアをするというのは何なのか?』こんな質問が頭をよぎった一日でもあった。先日、こちらのボランティアの子どもたちに「なぜボランティアをしようと思ったのか、土曜日、日曜日を自分たちの時間を削ってでもボランティア活動をしようと思った理由は何なのか?」と、UNDPの方が聞いたことがあった。大人に聞いてもなかなか答えられない難しい質問である。
子どもたちも少々戸惑っていたように感じられたが、「歌が好きだから。」、「ちいさい子どもが好きだから。」、「踊りが好きだから。」等があがった。多分、質問者の期待していた答えと若干違ったかもしれないが、これが正直な彼らの気持ちであり、それ以上でも以下でもないと思
う。ボランティアという観念?は、西洋から持ち込まれたものであり、彼らの地域で、隣の家が隣の家の子守をするのは日常生活に組み込まれている。
困った時に手を差し伸べるのも当たり前のことであり、支えあい、助けあい自体が自然になされているのではないかと感じる。それが「ボランティアなのですよ。」と言ったところで、この言葉は後から作られたもので、元々から彼らの中にあるものだと感じる。ボランティアをしようと思った理由など本当は、ないのだろう。そう思うと、以前から考えている、『人間は元々ボランティアとして生まれている。』ということが、しっくりくる。物がなければないほど、足りなければ足りないほど、このボランティアという人間の生まれてもっている本質が発揮?されるのではないか。だから、あのKOBEの震災の時、何もかも失ってしまって、皆がボランタリーな活動を自然と、何も考えずにできたのでないかと思う。
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スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.7

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【写真】(上)風船をふくらます様子。(下)小さなTUKTUKから5人のメンバーが降りてきた。

1月20日に、UNVボランティアとして、スリランカに着任した濱田久紀さんがUNVのオリエンテーションも終わり、とりあえず先に赴任している滝田(ヒロさん)さんの活動するマータラに入りました。しばらくマータラのホテル住まいになろうかと思いますが、何とかインターネットをつなぎ、やっとスリランカ発第1報のメールが届きましたので数回に分けて紹介します。ヒロさんのレポートもあるので、棲み分けしないと混乱しますがとりあえず単純に<クキさんからのレポート>とします。
以下は、マータラに赴任して最初のプログラムとなった野外料理教室(日本料理、スパニッシュ料理、スリランカ料理)に参加しての感想です。
<クキさんからのレポート1>
初めてTalallaの子どもたちによるプロジェクトに参加した。私たちが到着する頃には、既に子どもたちは集まっており、飾りつけをはじめていた。子どもたちなりに好きな様に飾りをしていく。UNから風船のプレゼントがあった。それを面白そうに膨らましては、膨らましすぎて割れてしまって大笑い。こちらまで笑ってしまう。ヒロが「小さく、小さく膨らましましょう!」とアドバイスする。しかし、暑さの為なのか、膨らましすぎなのか、数個の風船が割れてしまった。子どもたちは、そんなことはお構いなしでとにかく作業を楽しんでいた。風船が割れて気にするのは大人だけであろう。
暫くすると、ミュージックバンドのメンバーがTUKTUKに乗ってやってきた。小さなTUKTUKに5人も乗車し、その上、楽器まで乗せている。TUKTUKからメンバーが降りてきた時は、「えっ?そんなにいたの?」と本当にびっくりしてしまった。彼らは学校から楽器を借りてきて、ボランティアで子どもたちの活動に参加してくれた学生。みんなが料理をしている間ずっと演奏を奏でてくれていた。
この活動には、年齢は4歳から上は多分60歳近くの人が参加していた。これだけバラバラな年齢層でも皆の想いは一緒だった。CODEがTSUNAMI発生後のスリランカの避難所で見たもの、『他からの支援物資に頼るのではなく、大人も子どもも一緒になって、自分たちで料理を作ろう。』という想い。まさにCODEが目指す「被災者の自立」へ向けた活動の一歩であると感じた。
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