第3次現地派遣」カテゴリーアーカイブ

【お知らせ】第3次派遣によりタイ・スリランカにおける支援プロジェクトが固まりました

 4月6日~18日に行った「スマトラ沖地震津波 第3次現地派遣」により、タイ・スリランカにおける支援プロジェクトが固まりました。
<支援プロジェクト>
タイ
 ・防災教育
スリランカ
 ・防災教育
 ・幼稚園再建支援
 ・漁業復興支援
詳細はCODEプロジェクトニュース05年4月号をご覧下さい。

~スリランカ漁師への求められている援助とは?~ 第3次現地レポートvol.11

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【写真】地震・津波で職を失った漁師達(ワライチェナイ、4月16日)

 津波災害で最も被害を受けたのは漁民であることはいうまでもない。漁民は津波が襲ってくる海岸沿いに居を構えていたからだ。ただ、漁師といっても多様な漁方があり、各々によって労働の時間帯も違い、稼ぎも異なるようだ。
稼ぎについての一つのパターンは、エンジン付きの船を所有している人と船を持たない漁師とがチームを組んで漁に出る方法。収穫してきた水揚げに対しては、60:40で分配するらしい。興味を引くのは、こうした船の所有者と船を持たない漁師とが同じ漁業組合に入っているケースがあること。この形式の場合は、20km~40kmくらい沖合に出ての漁になる。今回の津波では、こうして沖合に出ていた漁師は助かっている。沖合の海面は津波による波の変化を受なかったようだ。

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~スイランカ東海岸4YMCAの取組み~ 第3次現地レポートvol.10

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【写真】カルムナイYMCAの中庭(カルムナイ、4月15日)

 4月15日、スリランカ東海岸にある4つのYMCAを訪れました。暖かいおもてなしを受けた後、お話をうかがいました。それぞれが地域のニーズに合わせて、津波に関するプロジェクトを行う予定を立てている所がとても興味深く感じました。
<カルムナイYMCA>
 CODEが行う子ども防災教育プロジェクトのカウンターパートナー。被災した80人の特に貧しい子どもたちに、基礎学力(英語、数学、地理、国語など)のクラスを提供。今後CODEが提案した防災教育も授業に入れてくれることになりました。

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~津波物語が現地カルムナイの言葉に翻訳!~ 第3次現地レポートvol.9

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【写真】シンハラ語に翻訳された稲村の火(コロンボYMCA同盟、4月11日)

 4月13日、子ども防災教育について、スリランカ・カルムナイという場所の現地調整員であるDenverと話し合いました。前回の訪問で、英語で書かれた「稲むらの火」「ナマズ大明神」「ナマズ博士」等をYMCAに渡していたので、専門家によりすでにシンハラ語とタミル語に翻訳されていました。どちらがシンハラ語でどちらがタミル語か見分けることができませんが、翻訳された物語を見て感動!(見た目では、シンハラ語は丸い文字が多い)

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~タイ気象庁の警報システムへの取組み~ 第3次現地レポートvol.8

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【写真】バンコク郊外にあるタイの気象庁(バンコク、4月7日)

 4月8日、タイの気象庁?(Meteorological Department)にある、地震管理センター、センター長(Chief of Seismic Monitoring Center)のBurinさんとシニア研究員(Senior Meteorologist)のPhuweiengさんにお会いし、津波警報システムのしくみと3月27日に起こった地震による現地の人の反応についてお話をうかがった。
Burinさんによると、タイには、12月のスマトラ沖地震津波が発生時、地震の警報システムはあったが、津波の警報システムはなく、津波という言葉すら知らなかったとのこと。だから現在、その教訓を踏まえて、防波堤の設置、タイ南部の6つの県に警報サイレンの設置、他の国々との津波早期警報システムの確立、ブイの設置等、さまざまな提案をタイ政府に出している。経済的、政治的な理由からすべての提案が受け入れられるわけではないが、どのような理由にかかわらず、これらは現地の人々に必要なものなのだとPhuwiengさんは強く語った。

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~塩水から飲料水に カナダNGOの取組み~ 第3次現地レポートvol.7

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【写真】カナダNGOが設置した浄水システム

 カルムナイから北部に抜ける途中のラグーン(湿地帯)と入り江の間の道路(幅4~5㍍)脇に何やらタンクが二階建てに並んでいた。ここに常駐していると思われるカナダ人のさわやかな青年に説明を聞く。なんと無限にあるラグーンの塩水を4本のホースでポンプアップし、直径3㍍ほどの帆布を材料にしたプールを一度通過し、そのあと10機の小さなフィルタータンク(一機が約100万円)を通過して飲料水に変えるというシステム。アメリカのドナーがついている。
一日20万立方メートルの飲料水をつくっており、ちなみに12日は約17万立方メートルの水が仮設団地などに配送されたと日誌に記されていた。「こんなことがこれほど簡単なシステムで可能なんだ!!」とビックリした。何でも道路隔てて反対側にある海の水は、塩分が強く浄化システムに向いてないらしく、ラグーンの水を使用しているとのこと。
これで約2万人の飲料水をカバーしているとのこと。なんとすばらしいことだろうか!

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~【住宅問題編3】再定住案は仮設団地から恒久団地へ?~ 第3次現地レポートvol.6

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【写真】カルムナイYMCAのスタッフへおはしもの歌を提案(バンコク、4月15日)

 前号で紹介したタミール人の仮設団地では、その土地で恒久住宅を建設する計画があるそうだ。この仮設には、CODEのカウンターパートナーであるスリランカYMCAのカルムナイブランチがあり、この仮設住民もボランティアで参加しているそうだ。
これからCODEの支援により、「子ども防災教育」を進めようと計画しているが、むしろ大人も対象に展開すればいいだろうと感じた。ちょうどカルムナイYMCAの担当者が子どもの防災教育と平行して、大人を対象にした地震・津波のメカニズムを勉強したいと言っている。この仮設団地でも展開して欲しいものだ。というのも、必要以上に恐怖感を抱いているような感じだ。地震が発生してもすべて津波が来るわけではないことを科学的に学び、しかし地震が来たら逃げることを必ず覚え、同時に避難する時、パニックにならないように、訓練することを通してより支えあいのコミュニティを強くするということを目標にあげて欲しいものだ。

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~【住宅問題編2】漁師から転職できるか?~ 第3次現地レポートvol.5

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【写真】ラグーンで投網を使い小魚を取る漁師(カルムナイ、4月15日)

 スリランカ、カルムナイの中の仮設団地では、最も海岸から遠いところに仮の住まいを確保しているタミール人の団地がある。ここはラグーン(湿地帯)には近いところだが、元の海岸までは10㎞はある。前号で紹介した連れ合いと子どもを亡くした彼が入っている仮設団地である。ここの住民には漁民が多いのだが、誰もが口々に「もう海岸には住みたくない」という。職業訓練所でもあれば、大工や溶接工、ドライバーの技術を身につけたいと訴える。

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~【住宅問題編1】スリランカ、仮設団地の現状~ 第3次現地レポートvol.4

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【写真】地震津波で破壊された建物(カルムナイ、4月13日)

<何もなかったように穏やかな東海岸カルムナイ>
 4月9日、今年1月初め以来のスリランカ東海岸入りだ。津波直後の荒れ果てた海岸の状態は一変して何もなかったかのようだ。瓦礫もすっかり片づけられ、遠くから見ていると普通の美しい海岸だ。しかし近づいて少し海岸を歩いてみると元幼稚園や小学校の敷地だけが軽うじて残っている姿は痛ましい。後ほど紹介する海岸から最も遠い地域に建設された仮設団地では、なんと前回ここの海岸で会った一人の男性と再会した。その男性は身重の連れ合いと子どもを亡くし、呆然とすべてを流された家の跡地に立ちつくしていた。今回会った時は、透明のカード入れのようなものの裏表に、その連れ合いと子どもの写真を入れて道行く人に見せていた。かなり重傷のトラウマを背負ったのだろう。

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~子ども防災教育、タイでも実現へ~ 第3次現地レポートvol.3

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【写真】SVAとの打ち合わせ(SVAバンコク事務所、4月7日)

4月7日
 スワンプルー・スラムを見学した後、(社)シャンティ国際ボランティア会(SVA)バンコク事務所にうかがい、CODEのプロジェクトである子どもへの防災教育をタイ被災地でも普及するために話し合いを行いました。

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