スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.19

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【写真】メダルとトロフィーを授与
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【写真】トロフィーを年少さんに渡したボランティアリーダー

(クキさんレポート13)
 授賞式が行われた。見事大人チームを破ったチームリーダー(ボランティアリーダー)にトロフィーをヒロが手渡す。彼がトロフィーを両手に持ちあげると、負けたチームの子どもたちも拍手でチームの健闘を祝福した。みんな最高の笑顔だ。チームリーダー以外のメンバーには、メダルが授与された。メダルの数は5個である。一人ひとりにヒロがメダルを首にかけていく。メダルの数が最後1個になった時、ヒロの顔から笑顔が少し消えた。メダルを待つ子どもが二人残っていた。どうするのかと思っていたら、チームリーダー(ボランティアリーダー)が、自分のトロフィーを差し出した。それを受け取った子どもは、チームリーダーに「ありがとう」と本当に嬉しそうに言った。チームリーダーの顔から幼さが消え、彼の両足はしっかりと地面の上に立っていた。
ヒロが子どもたちに「他の3ヶ所のプロジェクトで使いますから、このトロフィーもメダルも一週間だけ貸します。その間、充分に楽しんでくださ~い♪」と言った。
えぇ?これもオルガンや太鼓と同じように使いまわすの?と思っていると、子どもたちは、いつもの様に何も気にせず「オッケー!!」と言いながら、トロフィーを高く持ち上げた。「使いまわし」と考えていた私に彼らは「支えあい」であることを教えてくれた。
 ところで、子どもたちがバレーボールの準備をしている間、ふと洗い場を見ると、ボランティアリーダーが歌を歌いながら、先ほど、子どもたちが飲んだプラスチックのコップを洗っていた。日本でなら、再利用されることのないそのコップを大事そうに1個、1個、丁寧に洗っていた。スリランカで物を購入すると、新聞紙や使い終わったノートの紙を利用し、それに包んで手渡される場合が多い。以前、買い物をした時のことだ。ふと、包んでいたノートの紙に目をやると、そこにはある人が書いたラブレターが書き記されていた。捨てられるはずのノートの紙から、幸せの共有、幸せの連鎖を感じた。コップを洗っていたボランティアリーダーの歌声が、あの時のラブレターを思い出させてくれた。
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