スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.16

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【写真】イシャンカの指示でみんな協力しあって移動
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【写真】イシャンカの妹も一緒に学ぶ(共育)
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【写真】机で鉛筆の先を尖らす男の子
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【写真】拳を力いっぱいに振り上げながら歌う
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【写真】津波1周年慰霊祭のモニュメント

防災ソング「お・は・し・も」伝承のレポートの2回目です。子ども達の様子が生き生きと描かれています。
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(クキさんレポート10)
 シンハサナ村に着くと、既に子どもたちはグループに分かれて、座っていた。イシャンカが、ホワイトボードのある場所に移動するように指示を優しくだす。子どもたちは机、椅子を運び指示された場所まで移動した。イシャンカによってホワイトボードにシンハラ語で「お・は・し・も」の歌が書かれた歌詞を子どもたちがノートに書き写す。年少さんは、字を書くスピードが遅いため、ボランティアリーダーが手助けをしている。書き終わった歌詞をイシャンカはじめボランティアリーダーがチェックしている。あるボランティアリーダーが年少さんの鉛筆を鉛筆削りで削っていたのを見たある子どもは、鉛筆の先を机で尖らしはじめた。(写真参照)自分で考え、出来ることは自分でする。それを見ていた私にその子どもは、自慢げに先の尖った鉛筆を見せ、顎を少し斜めにあげながら真っ白な歯をキラッと輝かせた。
 いよいよ歌の練習に入った。「お・は・し・も」の歌の意味や、この歌が生まれた経緯など、イシャンカが説明をする。「お・は・し・も」の日本語の意味は、私が少し説明した。子どもの中には分かっているのかいないのか、ぽか~んと聞いている子どももいたが、いったん、イシャンカが歌いだすと、体でリズムをとりながら、一緒に直ぐに歌いだしていた。愛知県布土小学校のオリジナルの「お・は・し・も」の歌はとてもリズミカルな歌であるが、このマータラバージョンは、スリランカの伝統的な音楽にあわせて、とてもゆっくりしたメロディーに編曲されている。ヒロと私は、何回聞いてもなかなか覚えられないメロディーなのだが、スリランカの子どもだけでなく大人も不思議と、このメロディーを一回聞いただけで直ぐに覚えてしまう。子どもたちは特に一回聞いただけで次には、大声で歌い始める。これには本当にヒロといつもびっくりしている。
 「稲村の火」の物語もそうであるが、「お・は・し・も」の歌も、現地の文化や習慣にあった形に変わる方が覚えやすいし、また広がりやすい。このマータラバージョンの「お・は・し・も」の歌は、マータラ地域から他の地域に広がるであろうと確信しながら子どもたちの歌を聴いていた。このマータラバージョンの歌にはジェスチャーが付いている。「皆一丸となって、手と手をつなぎ、立ち上がろう!信念があれば、私たちは立ち向かえる!」と拳を挙げながら歌うのだが、(写真参照)子どもたちはこの部分になると、力一杯に拳を挙げる。笑って歌っていても、この部分になると真剣な表情になる。小さな、小さな子どもでも、この部分になると、小さな拳を精一杯、背伸びしながら空高くに突き上げる。その姿と、昨年の12月26日のディクワラで行われた津波一周年慰霊祭で漁師の息子さんが創った、男女が拳を天高くに突き上げているモニュメントとが重なった。
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