~塩水から飲料水に カナダNGOの取組み~ 第3次現地レポートvol.7

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【写真】カナダNGOが設置した浄水システム

 カルムナイから北部に抜ける途中のラグーン(湿地帯)と入り江の間の道路(幅4~5㍍)脇に何やらタンクが二階建てに並んでいた。ここに常駐していると思われるカナダ人のさわやかな青年に説明を聞く。なんと無限にあるラグーンの塩水を4本のホースでポンプアップし、直径3㍍ほどの帆布を材料にしたプールを一度通過し、そのあと10機の小さなフィルタータンク(一機が約100万円)を通過して飲料水に変えるというシステム。アメリカのドナーがついている。
一日20万立方メートルの飲料水をつくっており、ちなみに12日は約17万立方メートルの水が仮設団地などに配送されたと日誌に記されていた。「こんなことがこれほど簡単なシステムで可能なんだ!!」とビックリした。何でも道路隔てて反対側にある海の水は、塩分が強く浄化システムに向いてないらしく、ラグーンの水を使用しているとのこと。
これで約2万人の飲料水をカバーしているとのこと。なんとすばらしいことだろうか!

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【写真】(上)フィルターを通し浄水する(下)浄水後、パックしてトラックで輸送する(カルムナイ、4月13日)

「降雨量の多い地域で災害が発生し、飲料水の供給が急がれる場合、雨水もこのシステムで飲料水に変えられるのか?」と聞いたところ、「試したことはないが、おそらく塩水よりもはるかに不純物が少ないだろうからより大丈夫だろう」とのこと。この設置場所は第1次および第2次調査団がカルムナイを訪れた時にはなかったもので、2月18日から設置されたそうだ。難点は、被災地の条件にもよるが、緊急時には間に合わないということかもしれない。
ただ、今回の場合は仮設団地への飲料水の供給として充分すぎるくらい役立っていると推測できるので、今後の水供給システムに朗報だ。おそらくこのシステム全体で3000万円を超えないだろう。ただ、運搬費や維持コストがどれほどかはわからない。この日はポンプなどのチェックで3人から4人の技術者がついていた。他にデリバリー関係で2人、全体の監督で二人とすると・・・・・・。一応今の予定では10月に撤去するとのこと。残念!
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