【フィリピン台風30号】救援ニュース No.30

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.30
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 吉椿と上野の2人は引き続き、セブ島現地のNGOでフェアトレードを行っているSTFTCという団体やNGOネットワークであるABAG!Central Visayas、漁業の支援などを行うFisherfolks Development Center(FIDEC)などのヒアリングを行いました。
 
 SPFTCはセブ島唯一のフェアトレードショップであり、神戸大学国際協力NGO PEPUPとも交流があります。特に農業、子ども、女性、貧困層への支援が得意分野だそうですが、今回の台風では今まで取り組んでいなかったメディカル分野などの支援も行っているそうです。女性のコーポラティブ「guin wamon Women’s cooperative」への支援を台風前から行っているそうですが、今回の台風で地域の98%が被災し、サーディンの瓶詰などが生産できなくなってしまったそうです。現在はコーポラティブの方々で再建に取り掛かっているとのことです。
 ABAG!はセブ島で活動する10のNGOが加盟しているネットワーク組織で、加盟団体間で情報やデータ、カウンターパートの共有などを行っています。一か所に支援が集中しないように団体の得意分野を踏まえた調整が行われています。SPFTCやFIDECもABAG!の加盟団体であり、例えば漁業分野だとFIDECがリーダーとなってプロジェクトを進め、それを他の加盟団体が手伝うという形で支援活動が行われています。ABAG!自体は運営資金や口座を持たない緩やかなネットワークであり、必要な時に必要な連携が取られているように感じます。ある意味で理想的なネットワークの形態かもしれません。
 FIDECは漁業支援を行っているNGOです。セブ島にはPANAMAと呼ばれる漁師のAssociation(協会)があり、FIDECはこちらの協会と協力しながら支援を進めているようです。PANAMAを構成する各地の漁師の協会と話し合い、適切な支援の場所と規模を決定しています。漁業の支援は未だ行き届いておらず、バンタヤン島のサンタフェという地区は船の支援が無く、現在は支援の調整をしている段階だと言います。また、支援する船の数が足りなくても、住民でローテーションを組み船のシェアをすることは可能だそうです。
 2人は今後、セブ北部の被災地に入り直接調査を行う予定です。また、その後はネグロス島へ移動し調査を行う予定です。(頼政良太)