【フィリピン台風30号】救援ニュース No.18

「知られていない広大な被災地」
 フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。本当に多くの方々の助けを借りながら、10日間のフィリピン被災地への派遣を終え、24日に帰国いたしました。
 実際に被災地へ行くと、様々な面において日本で報道されている情報とのギャップを感じます。先のレポートでも紹介されている、略奪などの被災地の治安もその一つです。そして私が何よりギャップを感じたのは、台風による被災地の広さです。
 今回の台風の被災地として主に取りあげられるのはタクロバン市のあるレイテ島や高潮被害が甚大であったサマール島です。しかし実際には、台風の被災地はこの2島だけではなく、フィリピン中部ビサヤ地域の非常に広大な被災地で多くの住民が厳しい状況での生活を強いられています。
 今回私たちが訪れたセブ島、パナイ島でもセブ市、イロイロ市から車で北上するとすぐに倒れたバナナの木や屋根が飛ばされてしまった家が見られました。地図で確認してみると、台風の通った所から約50km以上離れた地域でも甚大な被害が発生していたということがわかりました。このようなあまり周知されていない被災地の中でも、特に町と町の間の集落に住む人たちは、さらに支援の手が届きにくい状況に置かれています。セブ島ダアン・バンタヤンの市街地から少し外れた地域に住むMさんは、「支援が少ない。今日の食べ物に困るわけではないが、十分とは言えない。特にこの地域は支援の車が停まることも少ない。」と述べていました。
 災害を風化させないために忘れないということは、東日本大震災でも取り上げられ、CODEでもシリーズ「災害を忘れない」を発信しています。そして、今回の台風では、日本で報道されているよりももっと広い地域で、もっと多くの人が災害によって大きな被害を受けていることを忘れないで欲しいと思います。
(上野智彦)
☆12月3日には報告会をさせていただきますので、ぜひお越し下さい。(18:00~20:00こうべまちづくり会館)