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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.14
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「被災地では、「バヤニハン」で、早くも自立の動きが・・・」
二人は、これまでもお世話になっているLOOBのスタッフと共にパナイ島北部のKalibo市のバランガイ・ポロクサイ地区に入っています。
同地区は、107家族300人が住んでおり、台風30号襲来時には避難勧告が出ており、女性や子どもは学校やバランガイホールなどの避難所に避難し、男性は家を守るために残っていたそうです(そのために亡くなった方も多い)。食料はある程度確保できた被災者も見受けられ、むしろ住居再建の建築資材を求める声が増えています。この地域の住居はほとんど”バンブーハウス”で、中間所得層は腰の辺りまではコンクリート仕様で、上は竹を使っています。その竹も柱になる部分は、丈夫ものを使い、壁の部分は若い竹を使うという工夫が見られます。しかし、貧しい家庭は全て竹のバンブーハウスのようです。
まだまだ緊急時の状況から変わっていないのですが、家の再建にとりかかる被災者も少なくありません。バンブーハウスといえば、インドネシアや中国の被災地でも注目すべき住居がありましたが、フィリピンでもそれらの事例から学ぶことができれば、安価で、地域の資源を活用し、結構災害に強いバンブーハウスが可能かも知れません。
またこれまでも紹介したフィリピンの助け合いの文化といえる「バヤニハン」が、再建の過程で活きているようです。
注目すべきは、この地域では、子どもたちは学校で防災教育も受けており、また大人は災害時の避難方法は理解しており、今回も食料・薬・ラジオ・ライトなどを持って避難した住民が多かったとのことです。
またバランガイのクラッシ地区は8078人が住む猟師町で、台風30号で2700家屋のうち600家屋が損壊。漁のためのボートはすべてが流され、海に沈んでいるボートを引き上げ、ダメージの少ないボートで漁を再開すると力強く応えてくれた漁師さんもいます。また、ボートを失った漁師は、セブやイロイロに出稼ぎに行き、マニラ近海の漁に参加するケースも少なくない。
Roxas市に住む高校教師Gさんによると、災害時に適用される公務員専用の災害保険のしくみがあり、平時は給料から天引きで保険料を支払っているとのこと。しかし、こうした保険制度が貧困層まで行き届いているかどうかは確認できていません。
二人は今日24日帰国します。12月3日に開催する報告会を楽しみにして下さい。
【フィリピン台風30号】救援ニュース No.14
(村井雅清)