【フィリピン台風30号】救援ニュース No.9

フィリピンの台風被災地へのご支援ありがとうございます。
一昨日よりスタッフ2名がフィリピンで被災地の調査をしています。
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フィリピン台風30号(Haiyan) 救援ニュース No.9
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セブ島北部の被災地にスタッフが入った。現地からの情報によると、セブ島最大都市、セブシティーから東海岸沿いに2時間ほど北上した町、Borbon(人口約2万8500人)周辺から台風の被害が出ているようで、沿道には数十メートルごとに家族や兄弟のような人たちが、「We need food!」、「Welcome to HELP!」と書かれたボードを掲げて立っているが、行き交う車でそのボードを見て、停まる車はほとんどないという。
ボゴシティに入る手前・物資を受け取る人々.jpg
スタッフ2名は、そこから1時間ほどのセブ島北部最大の町、Bogo市(人口約6万4000人)のMalingin地区(約5000人)を訪ね、被災者の人たちのお話を聴いた。
Bogoはサトウキビ、マンゴー、ココナッツ、バナナ栽培などの農業で生計を立てている人が多く、女性は農業に携わり、男性は大工やドライバーなどの仕事をして生計を立てている。ジーナさん(48歳女性)は、コンクリートの家の屋根は多少飛ばされたが、何とか住める状態で家を失った近所の人たちが身を寄せていて、避難所のようになっていると語る。竹や木で作られた質素な家は跡形もなく吹き飛ばされてしまったそうだ。多くの人は、「次に来る台風が心配だ」と言っているそうだ。直後に政府や銀行による救援物資の支援はあったが、毎日来るわけではなく、配布の量も日によって違うという。
このエリアは高潮の被害はなく、ほとんどが強風による被害と豪雨によって周囲の山から流れ出した大量の水による被害が大きかった。家がかろうじて残った人たちは、家の修復に汗を流し、家を失った多くの被災者は、「やる事がない」、「農地や作物が流されたので何もできない」と語っているという。多くの人は材料さえも買う事も出来ないため大工さんも仕事がないという。セブシティーに仕事を求めて出稼ぎに行く人もいるそうだが、交通費さえ捻出できない被災者もいる。「元々、北部は貧しい人ばかりで、セブシティーのように給料もよくないんだよ」と語る人もいたそうだ。
ボゴシティ・malingin村にて.jpg
避難所になっている小学校も屋根が一部飛ばされているが、家を失った16家族(約60~70人)が雨露をしのいで暮らしている。若い教師のFlorameさん(女性)は、避難所になっている小学校で授業を始めなければいけない状況に頭を悩ませているそうだ。
malingin小学校・避難所としても使われている.jpg
Bogo市は、セブ島北部の被災地の支援拠点になっており、オペレーションセンターが物資の配布やNGOなど68の支援団体の調整も行っているという。センターは、第1段階として救援物資の配布、第2段階では家やガレキの片づけなどを行い、将来的には「台風に強い住宅を再建したい」、「海岸線が被災しているので内陸に移転する事も考えている」と担当者は語ったそうだ。
(吉椿雅道)