ミャンマーの被災地には、タイ国と友好国のみの医療従事者が入れる
ようになりましたが、報道を見る限りでは一日も早く国際的な大規模支
援の必要性を痛感します。そんな中で今日21日の神戸新聞朝刊に紹介
されましたが、災害医療の草分け的存在である鵜飼卓先生(CODE正会
員・災害人道医療支援会理事長)にビザがおりました。今は、一人でも
多くの医療従事者が入り、災害関連死を防ぐ措置を急がなければなり
ません。医療措置としても、まず栄養価の高い食糧と安全な水を大量に
供給することが緊急課題と思われます。そういう意味では、とにかく現地
に入ることのできた医療従事者を支援することが緊急課題の一つだと思
われます。また、先日19日東京で「難民を助ける会」AARの現地報告会
が開かれたようです。報告者は「支援できた世帯は氷山の一角。ほか
に10万人以上が絶望の中に生きている」と訴えておられます。
<以下の情報は、CODE翻訳ボランティアによるものです。参考にして下
さい>
情報源:Oxfam 08/5/13
増大する避難民の数
Myaumyaでは、救援キャンプの数は22から増えて27になった。Mettaは
周辺の水没した地域へ生存者を探しにボートを漕ぎ出し、ここ数日でデ
ルタのもっとも低い地帯から500人の人々を救い出した。
Patheinでは、4つのキャンプに3,000人以上が集まっている。地元の指
導者や教会の指導者とともにMettaは救援委員会を立ち上げ、食料の
短期間の寄付を申し出た地元のビジネスマンから米、塩、油を集める計
画をたてた。委員会のメンバーは仮設の雨水貯蔵タンクの用地を準備す
る援助も行った。
Laputtaでは、修道院と学校の一連の建物やモスクや林業事務所など
に27の救援キャンプが建てられた。3万人の生存者の多くは裸足でここ
にたどり着いた。これらのキャンプの中では食料と同じくらい、抗生物質
のような薬が緊急に必要である。現在、救援要員は食料と履物を集め
ている。
Bogolayでは、Mettaは医療チームを送り、700人以上の患者を診察し
た。次の医療チームはBogolayの近くの副郡区Amarへ派遣される。そこ
はサイクロンでひどい被害を受けた地域のひとつである。そこの生存者
はMettaからの救援パッケージを船便で受け取ることになる。100個の
パッケージにはそれぞれ料理用の油、塩、薬、蚊帳、ろうそく、懐中電
灯と電池が入っている。
Pyin Kha Yai島の周辺では、ボランティアの数も日に日に増えてい
た。Mettaは島民が最新の天気と緊急の情報を得られるように、2台の
携帯電話を貸し出した。Mettaは厳しい状況の中、継続的な援助を続け
ており、善意の集まりも大きくなって、地元の組織や人々を動かしてい
る。
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ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.6
1985年のメキシコの奇跡といわれた市民による空前の救援活動に関わった
メキシコのNGOのクワテモックから、「ミャンマーについてですが、私にはラオ
ス、タイ、カンボジアで子ども・若者を支援する地元NGOの友人がいます。彼等
はミャンマーを支援するため、もしくは子ども・若者たちと活動するためミャン
マーで活動したことがあります。そのルートで情報収集してCODEに提供しま
す。」というメールがきました。まさに被災地の経験者は「痛みの共有」からは
じまり、人と人のつながりが、決して国家ができない国境を越えた連帯を創り
出すことができると痛感させられました。
*クワテモックさんは、CODEの海外研究員の一人です。これまでにもエルサ
ルバドル地震(2001年)、アルジェリア地震(2003年)、インド洋沖地震津波
(2004年)などにも災害直後に被災地に入っています。
<以下の翻訳はCODE翻訳ボランティアによるものです>
<情報源:Oxfam 日付:2008.5.13>
ミャンマーにおけるOxfamの救助活動とコミュニティ意識の構築(抜粋・要約)
(Oxfamの現地パートナーであるMettaは、国際的な支援要員がビザの発給を
待っている間にも食料・医薬品などを持って被災地に入り、68,000人以上の生
存者を援助した)
「地元の組織が現地にあって動員の準備ができていることによって、最も効果
的でタイムリーな対応が可能になるということを経験は示している。」と、Mike
Delaney・Oxfamアメリカの人道支援局長は述べた。「ミャンマーにおいてこの
甚大な惨事が起きた時、人々は信じがたい逆境に自ら向き合い、挑もうと立ち
上がり、一番弱い者を救うために立ち上がったのだ。」
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ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.5
以下のニュースにありますように、ミャンマー赤十字が緊急物資の配布な
どもしています。NGOが国際社会に提案した「スフィア・プロジェクト」という
のがあり、これは被災者支援にあたり「人道原則」及び「給水と衛生」、「栄
養」、「食糧」といった主要分野における援助内容の最低基準を示すもの
で、被災者支援の質の向上と支援の仕組みの透明性を高めるためにも有
益で、国連難民高等弁務官事務所をはじめとする国際機関やNGOがその
有用性を指摘しております。同プロジェクトの日本語版作成(2001年完成)
には、日本赤十字社事業局国際部やピース・ウィンズ・ジャパンなどが尽力
されました。
<以下の翻訳はCODE翻訳ボランティアによるものです>
--情報源:IFRC(国際赤十字赤新月社連盟) 2008.5.14 記事より抜
粋・要約--
・この数日中にイラワジデルタに激しい雨が降り、被災者の状況をより悪化
させ、すでにとても大変な最悪の被災地域へのアクセスをより困難にすると
IFRCは警告している。
・ニューヨーク・コロンビア大学に拠点を置く気候と地域社会の国際研究機
関によると、5月2日にサイクロンの最悪の影響をうけた地域に、これから6
日
の間に12cm以上の雨が降ると予想している。土壌はすでに飽和状態にあ
り、もはや水を吸収できず更なる洪水をひきおこすことになり、コミュニティは
限界に達するということだ。被災者たちはこの地帯を離れて、乾いていて支
援がすでに進行している新しい土地を求めて行ったほうが良いと研究者は
警告している。
・IFRCとともに清潔な水を供給する取り組みをしている水と公衆衛生の国際
的な連盟のトップは、衛生的でない水の状況を見て、下痢や赤痢といった
水が原因となる病気の危険性が明らかに増大していると述べている。何十
万もの人々が必要最小限の避難場所さえない状況では、あらたな嵐が肺
炎のような上部呼吸器感染症を引き起こすことになる-特に子供たちの間
で-としている。
・IFRCは、防水シート、ポット、蚊帳、水質浄化の錠剤、石鹸などが入った
家
庭用キット1万人分をヤンゴンに届けた。これらは24時間体制で被災者を支
援しているミャンマー赤十字社のボランティアによって支給されることになっ
ている。
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ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.4
昨日の毎日新聞夕刊1面トップで、衝撃的な記事がでています。「親
失った子ども2000人 人身売買業者が暗躍」また、ミャンマー軍事政権
の発表では「死者7万7000人」とも。
いつも大規模災害ではこうした目を覆いたくなるようなことが起きること
は事実です。2003年12月に発生したイラン地震の時にも、1週間後に
入った被災地バムの周辺では人身売買が横行しているという話は聞い
たことがあります。
さて昨日に続いて、CODE翻訳ボランティアによるCAREの情報源から
の続きです。(2008/5/13)
— Myaung Mya郡区にはおよそ1万人の生存者の避難所となっている
27のキャンプがある。そのひとつをNayが訪れている時には、隣の家が4
人の家族ごと地面からひきちぎられて吹き飛ばされるのを目撃した男性
に出会った。数分後には彼の家も洪水によって土台から押し流されて、
彼と家族は急流に漂った。彼らは水が引くまで木にしがみついて何とか
生き残ることができた。
CAREはデルタの生存者たちに、安全な水と衛生設備を提供するよう
動いており、WFPを通した食料提供を確実にしている。ヤンゴンでは、子
供用のTシャツ、サロン(腰布)、下着、蚊帳、プラスチックシート、毛布、
料理や食事の道具、ガスライター、歯ブラシ、歯磨き、バケツなどの食料
品以外のものを集めており、梱包して今週はじめにもトラックでデルタ地
帯へ運ぶ予定である。—
今、思い出したのですがご存じのようにCODEが継続している「アフガ
ンニスタンぶどう畑再生プロジェクト」のフィールドを決める二次情報源
は、こうしたUNOCHAに拾われている情報でした。
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ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.3
以下の情報は、CODE翻訳ボランティアによるものです。
<情報源:CARE 、2008/5/13>
生存者が語るサイクロン・ナルギスの恐怖
CAREの緊急チームは腐敗していく死体がイラワジデルタの残骸の山の中に散
らばる悲惨な光景を伝えている。現在の一番の問題は病気である。CAREスタッ
フの1人Nay Myo Zawは現地でいくつもの生存者の悲痛な話を共有した。
イラワジデルタの主要な都市であるPathein の高校に避難している600人の生
存者に毛布を配布している時、Nayは人生がまったく変わってしまい悲痛に打ち
ひしがれている漁師に話しかけた。サイクロンの前には、彼には妻と3人の子供
がいて5人家族だった。しかし今は誰も生き残っていないと涙ながらに語った。
非難していた別の男性は、1人息子を失ったと語った。サイクロンが村に突進し
てきたとき、彼の家族は必死に家財を守ろうとしていた。嵐の一番ひどい時に、
彼の8才になる息子は家から走り出て、豚の餌やり用のバケツが飛ばされるの
を止めようとした。その時、水が押し寄せてきて流れに押し流されてしまった。男
性は死にもの狂いで息子を助けようとしたが、洪水は余りに強く、彼はどうするこ
ともできずに息子が押し流されていくのを見ていた。彼の妻と娘はどうにか生き
延びたのだった。
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ミャンマー(ビルマ)サイクロン被災者支援ニュース NO.2
大型サイクロン「ナルギス」が、ミャンマー(ビルマ)のデルタ地帯を襲ってから、2
週間が経過しようとしています。今朝の新聞報道では、死者が43000人を超え、
負傷者27000人以上という被害実態を伝えています。こうした中で軍事政権は、
新憲法に対する是非を問う国民投票を強行しました。海外からの人的な援助を拒
否し続けていましたが、隣国タイ国の医療チームの援助は受け入れたようです。
さて、ご存じのようにその後中国四川省でも大地震が発生し、マスコミなどの報
道もやむ得ず中国の報道に偏りつつあります。私たちCODEにしても、昨日夕刻
中国四川省の被災地にスタッフが入ったこともあって、ますます情報が多くなりま
す。それで「ナルギス」情報については、CODE翻訳ボランティアのKさんが翻訳し
て下さったUNOCHAのリリーフウェブの災害情報を少しずつでも流していきたいと
思います。なお、13年前に阪神・淡路大震災を経験した被災地KOBEの関係者
は、こうした災害情報の偏向による弊害について敏感でもあり、CODEだけではな
く他の関係者の中でも同様のこだわりを持っているところがあります。「あの時」に
社屋が倒壊した「ラジオ関西」さんも、いま報道番組で必ず1回はミャンマー情報
に触れると言っていました。わずかな行為にしか過ぎないかも知れませんが、被
災地KOBEから支援のメッセージを送り続けたいと思います。
<情報源:UNOCHA、08/5/13 抜粋・要約>
・2008年5月2日、3日にミャンマーを襲ったサイクロン・ナルギスは、エヤワディ管
区に上陸し、最大都市ヤンゴンを直撃した。ヤンゴン管区とエヤワディ管区のデル
タ地帯では、150万人から200万人の被災者が清潔な水と食料の配給、救急医
療、避難所などを危急に必要としている。
・この地域は重要な米作地帯でもあるので、農家の復興が重要である。飲料水
や食料、避難所がなくて立ち往生する人達がいる一方、必要な支援をもとめて被
災地の外へ移動し始めている人達もいる。
・WHOはエヤワディ管区のもっとも被害の大きい地域へ、心的外傷、下痢、急性
の呼吸器系感染症などへの対応も含めた即刻の医療支援が必要としている。
・ため池が塩水によって汚染されてしまった南部の村々では、清潔な水が利用で
きるようにすることが重大な問題となっている。漂白剤の粉末や錠剤などによる水
質浄化対策や、水の運搬や貯蔵のための容器や雨水を集める装置なども含め
た、清潔な水と衛生設備を供給することが優先される。
・WFP、UNICEF、UNHCR、World Vision、CAREなどが物資を用意して現地に輸送
しているが、支援が必要とされる地域への国際的な人道援助要員の立ち入りは
いまだ制限されている。
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ミャンマー・サイクロン被災者支援ニュースNo.1
未だ支援の届かない被災者に支援を!!
大型サイクロン「ナルギス」発生から、1週間が経とうとしています。ま
だ限られた条件下ではありますが、報道によりますと未だに政府からの
援助は何もない避難所も少なくないようです。そんな中でも政府は予定
通り一部地域を除いて、新憲法案の是非を問う国民投票を強行しまし
た。国連はじめ国際機関は、人道的に積極的に援助を受け入れることを
ミャンマー(ビルマ)政権に要請していますが、まだ本格的には援助者
の入国を認めていません。
そんな中で日本のNGOは、これまでの難民支援などの関係でつながってい
るルートを探り、効果的な援助ルートを探っているところもあります
が、まだ確実な入国ルートを把握していないのが現状です。
CODEも同じような状況ですが、情報収集に努めていますのでしばらく
待って下さい。ただ、あの大災害となった2004年のインド洋沖地震津波
の時にも思ったのですが、被災地域はその国の一部の地域です。同じ被
災国の人たち自身の手で、応急対応期の支えあいは可能だと推測しま
す。13年前の阪神・淡路大震災の時も、2ヶ月間で日本中から延べ100万
人を越えるボランティアが駆けつけてきました。かなりの制限があるこ
とは理解しますが、それでも海外からの支援が届くまでは、そうした同
じ国内での支えあいが大規模に起こらなければならないでしょう。そう
いう自国内の動きに対して、きっと世界中の衆目は見ており、国際世論
がわき上がる可能性があるのではとかすかな希望を抱きます。
むしろ被災者にとってのこれからの課題は、さらに立ちはだかる「復
興」です。この復興期にまで支援が継続されることを私たちは考えてお
かなければならないと思います。
是非、すでにミャンマーに拠点を置いている企業などが、そうした動き
の縁の下の力持ちになってくれればと願います。そういう企業関係者で
情報がありましたら提供して下さい。