「はじめの一歩」No.8
さて”エコ・プロジェクト”ですが、いわゆる住宅建設に欠かせない大工さんや左官さんはどうするのか?という疑問を持たれる方もおられるでしょう。集落によっては、クラテンという北部の地域から大工さんに来て貰って、村人を指導し、みんなで建てていくという方法をとるところもあります。
CODEが支援するボトクンチェン集落は、大工さんは雇いません。エコさんが総監督をし、現場監督はRT長が、その下に2~3人の経験者がいて進められます。その他にはムジさん(村の住民で直後から救援活動を開始した人)やディニーさん(故ロモ・マングンの秘書をしていた人)もサポートしていますので安心です。働き手はこうして、みんなボランティアです。その代わりというか、食事は村の女性たちが引き受けてくれます。前にもジャワに詳しい人に聞いたことを思い出しますが、相互扶助のゴトンロヨンが発達しており、お金がなければないなりに支えあうし、貧しい人から優先的に支えるということなどが当たり前のように行われています。エコさんは、「こうしてみんなで支えあいながら再建することで、村の団結力が強くなるのではないか」と笑顔で話されます。
エコさんが総監督といいましたが、決して自分が目立っているのではなく、あくまでも村の住民を主役にしておられます。つまり徹底して”黒子”に徹しているのです。エコさんと一緒に村の中を歩いていても、誰も村の住民は、軽く挨拶をするくらいで、決して特別扱いをしません。村のとりまとめは、RT長のスギマンさんという方がしています。こんな控えめなエコさんの姿に感銘を受けているのですが、こうしたコミュニティづくりができる秘訣がなんなのか?しばらくこの村に住んで学びたいほどです。